こちらは前のエントリよりずっと前の年代となる、1971年作品「帰らざる夜明け La Veuve couderc」。シモーヌ・シニョレと共演しているという点で重要な作品。
「ジョルジュ・シムノン原作」と銘打たれているが、ミステリ的な内容を期待すると空振りに終わる。確かにアラン・ドロンが犯罪者で追われている身という役柄を演じてはいるが、あまりそれっぽいキャラクターとはなっていない。その意味ではやはり期待ハズレ。しかし、少ない登場人物を丁寧に描いた重厚なドラマという点ではそれなりに見ごたえがある。地味でさほど動きもないような筋立てながら印象に残るものがある。しっとりとした田園地帯の牧歌的風景や美しい音楽のためもあるのだろう。そういった意味では文学的な佳作ではないか。