平成30年10月25日放送「英雄たちの選択」「ニッポンを斬る!歴史を創った名刀たち」
を視聴して。
時間が経つほどに不快感が増す。「元々刀は人殺しの道具」などという男女キャスター2人の考えに怒りが増す。すぐに日本刀は素晴らしいなどと言い繕ったが、最初に言う言葉は本心であると分析する。その後、この二人が何を言っても私にとってはどうでも良くなった。多分のお二人の経験からそういう先入観を持たれたのだろうが、河内國平や本阿弥光洲さんの姿を見てそういったのなら、朗らかに侮辱であり、職人の精神性を無視した言い草だ。
三日月宗近や小狐丸は何のために誰のために鍛えられたということを知らないのだろうか?決して人を殺めるために発注されたものではないのは、その伝説を見ても言えるだろう。それを依頼した朝廷の側の意向も朗らかにするべきだ。悪霊調伏、神への捧げ物が大義名分だが、人がものを作るという人間の本能の最も研ぎ澄まされた所為であると思う。國平さんももしこの番組を後でみたら激怒するのではないか。もう二度と取材などさせてくれないのではないかということを恐れる。
ものを生み出したことがないお二人と思うが、人それぞれ、嗜好も美学も違う。私はまったくこの人達には肯んじ得ない。確かに人に触れればその骨まで断つことが出来るがそれは悪用というものであろう。包丁だって悪用できる。お試し斬りなどはその悪の側の歴史と思う。それを認識せずに刀の実用美と精神性を論じるのはおかしい。芸術の定義はさておいて(議論出来るという意味)職人は芸術家であり、芸術家とは時の権力におもねるふりをしながら思うままの美を創造する天才のことである。現在の芸術家の敵とは有象無象の称賛である。
刀剣がお好きな方たちは何を思うのであろうか?

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