茂木大輔の「拍手のルール」ー秘伝クラシック鑑賞術ー 中公文庫 を読んだ。オーボエ奏者でかつ指揮者でもある茂木さんが書いた本である。著者はのだめカンタービレのクラシックを担当した人でそのために有名になっているが、オーケストラ全般について詳しい。
全般は拍手の仕方について、後半はオーケストラの指揮について書いてある。拍手をしてはいけないのは教会音楽、チャイコフスキーの「悲愴」の第3楽章でやらないことなど(今練習している曲だ)。
世界各国の拍手の仕方について、ドイツは音楽が分かっているという深い拍手だった。クライバーが振ったときは幾度振り返ってあいさつしても鳴りやまないので、喝采のなかで「こうもり」を振り始めたとか。
スコアの読み方についても書いてある。暗譜で長い交響曲を振るのは爽快で、両手と目が自由に使えるのでオケに飛ばせる情報が格段に増える。しかし、よほどしっかり覚えていないといけない。
ストラビンスキーの「春の祭典」は非常に難しい。デュトワは若いころこの曲を初めて暗譜で振って、カラヤンから「どうやって覚えたのだ?」という電話がかかってきたという。
そのほか、指揮技術、曲の解釈などなど、数々のエピソードを挟んで実に多くのことが書いてある。
オフナー師の今日のことばは St. Patrick's Day に関することなどだ。
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