ちまちま上げていましたわたかて二話もこの更新で最後となります。
果たしてご覧頂けていたのかどうかすら微妙なところでほぼ独り相撲で突っ走ってきましたが、ひっそり『読んでたよ!』という方は今までとみの茶番に付き合ってくださりありがとう御座いました。そしてお疲れ様です。
ひとまず二話目はこれにて決着。オチもついてよしキリがいい!とね。
わたかては未だ暫く続きますが二話の更新はこれで終了ということで。ええ。
それではとみの悪ふざけを辛抱強く見逃してくださった貴方様、続きを読むをクリックしてご覧くださいまし。
「――――で。めでたしめでたしで終わると思ったら、大間違いですよ……?」
今日のご飯は何かなーなんて考えながらうちに帰って、双が笑顔で迎えてくれて、リビングでは美味しいご飯が待っていた。
わーいやったあ、ああお腹すいたあ、さあ頂きます。と、言わんばかりのその瞬間、上座の双が出迎えてくれたときとは正反対の、氷のような笑顔で宣告した。私も、ファシルも、その双のあまりの気迫に気圧されて、箸を掴もうとした格好のまま止まってしまった。
あれ?幻覚、かな。双の背後から、なんだかおどろおどろしいオーラが見える気がする。双の周りだけ室温が下がってる気がするよ……っ。
「まずね、ファシル。なんなんですか、昨日は。安登と喧嘩してしまったことはともかく安登を泣かせて、あまつさえ人に連絡もなく外泊して、それで今日は何事もなかったかのように帰宅して一言もなくご飯にありつこうとか。しかもなんですか? 安登はおろかよそ様の娘さんにまで手を出す始末。まったく嘆かわしい! その面の皮の厚さはどこで調達してきたんですかねえ、ファシル?」
「……お、俺は、」
「口答えは結構。それから安登。もうちょっと警戒心を持ってください。自分のファーストキスを奪った相手と二人きりになるとか、どれだけ無防備なんですか。無警戒すぎるにも程がある。友達だろうがなんだろうが相手は男ですよ? けだものなんです。いつ何時どんな人間であろうと相手が男である以上、要警戒なんですよ」
「え、あ、う、そ、ふぁ、ふぁーすと、ききききき、きすって」
ななななななんで知ってるの。え? 昨日私どこまで喋った? 支離滅裂で喋ってたからあんまり覚えてないけど、そんなことまで喋っちゃったの? ていうかけだものって。やめてよなんかそんな変な感じに取るの。そんなんじゃないもん!
ほっぺたが別の意味で熱くなってくる。それを見て双が不快げな顔を作ってファシルを睨みつけるものだから、余計に恥ずかしくなってしまった。
「ご、誤解しないでよ双! ファシルとはそんなんじゃないもん。あれは、その……お、弟にされたみたいな感覚、で」
「はあ? ふざけんなよ誰が誰の弟だって?」
もうちょっとそこ口挟まないでよう。勘弁してーと目で訴えても、ファシルは聞き捨てならなかったようで、ふん、と皮肉るように鼻を鳴らした。
「冗談じゃねえよ、誰がこんなガキ。100年経ってもそんな気になるか」
なにそれー! 私だってファシルなんかにそんな気起きないもん。こんなデリカシーの欠片もない頭の中が一生中二みたいな人なんか御免だよ!
そう言い返そうとしたとき、双の冷め切った眼差しがゆらりと揺れて、ファシルをロックオンした。
「……聞き捨てなりませんね。安登のファーストキスを奪ってなお、厚顔無恥にも侮辱するとは」
うわあああんファーストキスっていちいち言わないでええ。
でもそんな口も挟めないほど双のオーラがどす黒くとぐろを巻いている。こここ怖いよう。ファシルでさえ引きつってるよ。
「いいでしょう。決めました。ええ、決めましたとも」
え、なに? 決めたって、何を? わかんないけど、なんか嫌な予感。ファシルも同じなのか、引きつり通り越して双を見る顔がもう完全にびびっちゃってる。双はそんな私たちをよそに、今日一番の極上の笑みを浮かべて宣言した。
「今後ファシルが安登に物理的に接触することを一切禁止。二人きりになるのも禁止。吸血行為に及ぶ場合も僕が管理します。その際僕の目の届く範囲で行うこと。また指定日以外に少しでも安登に触れたらお仕置きしますし、逆の場合も然り」
え? 逆の場合って、私がファシルに触った場合もお仕置きって事? なにそれっ。
唖然とする私たちに向かって、双はすっきりした顔を浮かべた。
「もともと不健全な環境だと懸念してはいたんです。いい機会です。これからは徹底して青少年の健全な学校生活を管理させていただきます。お風呂でばったりとかそんなベタで陳腐なラブコメなど言語道断です。こうなったら徹底していきますので、二人とも、覚悟しておいてくださいね……?」
にっこり。
言いたいことを言ってすっかり満ち足りた顔をした双は、言葉を失った私たちを眺めて満足そうに微笑むと、いただきます、と丁寧に手を合わせてお辞儀をした。当然、私とファシルは、唖然、呆然、愕然。
え? ええ? あれえ? せっかく、丸く収まったと思ったのに。なんでこんなややこしいことに! 青少年の健全な学校生活って、何その無意味に怖いフレーズ!
――――かくして。
何がなんだか、私もファシルも折角のご馳走を前にして、暫くの間フリーズしちゃったままなのでした。

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