10日ほど前の話
その少年は、自転車にまたがったまま
じっとこちらをみていた
何か?と声にならない眼差しをその子に向けると
『僕、ここにきたことあります』
と話しかけてきた
『知っているの?』
聞き返すと
『車庫の屋根に靴あげちゃって・・・』
『アァ〜あのときの・・・ずいぶんとご成長されましたね〜若!何年前でした?』
『四年前 小五だった』
『今、中学生でしたか?これは失礼いたしました』
Tシャツにハーフパンツ
制服でも着ていないと、まだまだ六年生と区別がつかないくらいな面立ち
近くの花火を見に行くと告げて、黄昏の中に消えて行った
また
夏の夕暮れに会いたいものだ


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