内澤旬子の「センセイの書斎」河出文庫 2011年を読んだ。これは各界の人の書斎を訪問してそれを書いたものだが、副題に「イラストルポ 本のある仕事場」とある。これは内澤旬子がイラストを描いてそれといっしょにその書斎を紹介した本なのだ。
元は2006年に幻戯書房から出たらしいが、それはかなり大きな版だったのだろうと思う。この本に書かれているイラストは実に細かい。試しに1ページをA4版にコピーして見たらようやく読めるのである。私は細かい字でも何とか読めるのだが、普通の人はお手上げだろうと思う。
イラストレーターとしての才能を発揮して、書斎の見取り図、各場所にどんな本があるかを精細を極めて書名などを書いてある。そしてまた、その書斎を紹介してゆく文がうまい。柳瀬尚紀、養老孟司、逢坂剛、米原万里、石井桃子、佐孝信、金田一春彦、千野栄一、西江雅之、上野千鶴子などそうそうたる人の書斎を書いている。
たいていの人は書斎を2つから3つ持っている。蔵書5万冊という人もいる。本で文字通り足の踏み場もないという人もいる。あまり使わない本は段ボールに入れて押し入れに詰め込む。それが必要になったとき、そこにあると分かってもなかなか取り出せない。図書館に行った方が早い。それか神保町の古本屋を歩いて買ってくることになる。
本棚に2重3重に入れると奥の方の本は見えないから、分からなくなる。上野千鶴子さんのは3重だが、全部50音順に並べて、取り出せるようにしたという。

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