「週間金曜日」1月28日号に作家の山口泉という人の標題の文が載っていました。
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人間界では不遇な少年が、実は天才魔法使いであるらしい。『ハリー・ポッター』には、本来、いま書かれねばならない物語としての、いかなる必然性もない。しかも、まさしくそのことによってこそ、逆にこの物語は、人心を支配する側にとっての、いま最も都合のよい想像力の抑圧装置の一つとなっている。
「魔法」が、時空を自由に移動でき、事物を自由に操れる能力だとするなら、世界にはその対極に位置する現実がある。人が「いま」「ここ」で命を絶たれてゆくという現実が。
ナースィリーヤでクラスター爆弾に脳を吹き飛ばされたイラク人少女の上にも、ビデオカメラの前で斬首される日本人青年の傍らにも、「魔法」は決して顕現など、しはしない。
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こういうことを書いているのですが、みなさんはどう思われるでしょうか。どらえもんの「どこでもドア」などのように、罪のない魔法は楽しいと思うのですが。
今日の朝日新聞には今空前の手品ブームだといって、「ハリーポッターの爆発的ヒットなど、ファンタジーや魔法の世界に興味が注がれているせいかもしれません」という声を紹介しています。

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