2006/10/12
そっ と触れた
滲む漆黒のソラ
夜はやさしくて
明けないことを祈ってみる
僕は
誰も
知らない

0
2006/8/27
まぶた
君の右手小指に
僕の小指を絡めて
少しだけ感傷的な振りをする
(だって、きっと。)
目を上げると
太陽は巨大なオレンヂ色で
僕は何故だか途方に暮れてしまう
君はいなくて
僕もいなくて
何もかもが嘘で
(目を閉じれば、ほら。)
僕は形を失える

0
2006/5/19
それは、
まるで、
真昼の影のように
僕を照らしたんだ。
誰よりも明確に砕ける残像は
キラキラして
とても美しかった。
本当のものしか要らないから。
なんて、嘘だよ。
目に映る総てが。
僕も、
君も、
ほら、
ふわふわと揺らいでいる。

0
2005/7/21
「生と死は等価値」と言えることを、理想としてきた
僕は停滞を選び
消滅をねがった
きみが見ているものを、僕が見ることはできない
ただ浮かんでいる原子のように
そこにある、もの。
それだけじゃ救われないんだよ、って
フラットになりたい僕に、何を求めるの?

0
2005/3/20
花の匂いに酔う
ひたすらな混乱
気づかれないように
漠然と4月はないと信じていた
枷にならない枷
川辺に立つ桜が
燦然と全開で散る、幻想
水面は見えなく連なり
僕はひとり

0