三連休というのもあり、「危険がいっぱい Les Félins」がイマイチ欲求不満気味だったので、もっとよさげな内容のアラン・ドロン映画をもう1本見ますた。
1975年作品の「Flic Story」。1947〜50年にかけて、実在する犯罪者と死闘を繰り広げた刑事による、実体験に基づいた同題の小説が原作。
思えば、この翌年に上映された「友よ静かに死ね Le Gang」に出てくるシトロエン・ギャングも同時期に実在していたんだよなぁ。偶然?(追記:どうやらこの事件も同じ刑事が手がけたものらしく、原作者がやはりこの刑事であるようだ) これを読んでドロンがみずから映画化権の獲得交渉に動き、当の刑事からの指導も受けたという。そのせいか、人物の描き込みという点では、遠慮があるというのか喰い足りない気がしないでもない。ストーリーについても意外性があるわけでなし、目立った起伏もないという印象。
だからといって満足しなかったのかというと、それは別。ストーリー的には面白い(と言うか起伏がある)のにイマイチ楽しめなかった「危険がいっぱい」とは、まさに好対照。チェーンスモーカーといった趣きで常に煙草を手放さない刑事役のアラン・ドロンが実にカッコよく、絵になっている。これだけでも見た甲斐があるというものだ。
もっとも、部長の部屋のドアの前で吸殻を捨てて踏みつけたり、演出上の意図は別にして、見ていて「?」なところもないではないが(^烹^;。ストーリーそのものよりも、場面場面での登場人物の駆け引きのスリルとか細部を楽しむタイプの映画。哀感を秘めたテーマ曲やエディット・ピアフのシャンソンなど、音楽の使い方もはなはだグッド。