実は7年間行き着けているヘアーサロンがあって毎回ココから約一時間かけて通っている。
このヘアーサロンがまた超辺鄙な所にあって、最寄り駅は新小平か小川なんだけど、
どちらの駅からも徒歩15分位かかってしまう。
でも、それでも行きたくなるだけの
よさ があるのです。


写真のとうり、フランスをテーマにしたインテリアも、さりげなくお洒落。
そして、「会員制」ではないのですが、そうとも思ってしまうくらい、
自分以外のお客と出会うことがない。(この7年間一度もない。)
それは店長さんが一人でやっているということと、おそらく意識的な配慮です。
またその人気ぶりを表すのは、半年先まで予約が取れないといえば伝わるでしょうか!
しかし、それだけでこんなに人気が出たということではなく、
店長が不思議にステキなんですよ。それは一回目に行った時から感じました。
接客業でもあり、職人であり、様々な要素をもっていないと出来ない商売だと
思いますが、全体的な
さじ加減 がいいんです。そういう人って、なかなか出会わないですよね。
そして、私はココでアートに繋げるわけではないのですが、
彼はとってもアーティスティックなんだと思いました。
私はアートは絵画や彫刻や音楽や映画や料理や・・そういったものだけではなく、
あらゆる所に潜んでいると思っているんですよ。
それはバランスなんです。本人は意識していないと思いますが、会話の内容や、
振る舞いや、本人も含め、経営の全てが絶妙なバランスをもっていて、
いや、バランスというのか、リズムというのかもしれません。不思議な魅力が漂っているのです。色々な面で拘りをもっているのでしょうけど、嫌味がないというか・・。
そこに多くの人が魅了されているのだろうと感じます。
っで、先日もそのヘアーサロンに行ってきたんですが、その魅力が私の中でさらに明らかになりました。
「最近一番感動した事」について店長さんと会話をしていたら、彼は自分の大好きなフランス人歌手のこんな話をしてくれました。
「==フランス人歌手(女性)がある日突然歌えなくなった。そして長い、長い間、
歌から離れていたんだけれど、ある時、彼女が古典の詩を目にし、その詩のもつ言葉の深み、そしてそれ以上に、詩を形成するための単語の形象化に感動した。
単語・またはアルファベットのもつ宇宙や命。
意味を含む詩としての美、そして、意味から離れた全体の配置(空間)の美。
それらを感じた彼女は再び歌の世界に戻る力をもらったのだ。==
この話を知った時、僕は(店長)なんだか分からないけど、目の前のことが全て重なった気がしたんですよ。僕が、美容師をやっていること、お店のインテリアに拘ること、お客様の髪を切ること、BGMを選ぶこと、香りを選ぶこと、植物を置くこと・・・全てのことが、このエピソードと一致したんです。僕がやっていることはそういうことなんだと突然感じたんです・・。」
あぁ、私はこの人に髪を切ってもらえてよかったと、心から思った。
ヘアーサロン 「ポマ・シェリー」

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