浅見純子(アトリア美術専門補助職員)とヒサヨシ(アーティスト)による「あそびを遊ぼう」ワークショップの報告。
日時:2月25日(日曜日)
場所:川口市立アートギャラリーアトリア
参加者:24名
対象者:小学生<主に1年生(6歳)と4年生(9歳)が多かった。>
ワークショップの打ち合わせにはかなりの時間をかけました。
というのも、今回のワークショップではこれまでに無い新しい試みを挑むつもりだったからです。
1、作るものをギリギリまで教えないという即興的な内容。
2、出合ったばかりの子と共同でものを作り上げていくという制作体制。
3、年齢の差(子供時代の年齢差はかなり成長に差がでるようです。文字が書ける書けないといったところから、ものごとの理解の方法、道具の使い方など。。。)
かなり無謀のようにも思えましたが、この場・この条件だからこそ出来ることを提供したいという思いと、アーティストらしい発想とアイディアを共有したいという思いがありました。

ワークショップで使う素材は子供たちの想像力を刺激するために!?事前にいろんな所から集めてきたました。(ゴミをあさってきた。)大きなダンボール・紙筒・発泡スチロール・タイヤ・鍋・水道の蛇口・・・・
ワークショップを始める前に、まずは“体のふれあいから・・

”ということで、班対抗リレーをしました。優勝したチームには絵の具を選べる決定権が与えられました!!(制作した作品は完成後に一色だけ色が塗れる!)

早々からかなり盛り上がって、勝敗にも熱くなりました。バックにノリノリの音楽をかけました。♪byアイコ。(小学生が好きそうだったから。っていうかたまたま近くにあったから・・。(笑))

体育会系なウォーミングアップによって、素材や仲間たちと触れ合ったところで、ワークショップの本題に入りました。
まず、各グループ(6人×4班)で作品の「お題」を決めます。
良くありがちだけれど、形容詞+形容詞+名詞を事前に一人一人に書いてもらったものを集め、箱の中に入れ、シャッフルして班の代表に引いてもらいます。すると、おかしな文章が出来上がり・・・
1班→おおきくて・ツルツルの・くるま
2班→ひくくて・カッコイイ・ロボット
3班→いい香りで・きたない・飛行機
4班→ボロボロで・キラキラな・犬
一斉に「エ〜〜〜ッ!!」っという声が聞こえてくる・・(笑)
何もなければ常識的なテーマで制作しがちだけど、ここまで滅茶苦茶ほうが、かえって想像がひろがるのではないだろうか・・・?と思ったアイディアでした。

設計図を描く子も・・。

もう、彼は整備士になりきってます・・。(笑)


途中から、見に来ていたお母さん達も参加してくれました!!
1班6人で制作するとなると、大体「2グループ+個人」に内部分裂するようでした。また、上手くいかないのは年長の女の子グループと年少の男の子グループという組み合わせは火花がちりやすいようでした。
ワークショップでは、制作すること以外にも、人としての成長も含まれています。
おおいに喧嘩し、意見を主張し合い、譲りあったり、協調しあったりして普段なかなか経験することのないことも学び取ってもらいたいと思っています。またそのような現場に我々大人達がどう振舞うのかも共に考えてゆかねばと思います。

★大きくて・ツルツルの・くるま★
戦車のような大砲が上についています。(コレを付けるか付けないかで男の子と女の子が喧嘩を始めました。。この他にも、もっと大砲をつけたかったようですが、「一つだけ!!」ということで折り合いがついたようです。良かった。♪)

★いい香りで・きたない・飛行機★
写真では分かりづらいですが、操縦席には水道の蛇口などが上手く利用されており、操縦できるようになっていました。よく考えてますね!
「いい香りで、きたない」という表現を、色や布の質感などで上手く表していますね。

★低くて・カッコイイ・ロボット★
ロボットの全体を考えるよりも、ロボットのカスタマイズにこだわるようです。
今、巷ではやっているカードゲーム(虫キング!?)でしょうか。その影響が大きいようです。複雑ですね。。ここでは、剣の長さで喧嘩してました。やっぱり長い方が強いのかな?

★ボロボロで・キラキラな・犬★
ここの班も確実に女の子が先手です。男の子はなかなか主張できず・・といった感じでした。男の子はホットガン(電気で暖めた接着ボンドをピストル状のもので塗る道具)に自分の役割を見出し、参加してゆく・・・といった感じでした。
また、ちょっと分かりづらいですが、犬の背中の上に飼い主が乗っているのが笑えます。
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ワークショップの後でみんなが書いた形容詞と名詞を開いてみました。
形容詞では、「大きい・小さい・かわいい・カッコイイ・早い」が多かった。とくに面白いとおもったものは、「尖がっている・首の長い・人が入るほどの」といったゲームを見越したものです。
しかし、まだあまり形容する言葉を知らないようにも感じました。
名詞では、「キリン・ロボット・」に複数回答がありましたが、
他は被っておらず、「家・犬・バス・馬・ゾウ・お城・ケーキ・ビーカー(実験用具)・さかな・・・」など。
面白いものには「ゼリー」というのもありました。プルプル感や透明感をどうやって出すのかな〜〜?
今回のようなワークショップは大人でも楽しめるように思います。とっても子供じみていますが、あえて大人が他人と向き合って一つのものを完成させるというワークショップから、発見すること・また発散すること!?も沢山あるのではないでしょうか。
今後も積極的にワークショップの企画に参加していきたいと思います。
浅見純子さんを初め、山本先生、アトリアのスタップの皆様、ボランティアの皆様、本当に疲れましたね。(笑)でもとても有意義なワークショップを終えることができたような気がします。有難うございました。(このページを読んでるか分からないけど。。)

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