いちおう元旦だったので、それにふさわしい(?)チョット長めの映画を見ますた。
ジャン=ピエール・メルヴィル×アラン・ドロンの名作「仁義 Le cercle rouge」(1970)と言えばすでに1年以上前に見ていて
感想もポスト済みのお気に入り映画だが、実は当時見たのは古いビデオでアメリカ向けバージョン。あちらは映画の長さとしてはよくある100分程度であるのに対し、今回見たのは本国フランスバージョンでなんと約140分(^烹^;!
なんちゅう違いや…。ビデオだと上下2巻になる。
長さの点で制約もなかろうと思われるので、おそらくこんにち流布しているDVDはすべてこちらのバージョンだろうから比較したところであまり意味もないのかもしれんが、見比べに興味のある人の参考程度に。いちばん顕著なのは、冒頭の「仏陀の言葉の引用」と称する(
メルヴィルの創作の可能性大(^烹^;)字幕の流れる部分と最後に警察の監査局長が述べる「人はみな罪びとだ」という台詞の部分、共にアメリカ版ではカットされている。あとドロンたちが宝石店を襲撃に向かうシーンもかなり刈り込まれているように思ったが、もっと重大なのは、ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテ3人以外の登場人物の出ている場面がかなり削られていること。特に警察側の人間がほとんど黙殺されているのはどんなモンかなぁ? 話が単純化させられすぎているので、メルヴィルにもドロンにもあまりなじみのなかった当時に見るのには手頃だったように思うが、いま考えるといささか喰い足りない内容にされていたように感ずる。もちろんストーリーが変わっているわけではないが、メルヴィルのように筋立てよりも「どう描かれているか」が重視されるタイプの監督作品ではこれがかなり重大な要素であろう。
内容はもちろん素晴らしい。「サムライ Le SAMOURAI」「リスボン特急 Un Flic」に比べるとひと回りもふた回りも長いので前半少しばかりエンジンのかかりが遅いのではないかい?と思う部分もなきにしもあらずだが、男と男の駆け引き・気持ちの遣り取りがこれほどさりげなく、かつ見事に描き出されている作品も稀ではあるまいか。アメリカ版で見たときに、モンタンがアル中ゆえの幻想に追われるシーンが結構鮮烈だったように記憶しているが、ドロンも負けてはいない。過去のオンナ(
おそらく一杯喰わされたのであろう)の写真に関わるシーンが小気味よい。内心怒りに溢れているのかもしれないが、それを感情に出さずに表現するところがカッコいい。モンタンほどのドラマ性はないにしても、やはり過去を乗り越えたのだ。ワシもかくありたいものだ(^烹^)。もちろん、ほかの登場人物たちの描かれ方も、完全版によってさらに磨きがかかっている。