来週までに出さなきゃならないものがあるのに、約18時間もシラフで寝てしまった…。よっぽど疲れていたんだろう。完璧1日潰れたが「ああ、眠れるんだ…」と、ちょっと安心した。
で、本題。やぁ『インランド・エンパイア』観たよぉ!!
もうねぇー、メッチャクッチャ(握りこぶし)訳分かんなくて楽しかったわぁ(笑)。
お忙しい中、誘ってくれたYさんに(って、伏せなくてももうお分かりだと思いますが…)感謝、感謝っす(泣)。あの時、一人で観る(外出自体)気分ではなかったので、「DVD待ちかなぁ…」と思っていた所だったので、渡りになんとか…。思いっきりチャージしてきたって感じだ。
私もそーだが、それ以上に1ファンとしてYさんへの「リンチ作用」が漫画に出るかな…?と、実はひそかに楽しみにしてたりするんですけど、ヒヒ…(?)。でも、Yさん、クールだからなぁ(^_^)。
しかし、いつも思う事なんだけど、なぜかリンチ君のは(初見の場合)1人で観るのと、誰かと観るのとではえらく印象が違ってくる。だめだめな作品(だけど、嫌いじゃないんだけどね)も、今回のように「絶対、クるな(笑)」って時も、普通映画を観た時の数倍は誰かと喋りたくなる。なんだろうね、あれは?面白くない所も聞きたくなるっつうか…(興奮度然り。あの日映画が終わってYさんの後ろをフラフラついて出口に向かっていたが、何度殴りたくなった事か(笑)…や、もちろんYさんが嫌いでじゃないですよ、ええ)。
そんなだから「はねてからお茶しましょう」と、していたが、実はその時私はとても頭がくらくらしていて(映画に酔って)、全く関係ない雑貨屋なんぞを2、3軒冷やかしてから、お茶したのだった。そーなんです、Yさん…(笑)。
さて、少々ネタバレ入るので未見の人はこの辺から注意して下さいね。
とにかく、テーマもクソもなくいわゆる実験映画とか、アヴァンギャルド…というとかっこいいが、インランドとは「リンチランド」の事でその中のアトラクションっていうのがこの映画なんだと思った。
まず観終わって頭に浮かんだのは、ケネス・アンガー監督。昔からリンチの師匠的存在ではあったと、いろんな所で言われてきていたが、今回もうモロ全開しちゃっていたと思う(^_^)…。
ハリウッドといえば、やはりバビロンとか、エンパイアとか、ある意味「虚栄の市」的言葉が思い浮かんでくるが、前作の「マルホランド〜」以上にハリウッドの呪縛を憎悪と愛情をもって3時間に(これが思ったより、アっと言う間なのよ、って「私には」だけど(爆)ぎゅうぎゅう詰め込んだ形になっていて、さぞ創っていて気持ち良かったんじゃないかと思えた。
っか、こっちも正に「酔った」とか「トンだ」とか、そう言う言葉がまず第一に浮かんでしまって、夢の説明とか、酔っぱらった時の様子(私は下戸ですが…)を人に説明できないのと同じ「気持ちいい」感覚の映画だと思った。
今や巨匠と呼ばれる監督の映画なのに、昔小劇場で観たような映画を観ているような(それこそアンガーの「マジック・ランタン・サークル」みたいな)「こ、こんな大劇場(しかもシネコン(笑))でかかっていいのだろうか?」ってな錯覚を起し、心配までしてしまったくらいだった(笑)(きっと次回作は一段と都心だけになるだろう…(泣))。
と、いうのも映画自体ももとい、大体その日そこの劇場のラスト上映だってのに、ほとんど貸しきりかよ?!な状態で(20人いたかという…)、アメリカはともかく日本での興行ははっきりいって失敗だと思う(まぁ、これからDVD化ってのもあるけど…)。
ま、でもそんな事は関係ないのがリンチ君だぁね(笑)。あまり予備知識を入れずに観たのだが、どうも元々はサイトでチマチマ上げていた映像を繋ぎあわせたりしたとかで、いわゆる「コラージュ」映画というか、後から商業用に付け足した絵もあったらしいが、編集されていても時系列とかストーリーなんてもんは基本的には無いに等しかった。また、毎度おなじみの(私が大好きな)「ニューカラー」的日常ショットも健在だった。
しかも、一応フィルムも使っていたが、大半をデジタルビデオで撮っていたようで、(パンフの撮影風景写真に載っていた)DVを使いながら一脚(!)で撮影するという、なんつーか「ローファイ映画」とでもいうんだろうか?
それがまた、笑っちゃうほど凄まじいカメラワーク(?)で、「カット割りて何?」ってな感じの突然の場面(時間)転換や、過剰で、しかも、ある意味特種メイクといっていいほどの「これでもかぁ!!」の女優の「不細工メイク」を施した超どアップの意味不明な連続ショットなんかのてんこ盛り状態…(よく頑張ったぞ、ローラ・ダーンちゃん)!
そのくせその他のキャストがとてつもなく豪華なんだけど、ギャラなんて全く期待してない…っていうかカメオか?と思うほど(もちろん、ある程度は貰ってるだろうけど(笑))「チラッとでも出させて!!」と、どいつもこいつも(失礼)台本も見ずにオファーしてきたような顔ぶれがチラっと登場していたりもして驚かされたりもする。しかも不思議と皆「リンチ映画顔」になっちゃっているからこれまた凄い!!(あの濃いジェレミー・アイアンズの存在が薄く感じるんだよ!?)もちろん「リンチ組」のメンツも健在だ。
何より、近年のリンチキャラはいかにも変な(容姿含)やつがほとんど出てこなくなったが、昔のリンチ映画以上に「見た目普通なんだけど尋常じゃない人達」が満載(笑なのだ。
もう人物設定なんつー概念なんか必要ない、って声が聞こえてきそうだった。
そう、そんなこんなでリンチ映画は、もう1つのジャンルとして成立してしまっているのだろう。
ただし、単にしっちゃかめっちゃかにしてるわけじゃないのが、そんじょそこらの学生映画と訳が違う所で(当たり前だけど)、積年の恨み(笑)というか「ハリウッドに対する愛情と憎悪」の折り込み方もため息もので、決して自慰的アートフィルムになっていないのも天晴れだ(本人は「プライベート・フィルム」と言ってるそうだけど)。
生っ粋のハリウッド育ちである事を随所にちりばめつつ、エンターテインメント映画への愛情(と、いっても黄金期を指してはいるが)も感じられ、もう映画好きにはたまったもんじゃない(T_T)。
…ざっと例を上げても、映画内映画に「スミシー」なる人物を登場させたり(「スミシー」とは、監督や俳優がプロデューサー等の指示でめちゃくちゃな駄作にされた時などに、「アラン・スミシー」と改名して『無かった事』にする時用いる。リンチも『砂の惑星』を一時「スミシー」名義にしていた)、主人公が○○れた後、朦朧と歩くウォーク・オブ・フェームの(ハリウッドに功績を残した人の名を歩道に刻んだ星形の石碑)最初のショットがドロシー・ダンドリッジ(ちょっと記憶が曖昧だけど、多分ね。「いわくつき女優」繋がりで…)だったり、ロバート・ワイズのあのミュージカルのパロディシーンがあったり、古き良き時代50'sの香りのロリポップ・ソングが…と、まだまだいろいろあったけど、とにかくリンチは決してアンチ・ハリウッドではない事も、前作以上に語っていたと感じられた。
が、が!!(まだ語るか?(爆)映像もさることながら、さらに良かったのが音響!サントラ欲しいぞ!っつうスコアと、上映中延々と深部に響く心地よいノイズの数々(もともと私がリンチ君にハマったのは、「イレイザー〜」のインダストリアル系のノイズ使いの上手さからだったんだけど)。
はぁ、はぁ…(;^_^A。ちっと落ち着こう。ともかく「リンチランドへようこそ…」と、始まったら最後陶酔をともなう悪夢(「ロスト・ハイウェイ」のスコア『パーフェクト・ドラッグ』然り)にどっぷりと浸かれる事は間違いなし!!一歩間違うと爆睡もありうるので(笑)、これから観る方は体調に気をつけて観て欲しい(でも、ちゃんと1時間に2回くらいっつ「目覚ましシーン」が挿入されてるから大丈夫<?)。ま、気持ちいいから寝ちゃうのもいいんだけどね。
最後に…最高に面白いけど、賞をあげるような映画じゃないと個人的には思うなぁ…。なんかどこかいやらしいっていうか…
ふぅ…、長い割にあんまりよく分からん文章ですいません(;^_^A。
が、とにかく悪酔いしたい人、現実逃避したい人、ニタニタしたい人、まだやっている映画館があるので是非。またはDVDが出たら部屋を暗くして音はデカめで鑑賞をお薦めします。
あぅぅ、終わった直後にも思ったけど、こんなの書いてると、またフツフツと、もう1、2回、時間があったら映画館で観てきたくなるぅぅぅ…(泣)。
以上。
また、しばらく落ちます…失敬m(__)m

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