外山滋比古の「老いの整理学」扶桑社新書 2014年発行を読んだ。90歳を超えて、まだまだ元気な著者が老年での生き方を説いている。80代で奥様が歩行困難になったので、炊事を始めた。栄養士のコメントで96点がついた。
STAP細胞の件で理研の小保方晴子リーダーが記者会見をして、半ばを過ぎた頃、彼女が涙を見せた。それで会場の空気が一変する。小保方氏は涙に救われた。
韓国の「セウォル号」の沈没事故は国政を揺るがす大問題になった。朴大統領は何度も国民に謝罪すると述べたが世論は責任追及をゆるめなかった。6回目の謝罪で朴大統領は初めて涙を見せた。それで世論が大きく変わって、大統領支持勢力が増えたという。
これは決して死者を冒涜するものではないが、さして親しくもなかった人の葬儀に参列すると思いがけない涙のこみあげてくることがある。しみじみした気持ちになる。
人間も大昔は手と足であるいていたはずである。転ぶ、というのも二足歩行の技術が十分でないために起こる。ものの食べ方にしても、もともと横になっていた食道をタテにすれば、事故が起こる。食べたものがのどに詰まって死に至ることがある。下を向いて歩いて元気を出す。それが老年の英知であろう。
その他、老年になって心得るべきことが満載してある。

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