黒田龍之助の「もっとにぎやかな外国語の世界」白水社 2014年 を読んだ。この著者はいろんな外国語についてくだけた入門書を書いているが、これもその1冊だ。みる・きく・かぞえる・なずける・ことなるなどの項目に従って世界のいろいろの国々ではどういう言い方があるかを説いている。
「みる」では英語などのラテン文字・ロシア語などのキリル文字に始まってハングル・インドのナーガリー文字やヘブライ文字が紹介される。図版入りである。
「かぞえる」ではインドでできた数字をアラビア数字というわけとか、スロヴェニア語では単数・複数のほかに両数というのがあることが書いてある。
「なずける」では「カレーニン」という男性の妻は「カレーニナ」になる。「アンナ・カレーニナ」がそうだ。「ヤン」で終わる名前はアルメニア人だ。ハチャトリアンがその一人。
「ことなる」の項では、著者がスロヴァキアへ行ったとき、タクシーに乗って、チェコ語で問いかけたら運転手はスロバキア語で答える。それで通じたいう。世界中で言語の数がどんどん減っている。統計によっては90%が21世紀中に消えるという。コーカサス地方のウビフ語は1992年に最後の話し手が亡くなったので、言語も消滅してしまった。
その他いろいろ面白いことが書いてある。図版が随所にあるので楽しい。
この本を読んで各言語のことを知りたいと思ったらそれぞれの外国語に触れるヒントになる本を紹介している。私は今のところ中国語だけで精いっぱいだが。

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