バーナンキFRB議長は15日、「米国の景気後退は終わった公算が大きい」と発言。今週たくさん発表される米国の経済指標は、それを裏付けるものになるか。
記事は次のとおり。
景気後退の「終了」宣言=「底入れ」から一歩踏み込む−FRB議長
9月16日8時26分配信【時事通信】
【ワシントン時事】バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は15日、ワシントンで行った講演後の質疑応答で、「(米国の)景気後退が終わった公算が大きい」と言明した。同議長はこれまで、「景気が底入れしつつある」との景気判断を示していたが、さらに一歩踏み込んだ形だ。
市場関係者の間では、戦後最長を続ける「景気後退の終わりを宣言」(三菱東京UFJ銀行ニューヨークの主任金融エコノミスト、クリストファー・ラプキー氏)との声も上がっている。
(記事ここまで)
私は悲観論者ではないが、バーナンキFRB議長のこの意見には懐疑的な立場だ。なぜかといえば、今回の金融危機によって生じた「損害の規模と内容」を、バーナンキ議長が正しく理解できているとは思っていないからだ。
バーナンキ議長は、経歴から見ればものすごく頭のいい人だ。そして、物腰も柔らかいらしい。しかし経済政策の議論になると、誰にも有無を言わせぬ強い自信をのぞかせつつ、見事に議論をまとめてしまう人らしい(すべて伝聞=当たり前)。
ところが、リーマンショック以降のバーナンキ議長の政策は、それ以前のバーナンキ理論から見るとたがが外れたごとくに、コントロールされていない気配を感じてしまう。バーナンキ理論の範疇にないことを、いかにも上手くいっている風を装いながら、暗中模索で進めているのではないかと感じてしまうのだ。
そういう穿った見方をすると、今回の発言も「そうなってほしい」ことを言葉にすれば、ある程度市場がその方向に動くという「風説」の疑いもあるのではないかと感じてしまう。本当は上手くいっていないのに「上手くいっている」と粉飾を重ねていけば、さらなる危機を招くおそれもある。
バーナンキもグリーンスパンもすごい人だけど、金融危機のちょっと前までは「住宅も証券もバブルではない」と言ってた人たちだもん。信用しろって言われてもねえ。
ま、私の思い違いであることを願っておきます。