(いざ出陣)



(決勝前)
予選PPで安堵感が漂ったものの、やはり決勝でトップチェッカーを受けなければならない。11:45分スタート進行が開始される。早々にエンジンを始動し、西コースピットレーンへと向う。フロントロウをTEAM GRIDの2台で押さえているので、後はお互いスタートミスさえなければ、どちらかがトップで西ショートカットへ進入するはずだ。しかし、#50&チームメイト#10のスタートは定評がある。#10にはスタートで上がって来てくれる事を期待し、#50には上手く#18を牽制して貰えれば助かるのだが。全車ピットレーンに整列完了し、オフィシャルの合図でコースインラップ開始。このままダミーグリッドへ向ってコースを1周する。ダミーグリッドには、メカニック他チーム関係者が待っていてくれる。ダミーグリッドに整列し、選手紹介がはじまった。3分前に関係者は、コース外へ退避。
(ブラックアウト)
一瞬の静寂の中1分前のボードが提示され全車エンジンスタート。30秒前のボードの後、グリーンフラッグが降られフォーメーションラップ開始。コース状況を確認しつつクルマをチェックしながら走行する。あっという間に、西ストレートに戻って来た。各マシン、一列縦隊で自らのグリッドを目指す。一台、また一台とグリッドにロックオン。後方でブルーフラッグが降られ全車ロックオン完了。タワーから5秒前のボードが出された。一斉にエキゾーストノートが高まる。全神経を前方のシグナルと左足に集中する。何も考えない、後は身体が反応するだけだ。無の境地とはこの事かもしれない。シグナルレッド点灯! 心臓の鼓動は最高値を示しているのか? 息が止まる・・・ブラックアウト! 全車一斉にスタート。
1速から2速へシフトアップ。130Rへ向けての西ストーレート上、ショートカット進入までの攻防戦だ。まずは、予想通り3番手#50がナイススタートを決めた。チームメイト#7は、#18のプッシュが強く130Rで#18に先行された。その勢いでショートカット進入で#50のインへ#18が飛び込んだ。飛び込まれた#50は、#18とサイドバイサイド、#18は#50のインへねじ込んだおかげでバランスが崩れ、#50をストッパーに使った事で接触し、#50が縁石アウト側へ押し出された。その間、#7が順位を上げ、#71-#18-#7-#10-#50の順でデグナー1つ目へ進入。私はペースを上げ#18を引き離しにかかる。
(10周の攻防)
オープニングラップ、コントロールライン通過時#71-#18-#7-#10-#50の順。
Lap2、押し出された#50が、#10をパッシングし#71-#18-#7-#50-#10。
Lap3、この周回、私のペースが思ったほど上がらず逆に#18のペースが上がったようで、スプーン2を立ち上がり西ストレート上でその差が一気に縮まった。
しかし、#18がショートカットでインを刺してくる気配は無かった。デグ1、デグ2とクリア。
立ち上がり3速?4速へシフトップが、ギアが渋く一瞬、4速に入らない! ここで、後方#18が100Rに向けイン側へ、すかさずインを閉めるも、次のヘアピンへのアプローチも考えないとクロスラインを取られてしまう。ヘアピン進入#18はイン側へ、100Rで速度が落ちた事でヘアピン立ち上がりが鈍い。その隙を狙って#18がマッチャンコーナーアウトへ進路を取った。立ち上がりが若干鈍っていた事もあり一気に並ばれサイドバイサイドへ。しかし、このまま#18がアウト側を走り続けるには困難がある。相手が引くまでは1車幅は残し、私はマイラインを行く。スプーン1手前まで、持ちこたえられなかった#18が一旦私の後方へ引いた。しかし、勢いに乗る#18はスプーン2の立ち上がりを生かしバックストレートで仕掛ける様相を呈している。
Lap4、#71-#18-#7-#50-#10でコントロールラインを通過。予想通り、#18はバックストレート上で私のスリップを伺うもスリップに付けない様子。その間に差を詰めて来た#50が加わりトップ争いは4台団子状態になった。ペースが上がらない私を#18は後方から攻めたてて来る。4人の誰かがミスをする事ですぐさま順位が変わる状況だ。4台は、スプーン2を立ち上がりLap5、#71-#18-#7-#50-#10、ここで後方から#10が集団に追いつきトップ争いは5台になった。
私のペースが今ひとつ上がらず、ここに来て気温が上がっているせいかタイヤグリップが下降気味になって来た。後方から激しく攻めたてていた#18も、#7の猛追に合っているせいか、私との距離が少し開いた。私は、#18もタイヤグリップが低下したのかと思ったのだが、実はそうではなかった。確かに、#18は私を抜きあぐれていた事で少し諦めがあったようなのだ。
(隙・・・)
私は、それをタイヤグリップ低下と勘違いしていた。だが、その事で上手く車速が伸びた#18は、130Rを抜け最後の最後で、ショートカットで私をロックオンした。私は、ショートカット進入への攻防でインキープを取っていたが、ミラーから一瞬#18が消えた。これはアウト側へ降ったと思った瞬間「ズババーン」とギリギリのブレーキングで私のインを突いて来たのだ。この瞬間に#18にトップの座を譲り渡す事になった。
Lap6、#18を追うも、そのペースに付いて行くのがやっとの状況だった。後方に#7、#50と続く。Lap8、更に#18は、私との差を広げて行く、その間、後方ではスプーン2から速度を合わせて来た#50が、#7のスリップに入りながら西ストレートを行く、130Rイン側にクルマを降った#50は、そのまま#7のインを刺した。たまらず#7はコースアウト側を走行。これで3番手が#50に変わった。それをミラーで確認した私はなんとしても#7には、3位に返り咲いて欲しい。その思惑通り、#50に先行されたものの#7の勢いは衰えず、今度は#50を攻めたてだした。スプーン1から2で#7は、#50のインを刺す。
そのまま二台はサイドバイサイドでスプーン2を立ち上がり接触寸前のギリギリのバトルを展開した。しかし、結果は#50が前だ。LAP9、次のショートカット進入で#7が仕掛けるも、それを#50は許さず。降着状態が続くも、私を含む3台の距離は縮まって来た。ファイナルラップか勝負だ。#18は、私との差を2秒広げ優勝に向けてひた走る。3台の距離が縮まった事で、私としても#7を表彰台に導く手法を考えなければならない。
Lap10(ファイナルラップ)
西ストレート上、#50が私のスリップに入って来た。さすがカドウェル、ストレートスピードは速い。しかし、130Rで抜くまではいかない。勝負所のショートカット進入。130Rを立ち上がりミラーを確認すると#7が#50のインへ、これは必ず#50のインを刺すと確信した私は、直ぐ後方に居る#50に対して早めからブレーキングを開始した。その間隙を突いて#7が猛然と#50のイン側へ入って来た! 勢い余った#7は、私の横まで並びかけて来たのだった。そこは、しっかり押さえ、今度は#7の後方からの追い上げを牽制しつつ各コーナーをクリアし最後のスプーン2を立ち上がり2位チェッカー。

その直ぐ後方から#7がチェッカーを受けた。

決勝は、悔しい結果となってしまったが、次回、リベンジを誓い表彰台に向った。
チェッカー後、車両保管時、車検員から「大量にオイルが漏れているので確認、清掃をして欲しい」との連絡があった。エンジンから大量のブローバイとオイルが吹き出た模様。もしかしたら、そのオイルがリアタイヤにかかりペースが上がらなかった原因だったのかもしれない。
08ポイント
#18 8+1=9ポイント
#71 7+1=8
「画像提供 わいるど氏&飯田氏」