「だから、その人は俺の母の姉の子供の友人の婚約者の弟だって」
こずるくお題
あー、すいません、ほんと、忍者使いこなせないっす;;
こっちに戻したらスイマセン。本当、何度も何度も;;
あと、お題は
020 「だから、その人は俺の母の姉の子供の友人の婚約者の弟だって」
021 「だから、全然他人でしょ」
の二つを使用しています。
それでは、わたし(家庭教師)^2、前回の続きから、ご覧になる方は続きを読むをクリックしてくださいまし。
なお、何度も申し上げておりますが、こちらは改稿前ですので、サイトにあげているものとは多少異なります。サイトに上げている方が、ちゃんとした文です。そこのところ、ご了承くださいませ〜。
とりあえず、話すにしても公に話せることじゃないので、美夜ちゃんにはお昼休みまで待ってもらって、部室で話すことにした。ここなら部員以外入ってこれないし、わざわざ別棟にある部室まで来てお昼を食べる部員もいない。ゆっくり内緒話をするにはピッタリの場所なんだ。でも、場所は良いにしても、そこからがまた問題だった。暫くはもくもくお弁当食べたりなんだりしながらかいつまんで話してたんだけど、そこで美夜ちゃんは誰もが思い浮かべるであろう疑問を躊躇なく投下してきた。
『安登とファシル君って、どういう関係?』
まあ、そうなるよね。私が美夜ちゃんだったら間違いなく聞いているしね。でも、でもね、うーんと、なんというか、答えられないじゃない?『赤の他人ですけど同居してます』なんて言ったら、ますますどつぼにハマりそうだし。ない頭を捻って、なんとか誤魔化すしかなかった。
「だからね、彼は私の母の姉の子供の友人の婚約者の弟だって」
「だから、全然他人でしょ」
うう、全然騙されてくれない。こう、もにょもにょした感じでぼかせばなんとかなると思ったんだけど。おかしいな、漫画だとみんな上手く騙されてくれるのに。どこが間違ってるのかな。
こんな時双がいればなあ。いたらいたで新たな疑問符が飛び交うんだろうけど。うーんと唸ると、美哉ちゃんはこれみよがしにため息をついた。
「わかった。じゃあ昨日は、そのファシル君と安登が喧嘩しちゃったってことなんだね?」
あれれ。追求、しないのかな。ちらっと盗み見ると、美哉ちゃんは仕方ないなって、笑ってた。
「……聞かないの?」
「いいよ。だって安登を困らせてまで聞きたいわけじゃないし、今の問題はそっちじゃないでしょ?」
み、み、み、美夜ちゃあん。さり気無いその優しさにジーンときて、嬉しさに心が奮える。お弁当箱がなきゃ抱きついていたかもしれない。美夜ちゃんって、とってもとっても、いい子!いい友達!
きらきらと尊敬の眼差しを送ると、美夜ちゃんはちょっと照れたように目をそらしてお箸でちょいちょい、と促した。
「いいから話もどそ! ……それで、ファシル君との喧嘩について、でしょ?」
「あ……うん」
そう、だった。私、ファシルに無視されたんだよなあ。あの冷たい眼差し。思い出すと、さっきまで歓びでいっぱいだった気持ちが萎れて、代わりに鉛を抱いたみたいにずーんと重くなる。やっぱり哀しかった、なあ。私がしたことを考えれば、ファシルの態度も当然の事なのかもしれないけど。でも、このままずっと無視され続けたら、仲直りしたくても出来ないよ。
ファシルは私と仲直りしたくないのかな。家に、帰ってきたくないのかな。私は、帰ってきて欲しいよ。双だってにこにこ笑ってたけど、きっとファシルの事心配してたもん。そうでなきゃ、あんな。
「安登?」
「あっ、……ご、ごめん」
「ううん。でも、どうするの?」
「え?」
「仲直りだよ。したいんでしょう?」
「……したい、けど、」
けど。どうしたらいいの。それがわからないの。人と喧嘩したことなんて、なかった。だからかな。仲直りの方法も、解らない。ごめんだけじゃ済まされない気がして、ごめんを言うことも許されない気がして。だったら仲直りって、どうするの。沢山沢山傷つけちゃった人と、どうやって仲直りしたらいいの。
「わかんない……」
「わかんないって……」
「だって。無視、されたんだよ?ファシル、私の事嫌いになっちゃったのかもしれない、のに……仲直りなんて、できない」
したくないわけじゃない、というかむしろ今すぐにでも仲直りしたいの。その気持ちは本当。だけど、もう一回ファシルに拒絶されたら、あんな冷たい眼差しで見られたらと思うと、ちょっと怖い。
嫌われたく、ないんだよ。これ以上ファシルに嫌われたくない。思えば思うほど気持ちが萎んで、弱くなって、縮こまっていく。もやもやして、気持ち悪い。どうしたらいいんだろう。私は、どうしたらいいの?どうしたら上手に、仲直りが出来るの?思いつめれば思いつめるほど、どうにもならないような気がしてきた。
「できないって、それでいいの? できないから、仲直りしようともしないの?」
「……そうじゃないけど」
ちょっと咎めるように、美夜ちゃんが言った。私の中の弱い気持ちを、見抜いているみたいだ。
「仲直りはね、謝る勇気と、それをぶつける相手がいなきゃ成り立たないんだよ。一人で考えてたって、いつまでたっても何も進まないの」
謝る勇気、と、ぶつける相手。相手は、ファシルだよね。でも私、勇気、出したかな。ファシルの目に尻込みして、勝手に引っ込んでた、のかもしれない。思い込んじゃ駄目なんだって、朝、双に教えられたばっかりなのに。ファシル、どう思ったかな。怖がってたなんて、思われたくないな。
「どうでもいいんなら、放っとけばいい。どうでもよくないから、仲直りするの。……安登は、どっち? ファシル君の事……」
「どうでもよくないよ!」
思わず、即答していた。だって、どうでもいいわけないもん。ファシルは、家族だから。一緒に住んでる、家族なんだもん。なにがなんでも、仲直りしたい。あの家に帰ってきて欲しい。一日だって、心が離れたままなのは、嫌だよ。
「……うん」
気持ちを確認するように、頷いた。そう、そうなんだよね。何が何でも、だよ。嫌われるのは怖いけど、このまま何もしないで離れていくのはもっと嫌だよ。ファシルにちゃんと謝って、私の気持ちを知ってもらえないのは、絶対に嫌だよ。頑張らなくちゃ駄目なんだ。ファシルを傷つけた分だけ、私も頑張らなくちゃならない。双も、待ってるんだから。

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