先週定例のアラン・ドロン映画を見たものの、かなり疲れていたのか、始めのあたりしか記憶なし(^烹^;。今週再度見直しますた。
1978年作品の「チェイサー Mort d'un pourri」。日本には未紹介とおぼしきラフ・ヴァレの同題のノワール小説が原作。このジャンルの基本図書といえるシュヴェイアウゼール「ロマン・ノワール―フランスのハードボイルド Le roman noir français」(白水社)によると、原作はこの作者のこのペンネームでの第1作だったようで、1972年に発表された際、政治の腐敗を告発するような内容に作者の正体が誰なのか、話題になったということだ。
陰謀ありアクションあり意外な結末あり、と一見そつなくまとめられた、見どころの多いフィルムノワールのように見受けられるが、意外に地味というか特徴がないというか、見ていて「これは!」と感じるものがないような気がする。ゴチャゴチャさせるだけゴチャゴチャにして、メリハリもなく終わっちゃいました、みたいな。だから意外にすっきりとしない。アラン・ドロンの出るノワール映画だったら、もう少し期待してもいいはずだな。実際、この映画で扱われているモチーフは部分的にずっと後の「私刑警察 Ne reveillez pas un flic qui dort」(1989)に受け継がれているような気がするが、こちらのほうがずっと明確にまとめられているように思う。有名なジャズ・テナー、スタン・ゲッツを起用して全篇に流れる音楽も悪くはないが、本筋とはやや不調和な気も。
この映画のなかでアラン・ドロンは親友を殺した人物を執拗に追い求めるが、その殺された親友を演じているのが、例の「太陽がいっぱい Plein Soleil」でアラン・ドロンが殺すことになる友人役でもあったモーリス・ロネなのは偶然なのか洒落なのか(^烹^;。