藤原正彦の「祖国とは国語」新潮文庫 平成18年 を再読した。
日本の教育がだめになったのは国語の軽視のせいだという。国語の教育はもっとも大事である。しかし平成14年に導入された新カリキュラムでは、小学校国語の総時間数は戦前の3分の1ほどだ。週5日制にするとき、各教科が平等に減らされたから、ますます時間数は減った。古典が減らされ、漢字も減った。
文部省は落ちこぼれの原因が「詰め込み教育」にあると捉え、「ゆとり教育」を進めてきた。しかし算数・数学の授業を「よく分かる」「大体わかる」生徒の割合は20年前とほとんど変わっていない。
さらに今年から小学校に英語を教えることにした。英語を教えたって身につくはずはないが、英語のためにほかの学科の時間が減らされるだろう。教員も英語を教えることを学んでいない。
経済界の提言を取り入れて、英語、パソコンなどを小学生に教えていたら週20数時間のなかで国語や算数の基礎学力がガタガタになる。現に2002年からこれらは内容3割減となる。
国語の時間数をあるべき姿にもどすのがもっとも必要である。

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