安倍晋三首相、大リーグの松井秀喜、秋篠宮文仁親王…。彼らの共通点は長男ではなく次男だということだ。日本の週刊誌アエラは20日付号で次男の成功物語を紹介している。処世術に長けている次男のほうが、社会やスポーツなど、さまざまな分野で成功するという話だ。
日本の有名玩具メーカー「タカラ」社長の佐藤慶太氏(48)。彼は次男だ。もともと、父親は会社を長男に譲った。佐藤慶太氏の兄は、社員を徹底的に管理する経営方式を取った。これに耐えかねた中堅社員たちが1人、2人と会社を去った。2000年に同社は傾き出し、創業者の父は次男にSOSを出した。慶太社長は、いわゆる「次男式経営」を展開した。社長に集中していた権限を、徐々に分散した。社員たちに直接、アイディアを聞き、バナナの形に似せた電話機を売り出した。結果は大成功。親の期待を一身に集める長男とは違い、次男は自由に発想し、社員の意欲を導き出すというのだ。
損保会社支店長の大塚博巳氏(44)。彼自身も次男だが、支店職員6人のうち、次男である4人を営業の第一線に投入している。「相手に歩調をうまく合わせる次男のほうが営業に向いている」という判断によるものだ。長男である2人は、営業サポートをさせている。その結果、売上は予想より10%多かった。
「次男は場の雰囲気を読むのがうまく、処世に長けている」とアエラは分析する。次男の自由さと簡潔な考え方は、絶対的な答えが存在しない今の世の中をうまく乗り切る「キーワード」だということだ。

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