すでに見てみたいものはあらかた見てしまったことや、財政的な事情・置き場所の問題その他もろもろから、ハンフリー・ボガートのDVDを全部売却してしまいますた(^烹^;。フレンチびいきのなかで、自分のなかでのボガートの立ち位置がやや浮いている…という感覚もあったのだが。今後はアラン・ドロンを中心に、もっぱらフランス映画を楽しんでいこうと考えている。もちろん、「フランス映画」と聞いて多くの人が思い浮かべるような甘ったるい系統のものではなくて、もっぱらノワールなヤツを(笑)。
で、昨晩見たのは、そういう流れに乗っているのが明白なコイツ。
アラン・ドロンが脚本にも加わっているやや後期の作品、「アラン・ドロン 私刑警察 Ne réveillez pas un flic qui dort」である。gooの映画ページでは1984年作品となっているが、正しくは1989年らしい。
「法で裁けぬ悪人をリンチで殺す」っちゅーと、日本では必殺仕事人かなんか、アウトローなタイプが連想されるのかもしれないが、この映画では警察内部の右翼分子。台詞なんかでは反ユダヤ主義なんかも絡んでいるように思われる。ノワール映画というよりも政治映画のようだ…などというとオーバーだが、先日の「危険なささやき Pour la peau d'Uun flic」でも何ぼか感じたように、フランスの歴史の暗い部分が意外に根深いものを持っているらしいのを想像させられる。アラン・ドロンが、尊敬するジャン・ギャバンに捧ぐと冒頭に掲げているのを見ても、その力の入りようが想像されようというものだ。ちなみに、タイトルやリード文では「私刑警察」となっているが、映画本編の字幕ではすべて「正義警察」となっている。まさかみずから「私刑」なんて語を名乗るわけもないが。
…などと書くと頭でっかちの作品のようにも聞こえるかもしれないが、もちろんそんなことはなくて、策謀や駆け引きに満ちた、なかなか見どころの多い作品。伏線の張り方なんかも興味深いものがあった。
もっとも、さる有名なシリーズキャラクターの映画の1本と、筋立てが酷似しているらしいことをあとで知り、やや熱が冷めるようなところもあったが(^烹^;。