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2009/6/27

読者は『あなた一人』だけ  貝殻これくしょん

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 各紙の一面には、人気のコラムがある。それは、他の紙面の囲み記事とは異なり、この国の文化を背景にして時事を語る、言わば文学作品である。長さは珠玉の概ね600字。各紙とも執筆者には、それにふさわしい選り抜きのベテラン記者を当てる。

 その日の国民的関心事を少ない文字数でまとめあげるわけだから、養われた文章力が必要と言うのみならず、相当な構成力がないと成立し得ない。ある記者に聞いたところによると、『無題のコラム』に読者が簡単にタイトルが付けられるようであれば、その組み立て(Construction)は『成功』、そうでなければ-----有り得ないことだろうが-----『失敗』だという。

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 ノヴェルとコラムでは、必要とされる文章力が異なる。
 レトリックの習熟方法は、いくつか考えられるが、事(こと)構成力を養うには、文字数が限定されるコラム執筆による鍛錬が有益だ。もし、日々、その文字数でラヴレターを書く相手がいれば、それこそ良いトレーニングになる。
 あるコラムニストは言う-----執筆時、目の前にいる読者は『あなた一人』だけだと思って書く、と。出来ることなら、文章とは、そういうふうに書きたい。



“My love” Petula Clark


FINIS
 



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