GRANITE

前夜からあいにくの雨でしたが、レスト日（観光）だったので全く気にならず。いそいそと弘前の市内観光にでかけました。
　
　一番のお目当ては現存天守を有する「弘前城」でしたが、補修工事のため天守閣は移動させられて、とても残念な状態になっていました。工事終了まであと10年あまり、かつての雄姿を見に再訪することが果たしてあるのでしょうか。

　弘前市内には明治〜大正の洋館がたくさん残っており、いずれも趣があって目を楽しませてくれました。先の大戦で大規模な空襲を受けていなかったら、日本各地にこのような景観がたくさん残されていたことでしょう。

弘前城の天守、工事終了まで約10年かかるらしい・・。
旧青森銀行。
和洋折衷の洋館、盛美館。二階から庭園を見たかった。

　前夜から連れと合流、つらいテント生活から解放され快適な温泉旅館に泊まることができました。盛岡を出て弘前を目指しました。まずは本ツアー最大の目的である「大湯の環状列石」を見学。それなりに感動した後に向かったのは、同じくストーンサークルがある伊勢堂岱遺跡。ここには出土された板状土偶なども展示してあってかなり楽しめました。早く世界遺産に登録されてもらいたいものです。

大湯の環状列石。
大滝温泉の「天空の松」。巨大な三頭木でした。
伊勢堂岱遺跡。整備がまだまだでしたが・・、
展示品は一級、レプリカではなく本物でした。
庭園が見事な瑞楽園。

　前夜はとても寒くてテント泊がかなりこたえました。おまけに放射冷却で朝はかなり冷え込んでいました。この日は岩手山の「焼切沢〜左保沢」を予定していましたが、早朝から沢に入る気になれず、上部の「左保沢」だけを登ることにして出発。

　途中で七滝を見物しつつ、登山道を歩くこと1時間半で「左保沢」の出合へ到着。信じられないくらいの大水量で、下部から登らなくて正解でした。赤い岩盤の上を清冽な水が流れ、えもいわれぬ光景でした。上部の連瀑帯を過ぎ、1430ｍあたりで突然水がなくなってしまいます。この先は見どころもなさそうだったので、左岸の支沢から御苗代湖へ抜けることにしました。ちょっとしたヤブ漕ぎになりましたが、御苗代湖へ抜け出たときは感動しました。

　ここまできたので岩手山の頂上を踏んでおこうと思っていたのですが、頂上ははるかかなたに聳えており躊躇することなく下山にかかりました。こんな体たらくでは百名山を達成するのはかなり先になりそうです・・。

赤い岩盤のナメ、見事でした。
右側は湯の華の滝。
御苗代湖にて、至福のひと時でした。
御釜湖と岩手山、遠すぎ・・。

　予報では寒気が入って気温が下がるとのことだったので、いくつかの候補の中から「中ノ沢・湯ノ沢」を選びました。なんでも温泉が湧いているらしく、水温が多少なりとも高いとのことでした。

　中ノ沢にかかる「曽利滝橋」から入渓しました。直後に堰堤があったのは興ざめでしたが、そんなことが気にならないくらい水が清冽でした。全体としては簡単な沢ですが、濡れずに遡行しようとするとそれなりに大変でした。

　大岩のあるプチゴルジュをへつっていると、ホールドが欠けてしまい淵にボッチャンしてしまいました。陽が射さなかったので、以後は寒さとの闘いでした。大滝を強引に巻いたりしながら遡行していくと、徐々に硫黄臭が強くなってきました。ほどなく登山道が横切ったので沢から離れて「焼山・名残峠」を目指しましたが、有毒ガスが怖くなり下山することにしました。

5ｍほどの見ばえのする滝。
滝の左下から温泉が湧き出ていました。
右岸にかかるすだれ状の滝。貴重な飲用水でした。
寒くて泳げないのがもったいない・・。
登山道の合流地点。地獄状態でした。
有毒ガスが淀んでいそうで撤退しました。

　花巻で買い出しをした後、小和瀬川へ向かいました。途中の玉川ダムの下に無料のキャンプ場があり、ここで宿泊。よく整備された広いキャンプ場でしたが、三連休の中日なのになぜか貸切り状態・・。寝るころには雨もあがってくれました。

　小和瀬川源流部で沢泊をする予定でしたが、予報が今一つだったので日帰りすることにしました。少し荒れた林道を辿り、中の又沢林道を過ぎたあたりに駐車。大沢へ延びる林道、杣道を歩いて入渓。水は思ったほど冷たくはなくて一安心。大沢は滝の多い沢ときいていましたが、その通りで次から次に滝が出てきました。当初は大沢森に抜けてから尾根を降りるつもりでしたが、時間があまりにも早かったので「タツノクチ沢」を降りることにしました。

　内大沢森の西のコルにでてからタツノクチ沢へ降りましたが、ヤブ漕ぎがわずかだったのが幸いでした。タツノクチ沢はナメが延々と続き快適に降りることができました。最後の大滝を下る際はかなり緊張しましたが、右岸から25ｍ懸垂3回で降り立つことができました。中の又沢林道を延々と歩き車へ戻りました。




延々と続くタツノクチ沢のナメ。
タツノクチ沢の大滝。

　昨秋に続き、今年のSWも東北へ沢登りに行ってきました。出発前は台風や秋雨前線の影響で天候に不安があったのですが、雨に降られたのはわずか1日だけとラッキーでした。

　当初は虎毛山や和賀山で沢登りをする予定でしたが、南部の天気が悪そうだったので急遽変更して、北部の八幡平周辺と八甲田山で登りました。後半は嫁と合流したので1本だけしか登れませんでしたが、遺跡、巨木＆温泉巡りができてとても楽しい旅になりました。

　来秋は念願の白神山地へ行く予定ですが、今から待ち遠しいです。

9/18：福岡→花巻空港へ
9/19：小和瀬川・大沢遡行〜タツノクチ沢下降
9/20：熊沢川・湯の沢
9/21：岩手山・左保沢
9/22：弘前へ
9/23：八甲田・城ヶ倉温泉へ
9/24：井戸岳・井戸沢（小川右股）
9/25：花巻台温泉へ
9/26：帰福