そんなに景気のいい話ではない。予算の裏付けのない乗り換え計画。でも刻々と迫るPOLO吉の限界点。悩ましい心に、京都の雨は容赦なく降り注ぐ。
……って、なんで京都くんだりまで乗りに行くのか?
だって奈良にも、なんと大阪にも、乗りたい車のし乗車がないんだもん。この車の試乗車!!

次期FX第1候補のルノーカングーに試乗してきました。

……といっても、ディーラーの周辺ワンブロックを左折し続けて一周です。なんということもありません。高速走行の負荷のかかった状態でのハンドリングとか、サスペンションの振る舞いとか……到底わかりません。
が、車の性格はちゃんと感じました。おフランス車の、ルノーの足を、感じました。ふわっと柔らかい足回り。ゴツンゴツンの犬足POLO乗りの感覚からするとその違いがはっきりとわかる。でもそれは手応えのないふわふわしたものではなく、しっとりと粘る感じがちゃんとあって、不安になることはない。高速道路で走らせてみたいなぁ……。この柔らか足が、高速走行でどんなしつけを見せるのか……。
今日、私を一番驚かせたのは、シート。
ドイツ車の、VWのシートは、パンと張った堅いシート。というのが「定説」。が、少なくとも6NPOLOのシートはお世辞にもいいシートとは言えない。少なくとも私には満足が得られない中途半端な代物。腰痛持ちの私の長距離運転を悩ませているシートだ。
ルノーのシートはすばらしい……とどこかで誰かが書いていたおぼろげな記憶しかなかったけれど、カングーのシート。いい。とってもいい。一言で言うと……。
むっちり。
柔らかいと言っても、グニャグニャではなく、あくまで“むっちり”。アタクシのガラスの腰にからみついてきます。
窓がでっかいから、見晴らしがいい。だからかあんまり大きさを感じない。後のシートもしっかり三人掛けできる広さ(注:POLOと比べてね)。広大としか言いようのないヘッドルーム。これが広さを作り出しているんだろうなぁ。車幅は実はほとんど POLOと変わらないのにね。
トランクルームは言えば更なり。何でも入る。観音開きリアゲート、スライド後ドア。ただただ新鮮なだけだけど、悪くない。
鉄板の内装がなんだ!静電気除去効果があるぞ!
ちゃっちいプラスティック部品がなんだ!ルノーはどの車もいっしょなんだ、プラモみたいな内装なんだよ!
そうだよ、どこから見ても商用車さ。トラックだよ!
ヨーロッパ大衆車の良き伝統。それを見事に保持した数少ない車。これはMTで乗らなければ意味がないと言っても過言ではあるまい。
京都のディーラ氏は、奈良の彼とはちょっと違うことを言ったぞ。
8月到着の船(from おフランス)にMTカングー、何台か乗ってくるらしい。国内に、二台あるらしい。今。MTの生産が終わりって言ったよな?奈良氏。京都氏はちょっと違うことを言ったぞ?が、すべては海の向こうのお話。向こうの事情で決まること。来年5月の乗り換えに間に合うためには……。今年の12月あたりには購入を決めて、色を決めて、発注しておかないとおぼつかないですよ。
と、雨の京都くんだりまでわざわざ試乗に「だけ」やってきたゼニにならない客に、丁寧に教えてくれるディーラー京都氏。どうもありがとう。その辺りまでに、資金繰りをなんとかします。
久々の試乗。
試乗は楽しい。
でも他に何に乗ろうか?
今から7年前の試乗大会は楽しかった。乗りたい車、乗って検討すべき車が沢山あった。
プジョー206。
フィアットプント。
ルノールーテシア。
そしてPOLO。
このときシトロエンに有力な車がなかったんだよなぁ。クサラはでかかったし。
メタボリックなおなかを抱えて、私はちょっと新しい局面を考えている。
欧州小型車、MTで乗って面白い実用車。
第1候補はカングーで決まりだけど。その対抗馬は何になるんだろう?大穴は何になるんだろう?POLOに対するプントが果たしていた役割を担うのは……。一体何になるのだろうか?
というか、もう私が選ぶことの出来る車なんて他にはないのだろうか?
いい車ありませんか?