井上ひさしの「日本語教室」(新潮新書)今年3月発行を読んだ。2001年10月から月1回、上智大学で4回にわたって行われた講演である。ごく大雑把に論じているが、筋は一本通っている。
JRはいけない。全国に交通網を張っている責任ある会社が率先してJRとは。英語を使うと上品に聞こえると思っているのか。
言語がどんどん失われていく。井上氏がオーストラリアに行ったとき、アボリジニの言葉は20ぐらいしか残っていなかった。百年前は250あった。
「茶畑」「田畑」のなぜ「茶」の場合は濁って、「田」は濁らないのか。それは「茶畑」では「畑」が中心だけど「田畑」では同等の関係だから。
日本人が余裕を持ってきちんと発音できるのは12音である。それを5と7に分けて、リズムを作った。
このほか、非常に面白い指摘に満ちている。

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