つづけて、もっと後のほうのアラン・ドロン映画から1本。
1992年作品で、名高い色事師カサノヴァの晩年(回想録らしきものを書いている場面が頻出する)を描いた「カサノヴァ最後の恋 Le retour de Casanova」。アラン・ドロン出演作だからということでいちおう買ってはみたものの、邦題やリード文の内容からして甘ったるい内容のような気がして、さほど期待はしていなかった。それで見るのも後回しになっていたが、思っていたよりもよかった。
稀代の色事師カサノヴァも年をとり、意中の娘の心を捉えられなくなる。その結果とった手段がカサノヴァのイメージとしてあるまじき(?)行為であったというのがこの作品のポイントであると思う。その結果罪を重ねる羽目となり、「ヴェネツィアに帰れる替わりに密告者として晩年を過ごすであろう」というラストのナレーションがまた、おちぶれたカサノヴァの末路を象徴しているようで、印象深いものがあった。