GRANITE

　6/7、やっと天気が安定しはじめた。この日は、Reed's Pinnacleで登ることに。昨日の雨の影響が心配だったが、壁はまずまずのコンディションであった。アップで「Lunatic Fringe（5.10c）」の左にありワイド気味のクラックを登る。スーパートポには載ってなかったが、終了点がきちんと整備されていたのでちゃんとしたルートと思われた。中間部のOWと最後のチムニーが嫌らしく感じたが、無難にフラッシュ。5.9くらいあると思ったのだが、（後で調べたがファルコンにも載っておらず・・）不明のまま。
　次に「Lunatic Fringe」をフォローで登る。情けないことに核心のフィンガーが上手く登れない。ジャミングにこだわりすぎているのだろうか・・、ガックリする。
　3本目は、「Stone Groove（5.10b）」。右上するフィンガークラックであるが、ここは20ｍ弱と短いルート。できればリードしたかったが、待っている組があったのでTRトライ。ノーテンであがれたので、もったいなかったかもしれない。
　場所を移して、駐車場下にあるFive & Dimeクリフへ。「Keystone Cornere（5.8）」を登る。グレードが甘いのか、スタンス、ホールドともに豊富で楽にOSできた。

　6/5は朝から雨、もちろんレスト。昨日の疲れもあるのでちょうどよかった。食事はテント外で作らなければならないので面倒・・、不精してヨセミテロッジで食べる。
　ヨセミテビレッジでロン・カウクの映画があるというので観にいく（8ドル）。映画はいまいちだったが、生のロン・カウクを見ることができた。

　6/6、昨日の雨がうそのような晴天。エルキャプのベースで登ることにして、ゆっくりと出発。昨日の雨の中、数組が壁中でビバークしていた。
　まずは、真っ先に目に付いた「Moby Dick（5.10a）」へ。全体に傾斜は緩いものの、ルートが45ｍ近くある。ワイドの部分が長く、手持ちのカムで抜けることができるかどうか不安になる。心配していた出だしの核心はスムースにクリアできた。ハンド〜フィスト、そしてOWになっていく。順調に上がっていけたが、あと6、7ｍくらいのところで弾が切れ無念のテンション、下のカムを回収し登りなおす。なにはともあれリードできたので満足できた。
　いつの間にか雲が厚くなって、パラパラと降りだした。今日はジ・エンドと思いきや、すぐに止んでくれた。「La Cosita（5.7）」を登ることに。さるHPに「5.7ってことはないと思う・・」と書いてあるとおり、傾斜も強くて難しそう。登ってみると、バック＆フットもきまるしガバも多く、すんなりとフラッシュできた。その後再び雨が強く降りだしたので、急いで撤収した。

　6/3はキャンプ4の受付（朝6時で3番目でした）を済ましてから、久しぶりのシャワーとお洗濯。どんよりとした曇り空で、明日からの予報もいまひとつ・・。まだ始ったばかりなので、のんびりいこうと思いました。

　6/4、降水確率40％というのに朝は晴れ。のんびり起きたので、9時過ぎに出発。この日はクッキーで登ることにしました。このエリアは高難度ぞろいなので、自分が登れそうなところがありません。数少ない5.9である、「Meat Grinder」の1ピッチ目を登ることにしました。スベスベの岩に慣れないのでステミングを思い切ってできず、出だしの何でもないところでテンション。その後は問題なくクリアできたので惜しい事をしました。2ピッチ目の10cはフォローせずに、お目当ての「Catchy（5.10d）」へ。中間あたりまでは難なく上がれたのですが、上部のシンハンドにかかるとテンでだめ。それでもムーブだけはきちんとできたので、多少の自信になりました。3本目はWaverly Wafer（5.11a）へ、といっても回収なのですが、出だしの5.9のハンドからしてアンビリーバブル。最後まで、カムのA0オンパレードでした。 この日は疲れ果ててしまい、ヨセミテロッジで夕食をとりました。

　6/2もニードルスへいくつもりでしたが、天気が下り坂のような気がしたので、ヨセミテへ移動することにしました。

　ニードルスからヨセミテまでは5〜6時間くらいなので、近場のドームロックで1本登ってから移動することにしました。キャンプ場から15分ほどで岩場に到着。踏み後をたどること10分ほどで取り付きへ。信じられないくらいお手軽です。

　ルートは一番人気のある「Tree」の派生ルート？である「Anti-Jello Crack, 5.10a」にしました。計4ピッチで、5.5のハンド、5.9+のシンクラック、10aのダイヒードラル、そして5.6のスラブ。ドームというくらいなので傾斜がかなりゆるく、ニードルスを登った後では拍子抜けするくらいです。それでも2ピッチ目と3ピッチ目のシンクラックでは、グレード通りの緊張した登りを満喫できました。ドームの頂上からはニードルスの眺めを楽しめます。下山は徒歩5分ほどで駐車場へ。

　ヨセミテへ移動したのですが、予想していたとはいえキャンプ4、アッパーパイン、その他もろもろ、FULLの状態でした。やむなく某キャンプ場の隅っこにこっそりと幕営・・、レンジャーと熊におびえながら眠りにつきました。



　　　　　　　　　　　2ピッチ目のシンクラック

　　　　　　　　　　　　ニードルス全景

　6/1も晴天。ニードルスでの第一目標であった「Thin Ice (5.10b)」を登りにいきました。このルートは、前日登った「Igor」の対面のSorcererという岩峰にあります。
　
　計3ピッチで、10b、10a、そして9というグレードです。前日の辛さを実感しているので、登る前から憂鬱になります。でだしは垂直に近い傾斜のシンクラック（このセクションは5.9）、そして中間部からが核心でスタンスも乏しくなって掴み上がるのがやっと・・。ビレイ点はボルトが打ってありました。2ピッチ目は10aということで少しは楽ができるかと思いきや、チムニーともOWともいえないようなコーナーで、このピッチが一番こたえました。3ピッチ目は傾斜の緩い（といっても比較級ですが）ハンドクラック。このピッチはリードさせてもらいましたが、前半のダメージが強くワンテンかけてしまいました。

　ピークからは2回の懸垂で降りることができます（60mシングルでも大丈夫）。この日は2本継続しようと思っていたのですが、前日同様（以上に？）ヘロヘロになってしまい、すごすごと下山しました。

　　　　　 右がAtlamtis, 11cで、左がThin Ice

　　　　　　　 　　 1ピッチ目の核心部あたり

　ニードルスのキャンプ場は、静かで雰囲気のよいところでした。唯一の難点は水が無いことくらいで、無料、無許可、焚き火はし放題だし、ビールなどの買出しも車で10分あまり、と申し分のないところでした。

　初日はオリエンテーションもかねて、お手軽な（と思っていた）「Igor Unchained (5.9)」へ。平坦なトレイルを歩くこと1時間くらいで、見張台（Lookout）のある岩峰へ着きました。Lookoutというだけあって、すばらしいながめでした。各岩峰の位置関係を確認して、IgorのあるWitchという岩峰へ向かいました。

　SorcererとWitchの間の急なガリーを100ｍほど下ると取り付きへ。ルートは一目瞭然、見事なクラックがピーク下まで走っています。計4ピッチで、中間部に大テラスがあります。核心は傾斜のきつくなる後半部なので、前半を自分がリード。グレードが不明だったのですが、5.8以下であることは間違いないので、カムを多めにもって登攀を開始。1ピッチ目はほぼ問題なかったのですが、2ピッチ目がかなり厳しくて、テン近くあるように感じました。なにはともあれOSできてほっとしました。核心の上部はフォローで登らせてもらいましたが、傾斜がきつくてついついA0に、三倉のテンマイナスはあるのではないかと感じました。

　ピークからの眺めは素晴らしく、疲れも吹っ飛びました。と言いたかったのですが、長いアプローチ、辛いグレード、時差ぼけなどで、ヘロヘロになってしまいました。岩陰にロープをデポして、ヨタヨタと下山しました。

　5月末から2週間かけて、カルフォルニアのニードルスとヨセミテを回ってきました。

　前半をニードルスで、残りをヨセミテで登ってきました。ハーフドームのスネークダイクあたりも登る計画でしたが、天候がいまひとつ安定せずヨセミテではショートルートばかりでした。そのため各エリアの看板ルートに多数触れることができ、クラックの練習が集中してできました。