建築家から、(プレ)プレゼンを受けました。この方と設計監理契約を交わすかどうか、それを決めるプレゼンです。
平面図と立面図、そして模型を使って、二時間弱にわたって説明をいただき、素人施主(当たり前ですが)は、それに対して、アアタラ、こうたら的を射ない質問をし、勝手な疑問を提起し、かつまた実に無謀な提案を行い、それはそれは楽しい時間を過ごしましたとさ。
こういう時間を楽しまなくては、大金をはたく意味がない。
とさえ思う。
条件付きの新築の場合、プランの決定はほんのひと月のうちになされるという。ハウスメーカーの場合も、いくつかの【標準】モデルをカタログから選び出すらしい。
得体の知れないものとことのごたごたした衝突と生成と熟成と……。これからが面白そうだベサ。
まだ、決定項のようなものはないといってもいい。が、木造切妻屋根総二階……そういう構造の考え方は、こんなものかなというイメージが醸成。駐車場が縦列駐車。これは×なんだけど、致し方ないことか。
いくつか大変面白い提案。
切妻の妻面を南面道路に向けている。総二階。玄関は、東側平面に開いているのだが、そこは、駐車場から敷地奥、北側に向かって木質部材でトンネルというかパーゴラ状というか、籠というか。そういうものに包まれていて、道路からは見えない。つまり家の本体の隣に、下屋のように木の廊下がくっついている。駐車場に接したところに、目透かしの引き戸を設け、それをガラガラ開けて木の回廊に入り、家の横に開いた引き戸の玄関へ。そのまま回廊を奥に行けば、物干エリア等に使えるサービスヤード。突き当たりに、電気温水器等、オール電化の機器。廊下の天井は、透明の素材。が、これは屋根なくってもいいんでないの?と素人施主の素人提案。とにかく、この部分が外観上の意匠のポイントの一つ。実は南面道路には大きな窓がない。窓はすべて居室とはずれて設置してある。外からなかが容易に想像できない工夫。
玄関の引き戸を引くと土間。土間レベルのまま、突き当たりまで曖昧な収納エリア。南側に風呂、ユーティリティ、洗面、トイレの一室空間。引き戸で仕切られている。北側には、いきなりキッチンのオープンカウンター。土間に小さなテーブル置けば、ここでお食事可。上がりかまちを経てそこから一階北端まで、一枚つらでフローリング。北側一階は、広間。キッチンはそちら側には閉じている。面白い。普通の家の逆、というか考えられない構成。リビングに対して閉じて、玄関空間に対してオープンなキッチン、見たことある??明かり取りの窓によって採光されたオープンな階段によって、小さいながら吹き抜けが作られている。
二階は、南北に廊下が貫かれ、東側に奥さんエリア。西側に夫エリア。奥さんエリアは、壁によって仕切られ、個室として内向する。夫エリアは、廊下と居室の仕切りなし。厳密には部屋とは言えない。曖昧な居場所を構成。この二階の作りについて、かなり時間をかけて話をしました。……しかしそれはこのプレプレゼンで話す内容ではないよなぁ……。というかなり突っ込んだ内容。
素人施主のタチの悪い要望書からこれだけの具体をひねり出す専門家の創造力に脱帽です。既にプランは基本的な構造計算がなされており、これが宙に浮いたものではなく、「ありうべきモデル」であることを示している。
もちろん、まだまだ切ったりはったり、つめたり、ほどいたりしなくてはならないだろう。が、これで一里塚。