原賀真紀子の<「伝わる英語」習得術>(朝日新書、今年8月初版)を読んだ。理系の巨匠にどうやって英語を身につけたかを語ってもらった本で、非常に面白かった。とくに興味を引いたことばを抜き出す。
きたやまおさむ:本音と建前、公と私を使い分ける二重人格的な日本人にとって、主語が明確な一重の言葉である英語を喋れないのは、当然である。
小柴昌俊:物理の世界共通語は English ではなく、broken English だ。
養老孟司:ぼくの場合は解剖でしょ。解剖はまさに、具体的な学問なんですよ。ところがおもしろいことに、日本語で記述するときは頭の中で考えれば済むんだけど、英語の論文を書こうとすると、必ずもう一度標本を見直すことになるんです。
日野原重明:講演というのは、はじめにユーモアでも言って聴衆の気持をとらえることが必要です。そうすると、聞いている人の目が輝く。
ほかにも実に面白い話に満ちているので、ぜひみんなに読んでほしいと思った。

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