先日のライヴ観戦の帰り、みんな食事がまだだったのでオーミチくんと
coopee の(ぶ)くんとエミちゃんの4人で京都駅近くの居酒屋に入った。
すきっ腹にたらふくビールをやっつけてしまったせいか、ライヴ会場をあとにしたあたりから非常に胃の具合が悪く、調子よく呑めなかったのが唯一心残り(?)だが、まあそんなことはどうでも良いくらい色々話した。
そんな中で考えさせられたのは自分の書いた曲を「バンドでやる」ということの意味。
ジェリー・ロール・ベイカー では全てのオリジナル曲を僕が書いている。
ギターでもってリフ、メロディ、コード進行を考え、あとから歌詞をのせていく。
その作業の過程においてリフ → メロディ → コード進行 と進むうち、大半の曲は僕の頭の中で、こういうサウンドでここにドラムのこういう感じのオカズが入ってこういうノリ感で・・・というイメージがある程度出来上がる。
そうして出来た曲をメンバーに聴いてもらう時にはスタジオで僕がギター一本で歌う。その曲を聴いてメンバーは、ああでもないこうでもないと言いつつ、バンドとしての実際のサウンドに仕上げていく。
ここで最も難儀するのは先述した「イメージ」だ。
その「イメージ」はこの時点で僕の頭の中にある。紙に書いて示したりできるものではないし、口頭で伝えるにしたって限界がある。あくまで「イメージ」なのである。
だから作者のイメージに合った曲に最終的に仕上げようとする時にはその作者の音楽性をある程度理解し、受け入れてもらわねばならない。
例えば「この曲はZZトップのようなイメージで・・・」と言っているのにメンバーがZZトップをあまり聴いたことがなかったり、嫌いであったり、また聴いていたとしても作者と違う捉え方をしていた場合には「イメージ」もクソもあったもんではないのである。
もっと言ってしまえば、その時点で「〜のような・・・」などと言わなくてもその作者の音楽性を本当に理解し、また尊重できるのならそんな口頭でのつまらん「イメージ」表現など無用なのではないか。
音楽にはごく一部の特異なジャンルを除いては「様式美」が明らかに存在する。
僕はこの「様式美」が大好きだ。
ブルースにはブルースの様式美。
へヴィメタルにはへヴィメタルの様式美。
演歌には演歌の様式美。
クラシック音楽にはクラシック音楽の様式美。
だから至極端的に言ってしまえば、ブルースにヘヴィメタルのサウンドやフレージングは僕的には必要ないし、ハードロックに演歌チックな表現も僕には必要ない。
まれに「〜というバンドはメンバー全員の音楽畑がまったく違っていてそれぞれにジャンルの特色出して〜・・・」といった話しを聞くことがあるが、僕はそういうバンドを観て、あるいは聴いて、心に響いたことは一度もない。いくらメンバー全員がテクニシャン揃いであったとしてもただ退屈なだけだ。
それよりもやはりバンドメンバーが曲の作者やフロントの「こう演りたい! こう歌いたい!」という嗜好を理解し、受け入れ、一丸となってせまってくるバンドのほうが、たとえ演奏技術で劣っていたとしても、はるかに心に訴えるものは大きいしバンドとしてカッコいい。
基本は作者・フロントのイメージ。その中に時折キラリと光る各メンバーの個性・・・それが理想。
僕は僕の書いた曲を自分のイメージとまったく違う形ではやりたくない。
その理由はただ一つ、楽しくないからだ。
ライヴに来ていただけるお客さんはジェリー・ロール・ベイカーというバンドにお金を払ってくださっているのだ。もっと言えば僕の曲やバンドのパフォーマンスや演奏にチャージ代をくださるのだ。
そのような
お客さんに対して、心から楽しんでいない自分を観せるのはこの上なく失礼な行為だと思うからだ。
だからライヴ前には自身のモチベーションにはものすごく気をつかうし、ライヴ中に内海さんやオーミチくんから良いプレイが飛び出したり、二人が楽しそうにしているのを感じると俄然こちらのテンションも上がるし楽しい。そういう時のライヴはあとから観ても大体出来の良いことのほうが多いものだ。
だからお客さんのことを考えても、また自分にとっても「僕が楽しむ」ということは最も重要なことなのである。
僕は内海さんにもオーミチくんにも「
僕が楽しくなくなったらバンドを辞めます」と言ってある。楽しくないバンドにダラダラと拘るくらいなら、フロントのハシクレとしてSoloでやっていくくらいの努力もしてみるほうがお客さんのため、自分のためだ。また同時に「
楽しくないなら辞めてください」とも言ってある。この理由も先述のとおりだ。
傲慢な言い方に聞こえているかもしれないが、これはバンドを立ち上げた者として言っておいて然るべき当然のことだと思うし、また何よりもバンドのメンバーである内海さんとオーミチくんの事を僕は尊敬している。
幸いにもこれまでのJRBの曲の中で、僕のイメージにまったく合っていない曲は無い。それは内海さんやオーミチくん、そして初代ドラマー加藤くんのおかげであると言っていい。
JRBはライヴを初めて5月で丸2年を迎えた。
こんな僕でもゆっくりゆっくりではあるが進歩しているはずだ。
もっともっとロックしていきたいし、大好きなブルースへのアプローチも今まで以上にしていきたい。
そうすることでもっともっと自分が楽しみたいし、その事イコールお客さんにももっともっと楽しんでいただかねばならない。
僕はバンドが好きだ。
僕は僕の書く曲が好きだ。
そういう意味ではいつもホントにお世話になっている内海さんとオーミチくんには今まで以上の・・・倍旧の・・・より一層の「理解」と「努力」と「協力」を切に願って止まない今日このごろである。
結局4人での「プチ飲み会」は帰宅したのが午前4時半という「プチ」のわりには壮絶なものとなってしまった。
僕はとても楽しかったが、coopeeのお二人は翌日(というよりすでに当日)もライヴだったということで・・・申し訳ありませんでした。
そしてありがとうございました。

0