岩波アクティブ新書の「わたしの整理術」(2003年)を読んだ。11人の筆者が書いた、それぞれの人の整理の方法が書いてあった。実にさまざまだった。
茂木健一郎氏は、整理法についての原稿を依頼されたと言ったら、家族や友人は笑い出したという。「お前が整理について何か書くだって、冗談だろう!」と言われた。この人のオフィスの机は惨状を呈している。茂木氏によれば、脳の中が整理されていればそれでいいのだ。
塚本昌彦氏は来客がみな「大学でこんなきれいな部屋は見たことがない」と感心するという。多くの人は片付けを「暇な時に少しずつ」やるものだと考えている。それが間違いだという。
この本のなかには2週間に1度、新聞の切り抜きをするという人、夏休みなどに古い書類を捨てる人もある。そんな人とはこの考えは正反対である。
色川大吉氏は旅行中にメモをつける。記録は帰ってからでは遅い。朝晩の天気、変わった風景、その日たべたもの、何でも雑然と書いておく。それをもとに何日分かまとめて日記を書く。
感心したのは、本は入れる場所が限られているのだから、1冊買うときは1冊捨てるように考えたらいいということだった。その他にもこの本には参考になるヒントがたくさんあった。

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