新陰流では斬り合いを「截合」というそうです。「截」は音読みでは「せつ・さい」、訓では「たつ」(古語)。矛で細かく切ることを表すそうです。
口伝書などを読むと、手首、肘などを使って竹刀を振るうことを厳しく禁じています。
即ち、現代剣道のような手首のホイップを使って打ち込むことは、古武道にはあり得ません。
重い刀を手首を使って振るのは不可能だからです。
現代人が思っていることとの違いの好例があります。コンタックという風邪薬のコマーシャルを見たことがあるでしょうか?
風邪薬を飲んだ侍と飲まない侍が一日中対峙しています。夕暮れの寒さが襲ってきて、思わずくしゃみをした隙に、飲んでいる方の侍が斬り込んで勝つ(だろう)という設定です。
斬り込んだ格好は良いですが、よーく見ると、なんちゃって剣法ということが分かります。
斬り込んだ瞬間の画像が止まっていますが、肘が曲がってるし、後ろ足の膝が曲がっているのが分かりますか?
あれではもし刀で遮られたら簡単に太刀筋が流されてしまうでしょう。
古武道の神髄は刀で防がれても太刀筋を変えることなく、ずどんと打ち下ろせることです。
それは肘が曲がっていて、刀が全身と一体になっていないと出来ないことです。
このことは「惣身一体の打ち込み」と言われ、流儀の外には秘密にされたものです。

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