残り3Lap、タイヤのグリップダウン、水温上昇。レースカーにとっては過酷な状況下。ドライバー達は、一つでも順位を上げる事に集中する。トップを走行する私にとってはチェッカーを受けるまで何が起こるか分からない。レースは、チェッカーを受けてこそ結果が伴う。この時点で私のレースカーの調子は最低限維持出来ていた。これは、後方3台に順位変動が起こった際、#21に変わり2位に上がって来た選手が、残り周回数を考えると、その勢いが止まらなくなるからだ。その時、ラストスパートをかけられるだけの余力がレースカーとドライバー両方に残っているかが勝敗を分ける。
幸いにも私は前半から、後半を見据えてラップタイムをコントロールしていたおかげでスパート用のマージンはに残っていた。
レース最終局面。4台のドライバー全てが同一条件下。焦りは禁物だ。最後の最後はメンタル面が結果を大きく左右する。それは、クルマという道具を使うスポーツだから。マンパワーが空回りし結果が出ない場合。クルマのポテンシャルを使い切れない場合等様々な要因が重なり合ってドライバー達は、クルマ&サーキット&ライバルと闘っている。
ファイナルラップ。後方2位につける#21も既にコントロールの限界点に達したレースカーをねじ伏せ懸命に食らいついて来る。毎ラップ、ダンロップ立上がりから最終コーナーで間合いを詰めてくる。しかし、その後に続くストレートでは私のスリップを捕まえるまでには至らなかった。#21板津選手にとっては、様々な想いが浮かんだ無我夢中の13LAPだったに違いない。ミラー越しに見た板津選手のドライビングは大胆な中にも繊細さが感じられ毎ラップごとに走りに強さを感じた。

最終コーナーを抜け正面のタワーからチェッカーフラッグが出された。4台のマシンは最終コーナーからアクセルに全開をくれた。乱れ合うように4台が交差する直前に#27、#21。#18、#23の順にフィニッシュラインを通過した。
長く熱い闘いにようやく終わりが訪れた瞬間だった。
このレースを機にネオヒストリッククラスの勢力図に変化の兆しが見え始めた。
今回のレースで自信に繋がった事で勢いに乗る#21。
次回は得意とする西での巻き返しを計るだろう#18。
一皮剥け、ターニングポイントを意識した#23。
移籍後初レースながら新たなチャレンジを感じる#20。
デビュー戦完走と共に熱い世界を知った#28。
各々の想いをかけて2010シーズン後半戦の新たな闘いが今始まろうとしている。
TANKS!
画像提供 飯田氏 わいるど氏
動画提供 #21板津選手(
congratulation! Your best result 2nd)
レース後半戦〜チェッカー