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    <title>きみの靴の中の砂</title>
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    <description>--- Writer&amp;#39;s Laboratory ---
　
話せば簡単なことが、なぜ文字にすると、時として思いどおりに伝わらないのか。
ここは、そんな『日本のことば』と日々格闘する &amp;quot;Creative Writing&amp;quot; の実験室。</description>
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    <title>アフリカの風</title>
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　ホテルの食堂のテラスに張られた、白いキャンバスの日除けの下でのことだ。

　麻の手織りのテーブル・クロスの上に、彼女は、氷を入れないジンのソーダ割りのグラスを置き、時折、それを陽の光にかざすのだが、一向に口に運ぼうとはしない。

　ラジオからイタリア語の時報が聞こえている --- 午後二時。

　地中海を越えて、アフリカから湿気を含んだ風が絶え間なく吹きつけていた。

　日本の方ですか、と尋ねるのは訳はなかったが、何かがそれを躊躇させるのだった。



Mark Knopfler &amp;amp; Chet Atkins


FINIS
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    <dc:date>2009-11-30T23:14:00+09:00</dc:date>
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    <title>例えば地中海の...</title>
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　例えば地中海の、とある鄙びた小島でのことだ。

　そこを地図で適確に指し示すのは、イタリア人にとっても簡単なことではないと聞かされていた。観光とは無縁のようだ。宿泊するには、民宿のような小さなホテルが、たった一軒あるのみ。特産の、すこぶる美味しい白ワインも、島の中だけで飲まれて終わるらしい。

　たまたま、彼女を見かけたのは、午後の砂浜。肌の色と体型から、当初は、亜細亜人であるとしか判断できなかったのだが...。



&quot;Nivram&quot;　The Shadows


FINIS
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    <dc:date>2009-11-29T08:39:00+09:00</dc:date>
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    <title>靴の中の砂 (10)</title>
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　それまで住んでいた関内のマンションは売りに出し、ここに少ない荷物で引っ越して来ると、ふた月は、すぐに過ぎた。そして海辺の六月 --- 夏が、早々と腰を据えようとしていた。

　同じ時間帯に生活する数人の顔見知りも出来た。
　入居して間もなく、最初に挨拶をしたのは103号室の谷田部という老人で、このアパートメントについての知識のほとんどは、その老人からと言ってよかった。なんでも、かつて、大学で音響学を教えていたとのことで、何年か前に奥さんを亡くしてから、鎌倉の自宅を売って、ここで一人住まいを始...</description>
    <dc:date>2009-11-28T23:54:00+09:00</dc:date>
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    <title>靴の中の砂 (9)</title>
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　僕の住まいとなったのは一階の玄関ホールに一番近い部屋で、ドアに色褪せたステンシル塗装で101とあった。これもホテル当時の名残だ。つまり、一階は101から104、二階が201から208、三階に301から308という番号がそれぞれの部屋に振られているのは容易に知れた。

　アパートメントの敷地の南北の端に沿って、風と砂を避けるために植えられたヒマラヤスギの木立があり、その枝振りに隠され、一階から海を見渡すことは出来なかった。



&quot;Angel&quot;　Cliff Richard


FINIS
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    <dc:date>2009-11-27T22:21:00+09:00</dc:date>
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    <title>ミセス・ブラウンのお嬢さん</title>
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　あー、懐かしいッ！　日本でシングル盤が発売された時の邦題は『ミセス・ブラウンのお嬢さん』。世界的ヒット曲だったから、映画も製作されたよね、ピーター。ピーターというのは、この歌を歌っている、アイドルらしからぬ愛嬌のあるルックスのリード・ボーカル、ピーター・ヌーンのことだ。

　この『ハーマンの糖蜜入りクッキー』というグループにハーマンという人物はいない。そして、ミセス・ブラウンというのも、人ではなく、映画に寄れば、ピーターの飼っているメス犬に他ならない。そのメスの既婚犬(なんのこっちゃ...</description>
    <dc:date>2009-11-26T18:29:00+09:00</dc:date>
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    <title>冬の南風</title>
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　秋も深まり、一際寒い日が巡って来たりすると、あの耐え難かった夏の暑ささえ懐かしがる、この身勝手さに、我ながら思わず苦笑してしまいます。
　さて、時折、図書館でお会いしたあなたには、お名前を伺っていただけですので、この度、急に転居が決まった僕としては、ご挨拶をする機会を得られないまま、この町を去ることになりそうで、どこか息の詰まる思いがします。お互い、十分すぎる程大人でしたので、多くを語らなくとも察して頂けると思いますが、実は僕には、はっきり、あなたにお伝えしておかなくてはならないこ...</description>
    <dc:date>2009-11-25T11:23:00+09:00</dc:date>
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    <title>どうしても</title>
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　詩人の松下育男さんが、先週、インターネットに、またまた『(私め)納得の一篇』をアップした。とっても気に入ったので、ここに再録させてもらうことにした。目の前に、初めて遭遇する世界が突然出現したかのようだ。
　詰まる所、詩作とは、言葉の羅列だけであるはずはなく、それは、眼前に新世界を作り出す工程を指すに他ならない。


『どうしても』

どうしてもっていうんでないなら
もう一度なんて生きたくない

生まれ変わりのその先は
だってどうやってあてがわれるんだろう

一列の最後尾にならんで
くじでもひかさ...</description>
    <dc:date>2009-11-24T23:17:00+09:00</dc:date>
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  <item rdf:about="http://air.ap.teacup.com/writer/387.html">
    <title>人は、なにゆえ旅に出るのか？</title>
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「『ソングライン』は、大分読み進んだの？」　出来上がったパスタを皿に盛りつけながら、朋子が聞く --- 真昼に近い陽射しが南向きの窓から差し込むキッチンでのことだ。
「なかなか速読を許さない本で、まだ最初から五分の一位のところかな」と僕。

　さっき蜂が入ってきたと朋子が騒いでいたが、その蜂も今はどこかへ行ってしまったようだ。

「『人は、なにゆえ旅に出るのか？』という、大命題は解決されないままのような気がする。それが解った時、旅は終わる。そういうものなんだよ、旅は...。・・・そのスカート、可...</description>
    <dc:date>2009-11-22T08:27:00+09:00</dc:date>
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    <title>靴の中の砂 (8)</title>
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　アパートメントの二十人の住人のうち、勤めに出掛けないのは僕だけだった。中には不思議な時間帯に出掛ける人もいたが、兎に角、皆決まった勤め先はあるように見えた。僕自身、無職と言う訳にもいかなかったし、ましては役員報酬だけで生活していることは知られたくなかったから、コンピュータのデータ処理を請け負う会社に勤め、在宅勤務が許されている、ということにしていた。

　そうして僕のいち日は、読書と綿密な自分史を書くことに費やされるようになっていた。



&quot;As Tears Go By&quot;　Marianne Faithfull...</description>
    <dc:date>2009-11-21T00:34:00+09:00</dc:date>
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    <title>靴の中の砂 (7)</title>
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　大学を卒業して、僕は、さも決められていたかのように横浜で洋酒の輸入商をしていた祖父の会社を継いだ。その商社は、長年、スコッチ・ウイスキーの伝統あるブランドを扱い、それが殊のほか良く売れていた。また、仏蘭西ワインの新酒の時期にも、規模は小さいが、真面目な手作業で良質なワインを作る醸造所のものを数年集中して売るうちに、都内の名のあるレストランがまとめて買ってくれるようになり、それはそれでまた業績の柱となった。
　その会社に、十五年程勤めてくれた男の社員に、この春から会社を任せた。毎月、...</description>
    <dc:date>2009-11-20T09:13:00+09:00</dc:date>
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