よく「この映画は凄い!」と口癖みたいに言ってしまうのだけど、いつもいつも本気で凄いと思ってるとは限らなかったりもする。つい弾みや勢いで言っちゃったりとか。
でも、本気で凄い映画は現実にある。
ジョン・カサヴェテスの「こわれゆく女」。
これはマジで凄い。
こんなにミニマルな題材でこれだけ巨大な映画を作ってしまうのはどういうことだろう。天才としか言いようがない。
この映画では、徹夜の仕事明けのピーター・フォークが職場の仲間を家に連れてきて嫁さんのジーナ・ローランズともども朝飯をふるまうシーンが有名で、実際素晴らしいのだが、自分がいつも参ってしまうのは、ラスト近くのクライマックスシーンだ。
病院から戻ったジーナ・ローランズが快気祝いパーティの席でやっぱりおかしくなってしまい、客がみんな帰ってしまう。
その後の家族の修羅場の場面。
この場面でいつも泣く。で、笑う。あと、鳥肌が立つ。
何もかも凄いのだけれど、子どもたちのアクションが特に効いてると思う。
カサヴェテスの魅力のひとつに、子役の使い方のうまさがある。
他の映画の子役と明らかに違う。
どういう演出してるのかと思う。
自分は、不細工な子役の魅力というのをカサヴェテスの映画で初めて知った。
「グロリア」を思い出してほしい。
あと、「ラヴ・ストリームス」。これは必ずしも不細工というわけではなかったが、カサヴェテスの息子役の少年は、普通の子役とは全く違う次元の魅力を放っている。
この「こわれゆく女」は、一番下の女の子に参った。
死ぬまで忘れないだろう。
映画を通して見ると、彼女がいかにこの映画の素晴らしさに貢献してるかわかる。

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