2005/1/6
マンフレツト一節
ともし火に油をばいまひとたびそへてむ
されど我いぬるまでたもたむとも思はず
我ねむるとはいへどまことのねむりならず
深き思ひのために絶えずくるしめられて
むねは時計の如くひまなくうちさわぎつ
わがふさぎし眼はうちにむかひてあけり
されどなほ世の常のすがたかたちをそなふ
なみだはすぐれ人の師とたのむ物ぞかし
世の中のかなしみは人々をさがしくす
多く才ある人は世に生ふる智恵の木の
命の木にはあらぬはかなさをなげくなり
はや我は世中に学ばぬ道はあらず
天地の力もしり哲学をもきはめぬ
そを皆我身のため用ひむとおもへども
なほ我身にはたらず―人のためよき事し
人よりもまたわれによき事をむくはれぬ
なほ我身にはたらず―我身にはあだのありき
それにもそこなはれず多くはおのれかちぬ
なほ我身にはたらず―よきもあしきも命も
また勢も思も皆人の世にあれど
おのれには砂の上にかゝる雨の心地す
かのあやしき時より物とては恐れねど
其物を恐れぬ心は我身を責む
のぞみもねがひもみなしたはしとはおもはず
我はさる物にては心をばうごかさず
いざ我業はじめむくしくあやしき力
かぎりもなきこの世のさま/゛\の鬼神よ
此世をとりまきて風にすめる神/゛\よ
けはしき山の上に行きかひする神らよ
地のそこ海のそこつねにすめる神らよ
まもりの力をもていま汝等をいましめむ
汝等をよぶにのほれよとくこゝにあらはれよ
まだきたらぬ―おのれはあやしき物のかしらの
恐しきしるしもて汝等をはふるはしめむ
かならずしなぬ物のちからもてよびいでむ
のぼれよとくのぼれよとくこゝにあらはれよ
まだきたらぬ―汝等はおのれをばあざけるな
土地の神風の神我は猶おそろしき
力もて大そらに地獄の如くさまよふ
くだかれし星くずのまもりもてよび出でむ
我むねをくるしむるおそろしき力もて
我ほとりにながらへおのが身にやどる
おろしき思もてよびいでむあらはれよ

0
1 | 《前のページ | 次のページ》