渡部昇一の「実践快老生活」PHP新書 昨年10月刊 を読んだ。今年4月に亡くなった著者の本だ。保守論壇の旗手としての意見には賛同できないところもあったが、この本で書いておられるのは40年前のベストセラー「知的生活の方法」で述べたことがその後どう変わったかを書いてある。
先ず、足が弱ってきて思うように散歩できなくなった。(これは私も同感である)
年をとっても記憶力は衰えない。岩波書店の「ギリシャ・ラテン引用語辞典」を最近暗記した。
喜寿になるとき、2億円の借金をして今の家を建てた。全蔵書を飾り、自分の全蔵書と対面してから死にたいと思ったからだという。(蔵書はオックスフォード大辞典やブリタニカをはじめとして14万冊?ある)
健康のためには、長生きした人の話を参考にするといい。定年退職したあとでも少しでも仕事をして成功すれば、生活が楽しくなるし、健康にも繋がるはずである。
プロテスタント学者の中川秀恭先生(もと国際基督教大学の学長)に100歳のときにお会いしたが、「95歳を過ぎたころからは、死後にキリストの御許に行けるといったことすら考えなくなりました。死んだら虚空に消えるだけでいいじゃないですか」と言われた。
生前葬をやった。いとこや、いとこの子供たちに声をかけて、温泉旅館で生前葬をした。親類が一堂に集まると子供や孫も結構喜んだ。
86歳、私と同学年で亡くなった渡部氏はもう少し生きたかったのではないかと思うが、寿命は誰も知ることはできないのだなと思う。

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