井出榮策の「富山は日本のスウエーデン」集英社新書 8月刊 を読んだ。私は富山県氷見市の出身なので、興味深く読んだ。
富山は持ち家比率が全国トップ(持ち家でない人は「家持たず」という言葉がある)、文科省の全国学力調査ではトップクラスである。
これらの高比率はどこから来るのか。富山では三世代同居率が高い。女性の就労率も高い。祖父母が子供の面倒を見ることができる。
富山は県民同士の教育をめぐる競争意識は非常に高い。私立校がほとんどなく、塾の数は全国で低い。
富山の人は多くが売薬で生計を立てていたが、その思想を「富山市史」によると「妻子を故郷に残し、販路を世界に求める進取の精神」「病を治すのが先で、利益は後でよいという考えは堅忍持久の精神」だった。今は時代が変わったが、その精神は受け継がれているのだろう。
こうして、かつては貧しかった富山県が今や「全47都道府県幸福度ランキング」で北陸3県が最上位グループにある。

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