☆実は家探しについて、某設計事務所と定期的に『作戦会議』を開いています。前にここに貼付けた「私信」は、今日の作戦会議の相手です。なぜ未だに「某」なのかは、先行き本当にそちらと一緒にお仕事をするかどうか、今の段階では確定していないからです。設計監理契約に向けて、具体的に進んでいった暁には、ここにも明らかにし、これまでの相談事など、報告したいと思います。
とはいえ……。とってもお世話になっています。
一日がかりの物件見学に、(しかも手弁当で!)おつき合いくださったり……。
物件をみるポイントを実地に教えていただきました。と言う訳で、私たちの家
探しは、こうしたアドバイザーのみなさんとの関わりの中で進行している訳です。
☆で、今日の作戦会議。
この数ヶ月あまりの物件探索の手応えを元に、どんなイメージを持って家探しを考えるのか、その難しさはどこにあるのかを確認する作業でした。雑誌のきれいな写真を眺めながら、あれやこれやと話をしました。見えてきたのは、私たちの家探しが持っているいくつかの方向性でした。具体的には次の三つ。
(1)今の住宅には無い、「味わいのある」築20〜30年の中古物件と出会い、リノベーションベースとする。
(2)必ずしも「味わい」は求めない。そのかわり、躯体構造の健全性だけを追求する。築浅の木造や、築年が進んだRCや軽量鉄骨構造の物件と出会い、リノベーションベースとする。
(3)(思い切って方向転換)新築によって、躯体構造の信頼性が確保されたシンプルな「箱」を作り、住みなす中で「味わい」あるディテールを作っていく。発送の逆立ち……。
☆場所は決まった。広範囲だけど。その中で、上記三つの可能性を同時に探っていく。リミットは……来年の夏にはと思っていたけど、もうちょっと、後一年半ぐらいのスパンで。
☆この設計事務所は、新築はもちろんだけど、リノベーションを積極的に手がける。そして設計士が若い。若い人と仕事がしたいと思っていた。方法論もシステムも、きっちり固まっていないのが面白いかなと思って、ネットを通じてコンタクトをとりました。施主と一緒に、設計士もスタッフも、設計士が講師をする専門学校のゼミ生も……みんな総出でDIYしたり。リノベーションのスタイルはいろいろあれど、既存内装の撤去から新規内装施工に至る実際にプロセスを、一度はやっておかねばならんだろう……ということで苦労の多い自主工事。内装撤去にまるまる4日。珪藻土を壁、天井への施工に二日。台所の作り付け家具の製作。洗面のタイル張り……etc。これ、材料費は別として、すべての人件費を設計監理料に含めている訳で、はっきり言えば……損な仕事。多分ベテランの設計士だったら、こんなに利益のでない、苦労の多い仕事は受けないんだろうなと思います。で、そんなところが割と面白いと思う訳です。商品としての「家」をカタログから選んで、設備を選んで、買いそろえるのとは多分違うことが、こんな取り組みの先にあるかもしれない。
☆正直、壁とか、塗ってみたい。床にワックスとか塗ってみたい。どんなレベルでもいいから施工に関わりたいと思います。祖父が自分一人で立てた山の斜面の平屋が、家についての最初の記憶です。板間と囲炉裏。座敷に蚊帳を吊って、ひんやり虫の声。そこが取り壊されて建てた家は、工務店が建てたと思うけど、お父ちゃんはなにやら手伝っていたように思う。竹小舞に土壁、繊維壁。狭い家だけど今でもしゃんとしている。築35年。築10年の悲惨な家を見た後だけに、感慨深い。住まいに、住み手が主体的に関わることをどこかに作りたい。そのための道筋が、少し見えてきたかな。本当は山に木を切りにいきたい(嘘だけど)。
☆金はないけど、こんな妄想をいっぱい重ねていくことで十分に楽しめると思います。