温泉を求めて漂泊する旅。今回は山形県です。
仕事柄、ここには行かないと。空港からまず向かったのは、東根市の東の杜資料館。東根市の歴史、民族についての資料の他。これです。

国語教育、分けても生活綴り方教育に大きな足跡を残した偉人。国分一太郎先生の資料を見学です。はい。これをまずやりました。国分さんの子どものころの作文。優れていたなぁ……かわいらしい文字でしたが。
それに引き続いて向かったは、当然温泉です。さくらんぼ東根温泉の一角。午前中からちゃんと空いている共同浴場の一つ。沖の湯(含硫黄-ナトリウム-塩化物・ 硫酸塩温泉62.2度 / ph7.9)です。

薄い烏龍茶色のお湯。典型的なモール泉。かすかに硫黄臭。そしてガツンと熱い。いきなり良いお湯、そして誰もいなくて貸し切り湯。汗をだらだらかきながらお昼のお蕎麦を求めて旅に出ました。目指すは
「手打ち おんどりそば」。画像無し。この間、紅花資料館とかいろいろ行きましたが。お蕎麦です。これが絶品、これまでに食した蕎麦の第一位を軽く持っていくお蕎麦でした。付け出しに出たキクラゲのゆでたやつ。それだけでノックアウトでした。考えられないおいしさ。また行きたいです。
お蕎麦を食した後向かったのは、本日二件目の温泉。山間の秘湯、羽根沢温泉です。ぐねぐね山道を行くこと1時間ちょっと。突然開けた小さな鄙びた温泉街の中心にある共同浴場。羽根沢温泉共同浴場(ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉47.2度 / ph8.4)です。

これまた熱い。熱いけれど、何というぬるぬる。圧倒的なぬるぬる。そして油臭。石油採掘に伴って噴出した比較的新しい温泉。油油……ぬるぬる。熱い〜〜。きもちいー。平日の昼下がり、小さな湯船は私ひとりの湯浴み宇宙でした。……これが、温泉ファンをして再訪に再訪を重ねしむる圧倒的な温泉なのだ。……またきたい。いや来るぞ。今度は泊まりで来るぞ。決意して、後ろ髪を引かれながら出発。目指すは本日の宿泊地。これまた秘境の秘湯として古くから歴史に名を刻んだ名湯、肘折温泉でございます。カーナビ便りに延々と向かいますこれまた1時間半の旅。
霊山月山の山麓。火山が作り出した巨大カルデラの縁、外輪山を乗り越えて秘境にアプローチします。雪解け水がどうどうと流れる川、銅山川の両岸にはまだこんなにも大量の残雪。山形有数の豪雪地帯なのです。おかげでこの先の「源泉公園」が閉鎖されたままでは入れませんでした。

やむなく温泉街にとって返し向かったのが挙動浴場。上の湯です。待合室の壁に、肘折温泉の「縁起」がポップな絵とともに語られていて素敵でした。

泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素 塩泉(上の湯1号源泉 51.6度 / ph6.6 )。ちょっと熱かったですが、非常に入りやすい素敵なお湯でした。
霊場月山に入山するための湯垢離場。肘折温泉郷は、険しい崖に囲まれたまさに秘境。神秘的なところです。すばらしい肘折のお湯について、次号詳しくお伝えします。