『最近の音楽はつまらない』
この言葉よく耳にします。
これは考えようによっては聴く側の怠慢の結果生じる言葉であって、もっともっと音楽に対して熱意を以って「広く」「深く」探せば面白い音楽はそれこそ無限にあるに違いないと信じたいです。
先ず『最近の音楽はつまらない』という発言をする大半のかたの年齢層は高めです。それは彼らがトシをくってしまって、10代の若者に比べれば音楽への感動が薄れてしまうのは当然のようにも思えるのですが、それだけが原因ではないはずです。
例えば昔聴いてまったくつまらなかった曲の事を覚えていますか?
心を揺さぶられた音楽はいつまでも記憶に残ったとしても、そうでない音楽は一体どうでしょうか。
昔だってつまらない曲は吐いて捨てるほどあったはずです。
だからそうやって時代のふるいにかけられて生き残った「スタンダード」なり「懐メロ」なりと、今の任意の数曲とを比べられたのではまったく勝負にならないのは当たり前の事なのです。
これは別に音楽だけに限った話しではなく、映画でも芝居でも本でも絵画でもスポーツでも漫才でも、大抵のジャンルで同じ事が言えると思います。
ジョージ・サラグッドというギタリストが昔、「名曲なんてものはもう全てチャック・ベリーが書き尽してしまったよ」 と発言していましたが、そこまで言ってしまうとちょっと寂しいような気もします。
かく言う僕もある一時期、「最近の音楽は・・・」 と思った事がありました。
もっと若い頃はたくさんのロックやブルーズのレコードやCDを聴き、その時に出会った楽曲は今でも僕の中で不動のトップ10であり続けています。
ところがある時を境に、プッツリと世の中の音楽がつまらなくなってしまったのです。
ロックやブルーズが大好きなのに、お金を出してまで聴きたい音楽が無くなってしまったのです。
腹が立って仕方ないので僕は自分の聴きたい曲を自分で作ることにしました。
こういうメロディーで、こういうギターの音で、こういうリズムで、こういう雰囲気の曲・・・。
いわゆる自給自足というヤツです(笑)。
それが現在に至るまで続いています。
最近の音楽がつまらないと感じている皆さん。
僕は声を大にして言いたい。
諦める前に小さなライヴ・ハウスに足を運びましょう。
そこには素晴らしいミュージシャンがたくさんいます。
自身で書いた曲を信じ、唄い、奏で、音楽を心から謳歌しているミュージシャンたち。
そういうミュージシャンたちの音楽を是非聴いていただきたい。
「つまらない」かどうかはそれから考えましょう。
先ずは手始めに、5月26日(土)「
和音堂」での JELLY ROLL BAKER のライヴなどいかが?(笑)

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