その主な理由は、「完全実名制」ということであると思っている。著名な人でもこのことを知らない人がいるようだし、著名人でフェイスブックを活用している人はほとんどいない。実名制だから、利用していなければ検索しても出てこないので、すぐにわかるのである。
私は、2年ほど前に、フェイスブックのメンバー登録をして、住所地、学歴、職歴、職業、思想、趣味など可能なものをすべて書き込み、それらからのコネクションを通じて可能な人脈が生まれるかどうかを探ってみている。しかし、私の主な活動は、フェイスブックという閉鎖社会に限定されたくないので、フェイスブックでは積極的には動いてはいない。2年以上も、広く張り巡らしたアンテナ網にかかってくる人が、どれだけいるか様子を見ているが、その間に数人ぐらいと極めて少ないのである。
フェイスブックが日本で十分に機能しない理由をまとめると。1つ目は、実名制であるため、参加者が少ないこと。日本のインターネット人口は9000万人近いと言われているが、フェイスブックのユーザーは、現在の1000万人程度らしい。2つ目は、人間関係は、自分から働きかけなくては深まらないが、そういうアクティブな人が少ないこと。だから、会員になっていても活動している人はさらに少ないのではないか。3つ目は、それらの結果として、情報量が圧倒的に少なく、欲しい情報が手に入り難いこと。インターネットに比べ手軽さにも欠けている。
特に、今までの長い期間、匿名性ゆえに自由にモノを言い、好き勝手な活動をしてきた日本のインターネットのユーザーたちは、「完全実名制」では何もする気が起きないのではないだろうか。単なる電子メールのグループ版ぐらいにしか写らないだろう。拒否反応すら示す人も多いと思う。その気持ちは、よくわかる。
私は、少し違っていて、インターネットという公共的な空間で意見を述べたり、活動するのは、実名で堂々とやるべきだと思っている。つまり、インターネットという最もオープンな場所を「実名制」にできればいいと思うのである。著名人のブログなどは、その好例だ。しかし一方、株取引関係などでは、取引にかかる内部事情などは、匿名でないと書きにくいこともあるし、お金を扱うため犯罪に巻き込まれないとも限らないので、今のところ、ここでは、少し中途半端なプロフィールを掲示している。もし、「完全実名制」となれば、書けないこともあると思う。
そんなこんなで、フェイスブックは、日本では米国ほど普及しないというのが私の意見である。この意見は、実名制でも変わらない...(笑)
朝日新聞の解説欄から...
