諸々の仕事でお山に登る。激しい夕立が断続的に降る。
そういえば、昨日は建築家が法隆寺の敷地に、縄張りをして図面のスケールを実寸大に表現する作業の段取りだったんだけど、雷雨の夕立に阻まれて断念。昨日は和泉中央辺りをフラフラしていた私はその知らせをメールで知ってびっくり。ピーカン照りの泉北地方だったので。山がちということではないけれど、法隆寺地方も矢田丘陵を上昇気流の軸にして、夕立雲を発達させたのだろうか。こちらのお山は言うまでもなく、大和と河内の国境の峰峰のまっただ中ですから……多分今日も泉北はピーカン照りだろう。
雲をさして残暑の太陽が虹を作る。そばにいた同僚氏、わざわざ「虹が出てるよ!」と呼びにきて下さったのだけれど、その虹の「足」が目の前の丘の住宅地にさしかかっているのを見て、「あ、俺の家が虹にはいっている!」と吉野弘を引き合いに出して大喜び。機嫌良く帰ってゆかれました。
お山はたとえば事務室に行くにも、「完全に」濡れずに行く方法がないという、自然との対話を楽しむためのしかけを徹底した設計思想に貫かれている。講義棟は竣工当初、屋根のないヴォイドで貫かれていたらしい。あんまり苦情が多くて後付けのポリカーボネット屋根が据えられちゃった。根性なしめ!(いやしかし、梅雨時はすごい状態だったろうね……)
もちろん私は、夕立の雨脚をしっかり見極めながら書類を握りしめている。間合いが大事なのです。