1月11日土曜日、八幡平の恵比須沢から前森に上がろうとしていた途中、たぶん自ら雪崩を誘発したようです。
その規模は尾根末端の小斜面だったため大きくはありませんが、幅20m、長さ(高さ)10m、平均厚さ50cm程度(目測、写真ではもっと小規模に見えますが)だったかと思います。
御在所温泉のトイレ前駐車場(旧八幡平スキー場付近)にいつものように車を停め、アスピーテラインから恵比須沢沿いに上がり、前山からの沢に入ってやや沢をさかのぼってから下流方向に向きを変え、トラバース気味に左岸の尾根に上がろうとしたところ、自分の30cmほど山手に長くはっきりしたクラックが出ました。
沢から尾根に上がる短い斜面をトラバース気味に上がっていたところで、もしも雪崩るようなことがあっても小規模だろうと踏んではいたのですが、それでもややあせり後ずさりして斜面から遠ざかりました。
よくよく見るとそのクラックはずっと長く、上がってきた沢の下流側(尾根との落差も大きくなっている)では幅20m×長さ10m×厚さ50cm内外の明瞭な表層雪崩となっていました。
デブリ深さは測っていませんが、目測1.5m程度。
沢床を登り、向きを変えて尾根に取り付こうとする前にピットチェックをしたところ、10cm、30cm程度に比較的やわらかい層が見受けられました。
ショベルコンプレッションでは手首3回程度で30cm程度の層が破断。非常に弱いと判断していました。
それでも沢から尾根に上がるトラバースは斜面長が短いためもし積雪が滑っても小さなものだろうと想像、結果的に自分がいた場所はクラックが入ったのみでしたが、予想外にそのストレスが遠くまで伝播し、15m程度離れた尾根末端部分(沢の左岸)の斜面で上記雪崩が発生したもようです。
ここらは危ないと聞いていたこと、また経験上もある程度の危険はありそうだと感じていたことなどから、相互に離れての行動をとっていたことなどは間違っていなかったと思います。
またここでピットチェックをしていたことも、間違いではなかったのではないかと思っています。
リスクをコントロールしていたとはいい難いながら、それなりに必要な用心をしてはいたのかなと思いました。
でも、この規模の雪崩(単独でもしボトムから誘発し、埋まったら助からない)が発生するとは正直なところ本気では考えていなかったし、真剣に目的地の数日前からの温度変化等を下調べはしていませんでした。
温かくなってから急に温度が低下していた先週、こしもザラメ等が形成されたのでしょうか。
肝心な発生メカニズムは理解できておりません。
13日は月山の石跳沢沿いで雪崩が発生し、一人がお亡くなりになったようです。
複数人での行動がやはり大切だと改めて感じます。
また、レスキュー要請の目的に加えて、このようにメンバー同士あえて離れて行動するときの連絡用としても、無線機の携行等がやはり重要かと思いました。
滑るには、これからますますコンディションがよくなる山の斜面ですが、事故にはさらに気をつけていきたいと思います。

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