2010/6/2
第14話 突然ふたり・・・
朝日が昇り日差しが差し込む。
俊介がようやく目覚める。
「俊介さん、おはようございます」
「おはよう・・・」
「ブラウスのボタン外して…」
「無理しなくても」
「大丈夫」
「ベットに」
「ここでいい・・・」
「かおる・・・」
「俊介さんの血も私の血も汚れてないきれいな血・・・抱いて」
「そうだとも・・・」
俊介はかおるをソファーに倒す。
ブラウスのボタンをゆっくりと外す。
「強く抱いて」
俊介とかおるは愛し合う。
タオルケットに包まれる二人。
かおるは俊介の胸の中で顔をうずめながら
「どうして刑事に?」
「ちゃんと話すよ。親が許せなかった・・・被害者の子供でも殺されて当然なことをしたんだって加害者を責めることは出来なかった。ただ謝りたかった。とんでもない金利でお金を巻き上げ無理心中までした家族もいたそうだ。そんなことも知らずに裕福な暮らしをしていた自分が情けなく・・・犯罪者を無くすために私は・・・」
俊介の身体が少し震える。
「俊介さん、強姦する人は罪を償っても再犯のケースが多いわ。その根を刈った。感謝している女性多いはず・・・私は二度とあんな目に遭いたくなんかない!!」
「かおる・・・分かってる・・・でも、息子を殺された親は悲しみ私を恨み・・・」
「二人で償っていけばいい・・・仕事に行かないと。何かいいことあった?って聞かれるの・・・俊介さんが変えてくれたから・・・私も変えてあげたい・・・」
「シャワー浴びてくるといい」
「はい・・・」
かおる、バスルームに向かう。
俊介はキッチンに行き冷蔵庫から胡瓜を出す。
まな板を出し包丁を出し右手に持つ。
右手が激しく揺れる。
包丁が右足元に落ちる。
慌てて動いたため転倒する。
「(右手を見ながら)握らせてくれ・・・頼む・・・」
包丁を右手で持ち立ち上がる。
再度、握る直し胡瓜を切ろうとする。
手が震えて切れない。
かおるはシャワーを浴びキッチンに向かう。
俊介の左手に包丁が握られている。
「?・・・」
右手に向かい包丁が振り下ろされそうになっている。
「止めて!!」
かおるは慌てて俊介の所に走る。
「かおる・・・」
「焦らないで・・・時間が経てば包丁握れるようになるわ・・・私に沢山美味しい料理を教えて」
「情けないんだ・・・自分自身が・・・」
「私が変えて見せる・・・大丈夫」
かおるは俊介の右手を握る。
左手の包丁を置く。
「かおる・・・」キスをする。
「・・・」
1
俊介がようやく目覚める。
「俊介さん、おはようございます」
「おはよう・・・」
「ブラウスのボタン外して…」
「無理しなくても」
「大丈夫」
「ベットに」
「ここでいい・・・」
「かおる・・・」
「俊介さんの血も私の血も汚れてないきれいな血・・・抱いて」
「そうだとも・・・」
俊介はかおるをソファーに倒す。
ブラウスのボタンをゆっくりと外す。
「強く抱いて」
俊介とかおるは愛し合う。
タオルケットに包まれる二人。
かおるは俊介の胸の中で顔をうずめながら
「どうして刑事に?」
「ちゃんと話すよ。親が許せなかった・・・被害者の子供でも殺されて当然なことをしたんだって加害者を責めることは出来なかった。ただ謝りたかった。とんでもない金利でお金を巻き上げ無理心中までした家族もいたそうだ。そんなことも知らずに裕福な暮らしをしていた自分が情けなく・・・犯罪者を無くすために私は・・・」
俊介の身体が少し震える。
「俊介さん、強姦する人は罪を償っても再犯のケースが多いわ。その根を刈った。感謝している女性多いはず・・・私は二度とあんな目に遭いたくなんかない!!」
「かおる・・・分かってる・・・でも、息子を殺された親は悲しみ私を恨み・・・」
「二人で償っていけばいい・・・仕事に行かないと。何かいいことあった?って聞かれるの・・・俊介さんが変えてくれたから・・・私も変えてあげたい・・・」
「シャワー浴びてくるといい」
「はい・・・」
かおる、バスルームに向かう。
俊介はキッチンに行き冷蔵庫から胡瓜を出す。
まな板を出し包丁を出し右手に持つ。
右手が激しく揺れる。
包丁が右足元に落ちる。
慌てて動いたため転倒する。
「(右手を見ながら)握らせてくれ・・・頼む・・・」
包丁を右手で持ち立ち上がる。
再度、握る直し胡瓜を切ろうとする。
手が震えて切れない。
かおるはシャワーを浴びキッチンに向かう。
俊介の左手に包丁が握られている。
「?・・・」
右手に向かい包丁が振り下ろされそうになっている。
「止めて!!」
かおるは慌てて俊介の所に走る。
「かおる・・・」
「焦らないで・・・時間が経てば包丁握れるようになるわ・・・私に沢山美味しい料理を教えて」
「情けないんだ・・・自分自身が・・・」
「私が変えて見せる・・・大丈夫」
かおるは俊介の右手を握る。
左手の包丁を置く。
「かおる・・・」キスをする。
「・・・」
1
2010/6/2
第13話 突然ふたり・・・
「悪い手を貸してくれ、(かおる手を貸す)ありがとう」
ピンポーン
「はい」
「海藤だ」
「海藤!仕事か?」
「いいや、友人として来た」
「そうか。かおる、玄関に出て海藤を頼むよ」
「はい。わかりました。ソファーに座っててください」
かおる、ドアを開けに行く。
「どうぞ」
「椿原は?」
「ソファーに。少し体調が」
「また・・・」
海藤はリビングに急ぐ。
「何の用だ?」
「体の具合が悪いのか?」
「過去の出来事と現在のことが入り混じってしまっているみたいだ。自分にも分らない体が震え・・・動きが鈍い」
「在職中そんな症状一度もなかった。どうしちゃったんだ?」
「ああ・・・きっと・・・血に染まった浴槽の中の彼女を見たときから・・・同じような場面を前にも見ている」
「同じ場面?・・・あっ・・・一度だけ話してくれた」
「海藤さん・・・教えてください」
「海藤、話さないでくれ・・・」
「俊介さん・・・」かおるは悲しくなる。
「私の血はドロドロ・・・両親は悪徳町金で・・・最後は耐えかねた男に刺され何度も何度も・・・血の海だったよ・・・私は知らなかった。両親が町金だったってことを・・・」
体が激しく震える。
「椿原!大丈夫か!」
海藤は俊介の身体を抑える。
「私・・・」
「かおるさん!全てのことにナイフが絡んでいるんです!あなたを守るために男を刺殺している!」
「海藤さん・・・」
俊介の震えが収まる。
「海藤、どうしたらいい?」
「山城順平を刺したのは彼女をかおるさんを助けるためだったんだろう?だったら正しいことをしたんじゃあないか。それなのにどうして自分を責める。あの時山城順平が生きて捕まっていたらかおるさんは被害者として警察の事情聴取を受け新聞にも・・・。それでよかったと思うか?」
「・・・」
「ナイフが初めて人を助けたんだ。お前のこの右手が(俊介の右手を握り)!かおるさんを幸せにするんだろう?しっかりしろ!!」
「寝ていいか?眠りたい・・・」
「寝るといい・・・かおるさん、何かかけるものを」
「は・はい」
かおる、タオルケットをかける。
暫くして俊介の寝息が聞こえる。
「俺、帰ります」
「ありがとうございました。ずっと寝れていなかったみたいで」
「嘘をつくのも下手だし真面目な男・・・椿原が高校2年の時に事件が起こりました。第一発見者は椿原・・・血の海の中両親は倒れていた。彼は座り込み動けなかったと言ってました。交番勤務の山村巡査が優しく対応してくれ両親が悪徳町金だったことが分かり自分にも同じ血が流れている。目の前が真っ暗になり死にたくなったとも。そんな時山村巡査は君が生まれた時は優しい両親だった。町金もしていなかった。だから君に流れている血は綺麗だ・・・何も気にすることなんかないと励ましてくれたと。その山村巡査も刺殺され・・・ずっと忘れていたのが彼女の血の海が心に小さな穴を開けそれが今回・・・宜しく頼みます。」
「私で・・・」
「あいつが目覚めたときあなたがいなくては・・・」
海藤は帰っていく。
0
ピンポーン
「はい」
「海藤だ」
「海藤!仕事か?」
「いいや、友人として来た」
「そうか。かおる、玄関に出て海藤を頼むよ」
「はい。わかりました。ソファーに座っててください」
かおる、ドアを開けに行く。
「どうぞ」
「椿原は?」
「ソファーに。少し体調が」
「また・・・」
海藤はリビングに急ぐ。
「何の用だ?」
「体の具合が悪いのか?」
「過去の出来事と現在のことが入り混じってしまっているみたいだ。自分にも分らない体が震え・・・動きが鈍い」
「在職中そんな症状一度もなかった。どうしちゃったんだ?」
「ああ・・・きっと・・・血に染まった浴槽の中の彼女を見たときから・・・同じような場面を前にも見ている」
「同じ場面?・・・あっ・・・一度だけ話してくれた」
「海藤さん・・・教えてください」
「海藤、話さないでくれ・・・」
「俊介さん・・・」かおるは悲しくなる。
「私の血はドロドロ・・・両親は悪徳町金で・・・最後は耐えかねた男に刺され何度も何度も・・・血の海だったよ・・・私は知らなかった。両親が町金だったってことを・・・」
体が激しく震える。
「椿原!大丈夫か!」
海藤は俊介の身体を抑える。
「私・・・」
「かおるさん!全てのことにナイフが絡んでいるんです!あなたを守るために男を刺殺している!」
「海藤さん・・・」
俊介の震えが収まる。
「海藤、どうしたらいい?」
「山城順平を刺したのは彼女をかおるさんを助けるためだったんだろう?だったら正しいことをしたんじゃあないか。それなのにどうして自分を責める。あの時山城順平が生きて捕まっていたらかおるさんは被害者として警察の事情聴取を受け新聞にも・・・。それでよかったと思うか?」
「・・・」
「ナイフが初めて人を助けたんだ。お前のこの右手が(俊介の右手を握り)!かおるさんを幸せにするんだろう?しっかりしろ!!」
「寝ていいか?眠りたい・・・」
「寝るといい・・・かおるさん、何かかけるものを」
「は・はい」
かおる、タオルケットをかける。
暫くして俊介の寝息が聞こえる。
「俺、帰ります」
「ありがとうございました。ずっと寝れていなかったみたいで」
「嘘をつくのも下手だし真面目な男・・・椿原が高校2年の時に事件が起こりました。第一発見者は椿原・・・血の海の中両親は倒れていた。彼は座り込み動けなかったと言ってました。交番勤務の山村巡査が優しく対応してくれ両親が悪徳町金だったことが分かり自分にも同じ血が流れている。目の前が真っ暗になり死にたくなったとも。そんな時山村巡査は君が生まれた時は優しい両親だった。町金もしていなかった。だから君に流れている血は綺麗だ・・・何も気にすることなんかないと励ましてくれたと。その山村巡査も刺殺され・・・ずっと忘れていたのが彼女の血の海が心に小さな穴を開けそれが今回・・・宜しく頼みます。」
「私で・・・」
「あいつが目覚めたときあなたがいなくては・・・」
海藤は帰っていく。
0
2010/6/2
第12話 突然ふたり・・・
俊介は部屋に戻る。
かおるが床にしゃがみこんでいる。
「かおる!どうした?」
「私の身体には犯罪者の血が流れている・・・」
かおるの身体を抱く。
「流れれてなんかいない・・・かおるがお母さんのお腹に宿った時はお父さんは何も悪いことしていなかったんだ。そのあと、少しずつ歯車が狂い始めてしまった。もし昔のことを掘り起こし難癖をつけてくる奴が出てきたら私が守る。指一本触れさせやしない」
「俊介さん・・・」
「そんなことを言ったら私に流れている血がドロドロでどうしようもない・・・」
「・・・。どういうこと?」
「お墓参りの時に・・・どっちで暮らす?」
「俊介さんの家で暮らしたい・・・いい?」
「ああ、じゃあ必要なものを運ばないといけないな。引越し屋を手配しないと」
「私を強く抱いて・・・あなたの色に染まりたい」
「かおる・・・シャワー浴びて来てもいいかな?きれいにして君を抱きたい」
「一緒に・・・」
俊介とかおるはバスルームへと姿を消す。
二人はシャワーを浴びながら激しく愛し合う。
「ベットに行こうか?抱き上げて行きたいところだがこの足では危ない」
「大判のバスタオルがあるから一緒に・・・」
「そう、早く足を直して抱けるようになるよ」
ベットの中へ・・・
「母と何を話したの?」
「被害者の家族も加害者の家族も同じだってことだ。ましてや新しい生命が誕生。加害者の子として…でも結論は産んで本当に良かったって。後悔はしていないと言っていた」
「私なら産まないかもしれない・・・産めない」
「かおるは生まれた」
「一度も父のことを言われたことなかったから・・・今日の話は驚いて・・・今も・・・」
「私と出会わなければ知らずにすんでいた・・・金曜日の強姦魔が出没してから彼女の死が脳裏からはならなくなった・・・同じことを繰り返したはいけない・・・あの場所に自然と足が助けられるのなら助けたい・・・。若い頃なら相手の出したナイフをたたき落とせたんだろうが刺してしまうとは・・・結局同じことを繰り返しただけだった」
「私は生きてます。俊介さんのお陰で・・・同じじゃあないわ!もしあの時俊介さんが警察に連絡していたら私今ここにはいません。私も俊介さんの心に傷をつけてしまいました」
「それは・・・」
「特に金曜日のあの場所あの時間は気をつけるようにパトロールのお巡りさんに言われていました。それなのに私は・・・襲われた。でも・・・大切な人と出会えた。だから・・・海藤さん、付き合いの長さは関係ない・・・あなたを頼むって」
「・・・。私もだ・・・離したくないと強く初めて思えた・・・かおる」
俊介はかおるのを強く抱きしめ唇を合わせ下へと・・・。
「あっ・・・」かおるは声を上げる。
何時間経っただろう。
「明日仕事だったね・・・」
「そうだった・・・」
「土曜日に軽トラックレンタルして荷物運ぼう。運転は大丈夫なんだが大きい物が運べない・・・引越し屋に頼まないとやはり無理だ」
「直ぐに来てもらえるかしら?まだここの契約残っているし大きなものは後でいいです。必要なものを運べば・・・私は俊介さんといられればそれだけで幸せ」
「じゃあ少しずつ運ぼう。私の家には?」
「買い物して料理作ります。味は保証しません・・・行きましょう」
「そうはっきり言われると食べるのがある意味楽しみだ。で、何を?」
「カレーライス」
「それなら失敗はないよ」
「そのはずなんですが・・・奇妙な味に」
「私が言う通り作れば美味しいカレーになる」
買い物を終え俊介の家に。
「買ったことないものがあるんですが・・・」
「言われるとおりにすればいいから。まだ包丁握れない・・・握れれば作るんだが」
かおるは慌てて
「指示してください。作ります・・・本当のこと言うとあまり料理作ったことが・・・」
「形なんかどうでもいい」
「はい・・・がんばります」
料理が始まる。
「あっ!それじゃあ指切る・・・包丁は下に向けて左で皮を向くジャガイモを回す感じにして右手の親指を・・・そうそう・・・水に下して。玉ねぎを切るときは左手を丸めて薄切りに少しずつずらせばいいから」
かおるの悲鳴みたいな声が何度も聞こえ・・・煮込みまでこぎつけた。
「(笑いながら)美味しいカレーが出来そうだ」
「こんなに料理下手じゃあ・・・」
「(かおるを抱きしめる)楽しかった・・・明日は何にしようか?」
「どうしてこんなにお料理上手なんですか?」
「誰も作ってくれる者がいなくなった。限られた食材でどう料理するか・・・工夫してたから・・・楽しくなった」
「ご両親のこと知りたい・・・」
「ゴメン・・・日曜日にお墓参り行ったときに話すから」
「じゃあどうして刑事に?」
「親が死んでから親身になってくれた交番のお巡りさんがいたんだ。住む家がなくなった私の住む家まで紹介してくれて家賃まで出してくれた。出世払いでいいからと・・・」
「そのお巡りさんは?」
「・・・」
「返せたんですか?」
「警察学校に入学したことを喜んでくれ刑事になったことも喜んでくれた。定年まじかでチンピラに刺されて亡くなった・・・」
俊介の右手が震えている。
「私じゃあ癒せない?俊介さんの手料理食べてみたい」
「君がいるから・・・全て忘れられる・・・忘れるようにする。自分でもわからないんだが過去のことと現在のことが入り混じって・・・お巡りさんが刺されたことと自分が刺したことが重なりそして・・・血の海・・・」
体が震え始める。
「ソファーに座って・・・もう、聞かない・・・」
「悪い・・・かおるの所為じゃあない。一時間煮込んだら作ってあるルーを鍋に入れてとろみがついたら出来上がる」
「お店のカレーが出来るみたいで楽しみ」
「弱火を忘れないように。ご飯もその頃炊けるはずだ」
1時間半後。
「出来たわ!」
俊介の前に置く。
一口食べる。
「星3つだ・・・初めてにしては美味しいよ」
「(食べる)わー美味しい。いままでに食べたカレーの中で一番美味しい・・・」
「かおるの手料理第一号だな」
「はい・・・」
0
かおるが床にしゃがみこんでいる。
「かおる!どうした?」
「私の身体には犯罪者の血が流れている・・・」
かおるの身体を抱く。
「流れれてなんかいない・・・かおるがお母さんのお腹に宿った時はお父さんは何も悪いことしていなかったんだ。そのあと、少しずつ歯車が狂い始めてしまった。もし昔のことを掘り起こし難癖をつけてくる奴が出てきたら私が守る。指一本触れさせやしない」
「俊介さん・・・」
「そんなことを言ったら私に流れている血がドロドロでどうしようもない・・・」
「・・・。どういうこと?」
「お墓参りの時に・・・どっちで暮らす?」
「俊介さんの家で暮らしたい・・・いい?」
「ああ、じゃあ必要なものを運ばないといけないな。引越し屋を手配しないと」
「私を強く抱いて・・・あなたの色に染まりたい」
「かおる・・・シャワー浴びて来てもいいかな?きれいにして君を抱きたい」
「一緒に・・・」
俊介とかおるはバスルームへと姿を消す。
二人はシャワーを浴びながら激しく愛し合う。
「ベットに行こうか?抱き上げて行きたいところだがこの足では危ない」
「大判のバスタオルがあるから一緒に・・・」
「そう、早く足を直して抱けるようになるよ」
ベットの中へ・・・
「母と何を話したの?」
「被害者の家族も加害者の家族も同じだってことだ。ましてや新しい生命が誕生。加害者の子として…でも結論は産んで本当に良かったって。後悔はしていないと言っていた」
「私なら産まないかもしれない・・・産めない」
「かおるは生まれた」
「一度も父のことを言われたことなかったから・・・今日の話は驚いて・・・今も・・・」
「私と出会わなければ知らずにすんでいた・・・金曜日の強姦魔が出没してから彼女の死が脳裏からはならなくなった・・・同じことを繰り返したはいけない・・・あの場所に自然と足が助けられるのなら助けたい・・・。若い頃なら相手の出したナイフをたたき落とせたんだろうが刺してしまうとは・・・結局同じことを繰り返しただけだった」
「私は生きてます。俊介さんのお陰で・・・同じじゃあないわ!もしあの時俊介さんが警察に連絡していたら私今ここにはいません。私も俊介さんの心に傷をつけてしまいました」
「それは・・・」
「特に金曜日のあの場所あの時間は気をつけるようにパトロールのお巡りさんに言われていました。それなのに私は・・・襲われた。でも・・・大切な人と出会えた。だから・・・海藤さん、付き合いの長さは関係ない・・・あなたを頼むって」
「・・・。私もだ・・・離したくないと強く初めて思えた・・・かおる」
俊介はかおるのを強く抱きしめ唇を合わせ下へと・・・。
「あっ・・・」かおるは声を上げる。
何時間経っただろう。
「明日仕事だったね・・・」
「そうだった・・・」
「土曜日に軽トラックレンタルして荷物運ぼう。運転は大丈夫なんだが大きい物が運べない・・・引越し屋に頼まないとやはり無理だ」
「直ぐに来てもらえるかしら?まだここの契約残っているし大きなものは後でいいです。必要なものを運べば・・・私は俊介さんといられればそれだけで幸せ」
「じゃあ少しずつ運ぼう。私の家には?」
「買い物して料理作ります。味は保証しません・・・行きましょう」
「そうはっきり言われると食べるのがある意味楽しみだ。で、何を?」
「カレーライス」
「それなら失敗はないよ」
「そのはずなんですが・・・奇妙な味に」
「私が言う通り作れば美味しいカレーになる」
買い物を終え俊介の家に。
「買ったことないものがあるんですが・・・」
「言われるとおりにすればいいから。まだ包丁握れない・・・握れれば作るんだが」
かおるは慌てて
「指示してください。作ります・・・本当のこと言うとあまり料理作ったことが・・・」
「形なんかどうでもいい」
「はい・・・がんばります」
料理が始まる。
「あっ!それじゃあ指切る・・・包丁は下に向けて左で皮を向くジャガイモを回す感じにして右手の親指を・・・そうそう・・・水に下して。玉ねぎを切るときは左手を丸めて薄切りに少しずつずらせばいいから」
かおるの悲鳴みたいな声が何度も聞こえ・・・煮込みまでこぎつけた。
「(笑いながら)美味しいカレーが出来そうだ」
「こんなに料理下手じゃあ・・・」
「(かおるを抱きしめる)楽しかった・・・明日は何にしようか?」
「どうしてこんなにお料理上手なんですか?」
「誰も作ってくれる者がいなくなった。限られた食材でどう料理するか・・・工夫してたから・・・楽しくなった」
「ご両親のこと知りたい・・・」
「ゴメン・・・日曜日にお墓参り行ったときに話すから」
「じゃあどうして刑事に?」
「親が死んでから親身になってくれた交番のお巡りさんがいたんだ。住む家がなくなった私の住む家まで紹介してくれて家賃まで出してくれた。出世払いでいいからと・・・」
「そのお巡りさんは?」
「・・・」
「返せたんですか?」
「警察学校に入学したことを喜んでくれ刑事になったことも喜んでくれた。定年まじかでチンピラに刺されて亡くなった・・・」
俊介の右手が震えている。
「私じゃあ癒せない?俊介さんの手料理食べてみたい」
「君がいるから・・・全て忘れられる・・・忘れるようにする。自分でもわからないんだが過去のことと現在のことが入り混じって・・・お巡りさんが刺されたことと自分が刺したことが重なりそして・・・血の海・・・」
体が震え始める。
「ソファーに座って・・・もう、聞かない・・・」
「悪い・・・かおるの所為じゃあない。一時間煮込んだら作ってあるルーを鍋に入れてとろみがついたら出来上がる」
「お店のカレーが出来るみたいで楽しみ」
「弱火を忘れないように。ご飯もその頃炊けるはずだ」
1時間半後。
「出来たわ!」
俊介の前に置く。
一口食べる。
「星3つだ・・・初めてにしては美味しいよ」
「(食べる)わー美味しい。いままでに食べたカレーの中で一番美味しい・・・」
「かおるの手料理第一号だな」
「はい・・・」
0
2010/6/2
第11話 突然ふたり・・・
一週間後、久しぶりに海藤が現れた。
「山城順平の自宅から多くの女性の写真が見つかった。被害届を出している女性はほんの一部だ。被害に遭ってしまっているのかどうかはわからない。山城順平の親は息子が金曜日の強姦魔だったことを受け入れた。ただ、生きて罪を償ってほしかったとも言っていたが・・・俺は彼の死で多くの女性の心が救われたと思っている。それから、これ(茶封筒をベットの上に置く)資料の中から抜いておいた。正当防衛で事件は解決できそうだ・・・幸せになれよな」
海藤は帰って行った。
封筒の中には10枚以上のかおるの写真が入っていた。
「海藤・・・」
携帯を出し電話する。
車に座りながら携帯に出る。
「海藤!お前・・・辞める気じゃあ」
「ついていい嘘もあれば資料の不要なものを省いたっていいんじゃあないか?1+1=2じゃなくたっていいってことをお前から教わった。俺は退職まで続ける。心配するな」
「どういうことだ?」
「襲われている女性を助けその襲っていた男ともみ合いになったことは間違いない。
そして、刺してしまったことも間違いない。唯一つ違っていたことは女性の存在。
その場から立ち去ってと言い張れば・・・名乗り出るはずもない女性・・・お前の嘘が分からないはずがないだろう・・・嘘をついてでも守る。そんな恋してみたいよ」
「海藤・・・」
「退院もうすぐだな・・・じゃあな」
海藤は携帯を切り車を走らせる。
その夜
かおるが訪れる。
「明後日、退院できるって。会社休暇もらえたので朝から来ます」
「今日、海藤が来たよ。被害女性は多そうだ・・・。しっかりと狙いをつけた女性のことを調べていたらしい」
「私のことも・・・」
「数日間尾行して写真を撮り調べたうえで犯行に・・・君の分はここにある。海藤が資料から抜き取ってくれた。何もかも見抜かれあいつにも迷惑をかけてしまった。だから余計に君とのかおると向き合っていかないといけない」
「それって?」
「結婚しよう」
「私でいいの?」
「もっとたくさんかおるのことを知りたいと思っている」
「俊介さんのこと私もたくさん知りたい」
「ご両親はご健在?」
「父は私が小さい時に亡くなったと母から聞いています。母は一人暮らしをしています」
「お会いしたいんだが」
「はい、連絡しておきます。俊介さんのご両親は?」
「もう二人ともいない。兄弟もいないから親類関係の付き合いは心配いらない」
「そうなんですか・・・。お墓参りさせてください」
「お墓参り・・・そうだな・・・しないといけない」
俊介の表情が一瞬曇る。
「俊介さん?」
「お墓参りの時に両親のことは話すよ。早くに亡くなったんだがお墓は10年前にやっと造ってやることが出来た」
水曜日。
「俊介さん、今日母が来ます。会って下さい」
「勿論。今回のことを話しても?」
「はい。母に隠しても仕方ありません」
「先ずはかおるの部屋に帰ろう」
俊介の右足だけ動きが鈍い。
杖を使い歩く。
「週一回リハビリに通うよう言われている・・・心配そうな顔しなくても大丈夫だ。お母さんビックリされるんじゃあないかな?」
「文句は言わせません」
パールマンション・204号室前
女性が立っている。
「お母さん!もう来てたの?」
女性は俊介を見る。
「椿原刑事さん・・・」
「あなたは・・・」
俊介は驚きの声を上げる。
「俊介さん?お母さんと知り合い?」
「お腹の中にいたのがかおる・・・」
「はい。あの時は大変お世話になりました」
「えっ?お母さんどういうこと?」
「まだ半人前の刑事だったころに関わった事件の関係者・・・妊婦さんだったから印象に残っていただけだ」
「そうよ。かおる、早く鍵を開けてちょうだい」
初めての大きな誘拐殺人事件。
その犯人がかおるの父親。
死刑を求刑されもう執行されている。
張り込み担当だった最中に陣痛が起き病院まで俊介がサイレンを鳴らし覆面車で連れて行った。そのことで上司から大目玉をくらった。
ソファーに俊介と母親は向かい合わせに座る。
かおるはお茶の準備をしている。
「あの、今はもう私は刑事ではありません。かおるさんとのことをお話します。新聞等でご存知かと思いますが金曜日の強姦魔。最近多発しておりパトロールをしていました。かおるさんが標的に。私が助け未遂で済みましたが犯人と私が揉み合いになりました。犯人がナイフを出し・・・誤って犯人の胸に刺さり・・・。正当防衛が成立しそうです。
かおるさんのことは警察には伏せてあり資料もありません。架空の女性が襲われたことになっています。こんな形での出会いですが私はかおるさんと一緒に生きていきたいと思っています」
「かおるはどうなの?」
「私も同じよ」
「椿原さん、何かの縁ですね。娘を宜しくお願いします。ただ、私のことをお母さんと呼ぶのは止めてください」
「はい」
「お母さん、どんな事件で俊介さんと?」
かおるはコーヒーカップを置きながら聞く。
「何も話されていないんですか?」
「はい・・・」
「かおる、落ち着いてくれ。私から話す」
「えっ?全く話が・・・」
「私の隣に座って(かおる座る)君のお父さんの名前は立川修司。誘拐殺人犯でもう死刑執行されこの世にはいない」
「誘拐殺人犯・・・嘘・・・」
「本当だ。私は容疑者の自宅を張り込んでいた。といってもお母さんに食べ物や飲み物をよく差し入れしてもらっていたから張り込みは名ばかり・・・そんな時臨月だったお母さんに陣痛が起き、覆面パトで病院に運んだ」
「生まれたのが私・・・」
「そう・・・。お父さんのことは君には何の関係もない。だから、お母さんは話さないでいた。それなのに・・・私と・・・(右足に強い痺れを感じる)」
「俊介さん話してくれてありがとう。俊介さんがその事件を捜査していたから初めて父のことが・・・どうしてお金が必要だったの?」
「借金が膨れ上がって首が回らなくなり子供も生まれる・・・焦ったお父さんはお金持ちの子供に目をつけ誘拐・・・五千万円を要求。騒がれたからと首を絞めて殺害。結局病院で逮捕された」
「病院?」
「生まれた赤ん坊に・・・君に会いたかったそうだ。それならどうしてそんな犯罪を私はお父さんに問いただした。お父さんは愛情がいくらあってもお金がないと駄目なんだ。生まれてくる子供を幸せにしてやりたかっただけだ。お金に余裕がある者から貰って何が悪いと」
「父が手に掛けた子供の分も私は幸せにならないといけないのね・・・俊介さん私のこと・・・」
「君には関係ないって言ったはずだ。お母さんにもだ。犯罪者の家族には罪はないと私はいつもそう思い捜査に取り組んできた。辛い気持にさせてゴメン」
「急に大きい息子が出来てしまって・・・お母さんなんて呼ばれると老けてしまうわ。あの時のハンサムな若い刑事さんが病院でお父さんですかって間違われ、その赤ん坊の旦那様になるだなんて・・・人生何があるか分からないものだわ。かおるは幸せ者よ、お母さん帰るわ。椿原さん、娘を助けて下さってありがとうございました。襲われたことももみ消して下さって・・・娘を宜しくお願いします」
「お母さん・・・」
俊介は外まで送る。
「ビックリしました。本当のことを言いますと犯罪者の娘を産んでもいいのか産まない方がこの子のためになるんじゃあないかと何度も思いました。でも、あの時椿原さんが必死になって病院まで連れて行って下さって励まし続けてくださったから・・・元気な女の子ですよと言われた瞬間涙が止まらず産んで良かったと思えたんです。それから、病室の名前椿原として下さっていたんですよね。マスコミに気づかれないようにって看護婦さんから聞きました。お陰で騒がれずにすみました。やっとお礼が言えたわ。ありがとうね、俊介」
母親は帰って行った。
0
「山城順平の自宅から多くの女性の写真が見つかった。被害届を出している女性はほんの一部だ。被害に遭ってしまっているのかどうかはわからない。山城順平の親は息子が金曜日の強姦魔だったことを受け入れた。ただ、生きて罪を償ってほしかったとも言っていたが・・・俺は彼の死で多くの女性の心が救われたと思っている。それから、これ(茶封筒をベットの上に置く)資料の中から抜いておいた。正当防衛で事件は解決できそうだ・・・幸せになれよな」
海藤は帰って行った。
封筒の中には10枚以上のかおるの写真が入っていた。
「海藤・・・」
携帯を出し電話する。
車に座りながら携帯に出る。
「海藤!お前・・・辞める気じゃあ」
「ついていい嘘もあれば資料の不要なものを省いたっていいんじゃあないか?1+1=2じゃなくたっていいってことをお前から教わった。俺は退職まで続ける。心配するな」
「どういうことだ?」
「襲われている女性を助けその襲っていた男ともみ合いになったことは間違いない。
そして、刺してしまったことも間違いない。唯一つ違っていたことは女性の存在。
その場から立ち去ってと言い張れば・・・名乗り出るはずもない女性・・・お前の嘘が分からないはずがないだろう・・・嘘をついてでも守る。そんな恋してみたいよ」
「海藤・・・」
「退院もうすぐだな・・・じゃあな」
海藤は携帯を切り車を走らせる。
その夜
かおるが訪れる。
「明後日、退院できるって。会社休暇もらえたので朝から来ます」
「今日、海藤が来たよ。被害女性は多そうだ・・・。しっかりと狙いをつけた女性のことを調べていたらしい」
「私のことも・・・」
「数日間尾行して写真を撮り調べたうえで犯行に・・・君の分はここにある。海藤が資料から抜き取ってくれた。何もかも見抜かれあいつにも迷惑をかけてしまった。だから余計に君とのかおると向き合っていかないといけない」
「それって?」
「結婚しよう」
「私でいいの?」
「もっとたくさんかおるのことを知りたいと思っている」
「俊介さんのこと私もたくさん知りたい」
「ご両親はご健在?」
「父は私が小さい時に亡くなったと母から聞いています。母は一人暮らしをしています」
「お会いしたいんだが」
「はい、連絡しておきます。俊介さんのご両親は?」
「もう二人ともいない。兄弟もいないから親類関係の付き合いは心配いらない」
「そうなんですか・・・。お墓参りさせてください」
「お墓参り・・・そうだな・・・しないといけない」
俊介の表情が一瞬曇る。
「俊介さん?」
「お墓参りの時に両親のことは話すよ。早くに亡くなったんだがお墓は10年前にやっと造ってやることが出来た」
水曜日。
「俊介さん、今日母が来ます。会って下さい」
「勿論。今回のことを話しても?」
「はい。母に隠しても仕方ありません」
「先ずはかおるの部屋に帰ろう」
俊介の右足だけ動きが鈍い。
杖を使い歩く。
「週一回リハビリに通うよう言われている・・・心配そうな顔しなくても大丈夫だ。お母さんビックリされるんじゃあないかな?」
「文句は言わせません」
パールマンション・204号室前
女性が立っている。
「お母さん!もう来てたの?」
女性は俊介を見る。
「椿原刑事さん・・・」
「あなたは・・・」
俊介は驚きの声を上げる。
「俊介さん?お母さんと知り合い?」
「お腹の中にいたのがかおる・・・」
「はい。あの時は大変お世話になりました」
「えっ?お母さんどういうこと?」
「まだ半人前の刑事だったころに関わった事件の関係者・・・妊婦さんだったから印象に残っていただけだ」
「そうよ。かおる、早く鍵を開けてちょうだい」
初めての大きな誘拐殺人事件。
その犯人がかおるの父親。
死刑を求刑されもう執行されている。
張り込み担当だった最中に陣痛が起き病院まで俊介がサイレンを鳴らし覆面車で連れて行った。そのことで上司から大目玉をくらった。
ソファーに俊介と母親は向かい合わせに座る。
かおるはお茶の準備をしている。
「あの、今はもう私は刑事ではありません。かおるさんとのことをお話します。新聞等でご存知かと思いますが金曜日の強姦魔。最近多発しておりパトロールをしていました。かおるさんが標的に。私が助け未遂で済みましたが犯人と私が揉み合いになりました。犯人がナイフを出し・・・誤って犯人の胸に刺さり・・・。正当防衛が成立しそうです。
かおるさんのことは警察には伏せてあり資料もありません。架空の女性が襲われたことになっています。こんな形での出会いですが私はかおるさんと一緒に生きていきたいと思っています」
「かおるはどうなの?」
「私も同じよ」
「椿原さん、何かの縁ですね。娘を宜しくお願いします。ただ、私のことをお母さんと呼ぶのは止めてください」
「はい」
「お母さん、どんな事件で俊介さんと?」
かおるはコーヒーカップを置きながら聞く。
「何も話されていないんですか?」
「はい・・・」
「かおる、落ち着いてくれ。私から話す」
「えっ?全く話が・・・」
「私の隣に座って(かおる座る)君のお父さんの名前は立川修司。誘拐殺人犯でもう死刑執行されこの世にはいない」
「誘拐殺人犯・・・嘘・・・」
「本当だ。私は容疑者の自宅を張り込んでいた。といってもお母さんに食べ物や飲み物をよく差し入れしてもらっていたから張り込みは名ばかり・・・そんな時臨月だったお母さんに陣痛が起き、覆面パトで病院に運んだ」
「生まれたのが私・・・」
「そう・・・。お父さんのことは君には何の関係もない。だから、お母さんは話さないでいた。それなのに・・・私と・・・(右足に強い痺れを感じる)」
「俊介さん話してくれてありがとう。俊介さんがその事件を捜査していたから初めて父のことが・・・どうしてお金が必要だったの?」
「借金が膨れ上がって首が回らなくなり子供も生まれる・・・焦ったお父さんはお金持ちの子供に目をつけ誘拐・・・五千万円を要求。騒がれたからと首を絞めて殺害。結局病院で逮捕された」
「病院?」
「生まれた赤ん坊に・・・君に会いたかったそうだ。それならどうしてそんな犯罪を私はお父さんに問いただした。お父さんは愛情がいくらあってもお金がないと駄目なんだ。生まれてくる子供を幸せにしてやりたかっただけだ。お金に余裕がある者から貰って何が悪いと」
「父が手に掛けた子供の分も私は幸せにならないといけないのね・・・俊介さん私のこと・・・」
「君には関係ないって言ったはずだ。お母さんにもだ。犯罪者の家族には罪はないと私はいつもそう思い捜査に取り組んできた。辛い気持にさせてゴメン」
「急に大きい息子が出来てしまって・・・お母さんなんて呼ばれると老けてしまうわ。あの時のハンサムな若い刑事さんが病院でお父さんですかって間違われ、その赤ん坊の旦那様になるだなんて・・・人生何があるか分からないものだわ。かおるは幸せ者よ、お母さん帰るわ。椿原さん、娘を助けて下さってありがとうございました。襲われたことももみ消して下さって・・・娘を宜しくお願いします」
「お母さん・・・」
俊介は外まで送る。
「ビックリしました。本当のことを言いますと犯罪者の娘を産んでもいいのか産まない方がこの子のためになるんじゃあないかと何度も思いました。でも、あの時椿原さんが必死になって病院まで連れて行って下さって励まし続けてくださったから・・・元気な女の子ですよと言われた瞬間涙が止まらず産んで良かったと思えたんです。それから、病室の名前椿原として下さっていたんですよね。マスコミに気づかれないようにって看護婦さんから聞きました。お陰で騒がれずにすみました。やっとお礼が言えたわ。ありがとうね、俊介」
母親は帰って行った。
0
2010/6/2
第10話 突然ふたり・・・
全身麻痺を起していた。
何と顔だけは動く。
話すこともゆっくりだが出来る。
原因は精密検査待ち。
病室前・長椅子
「最初は右手が震え始めてそれから急に歩くことが一人で出来なくなり・・・どうしてなのか私にもわからないんです」
「かおるさん、土曜日の朝は椿原はしっかりしていた。それが・・・何かあったとしか」
「何かってなんでしょうか?現場から逃げた女性は見つかったんですか?」
「あなたではなく本当にもう一人の女性が?」
「俊介さんが話してくれました。警察は君ではないかと疑うに違いないと・・・女性が見つからないと正当防衛も難しくなると・・・気が動転して指紋を拭き取ってしまったとも言っていました」
「椿原とは長い付き合いです。否定していたにもかかわらず何故自ら認めたのか・・・靴跡でわかってしまうことを考えたんでしょうが・・・被害に遭った女性一応探してみます。椿原についててやって下さい」
海藤は帰っていく。
あいつはどんな状況になろうと気が動転するはずがない。
車にも乗っていない。
架空の被害者を作り上げている。
守る必要のない女性を・・・。
かおるは病室に入り俊介の手を握る。
「かおるさん・・・」
「俊介さん・・・大丈夫?」
「靴・・・海藤からのプレゼント・・・世界に一つしかない・・・」
「だから・・・一応女性を探してみるそうです」
「一応・・・」
「明日から仕事です。帰りには必ず来ますから」
「無理はしないように」
「会社からこの病院近いんです」
「夜道は危ない」
「泊ってもいいように準備してきます・・・一緒にいたいから」
「君を抱くことも出来ない・・・」
「一緒にいられるだけでいい・・・」
「かおるさん・・・」
捜査課
「椿原はパトロールをしていたんだと思う。そこで犯行を目撃した。女性を助け山城順平と揉めた。山城順平がナイフを出し、それが誤って山城順平の胸に刺さった。
気づくと女性の姿が消えていた」
「だから、その女性が小東かおるなんですよ!!」
「それはわからない。姿を消した女性が本当に存在するのかも知れない。だが、名乗り出ることはないだろう。このような事件の場合被害者は隠したいものだ」
「じゃあどうするんですか!!」
「俺は正当防衛で処理を進めていくつもりだ」
「供述を鵜呑みにすると?恋人の小東かおるが被害にあったから復讐したのかも知れません」
「それはない。ただ、確実に言えることは山城順平を刺殺したことは間違いない」
月曜日の夕方に精密検査の結果が出た。
かおると海藤が医師から話を聞く。
「結果から申し上げます。精神的ダメージが体の筋肉を硬直させてしまっているようです。原因はある行為が患者の意思と反してしまった。それに追ううちをかけることが起こった。ある行為は患者には許せない行為自分を追い詰め」
「その行為が正しかったと本人が認識すれば良くなると?」
「そうですね・・・前にも予兆があったと思います。それは本人にも分らなかったと思われます」
「海藤さん、俊介さんを楽にさせてあげてください。正当防衛なんです!!」
かおるは海藤に訴える。
「椿原は真面目で正義感が強い真っ直ぐな男です。人を殺したという行為があいつの心には重すぎた。最初の心の傷は刑事を辞めることになった事件・・・そして今回。椿原が助けた女性が誰なのか・・・わからないままでいいと思っています」
「海藤さん・・・」
「椿原に特効薬飲ませてやりたい・・・椿原とあなたがどれくらいの付き合いなのかは知らないが長さは関係ない・・・あいつのこと宜しく頼みます」
かおるは俊介の病室に向かう。
「かおるさん・・・おかえり」
「俊介さんは私に忘れなさいと言った。俊介さんも忘れて・・・」
右手を強く握りながら言う。
「どんなに悪い者でも死んでいい者はいない・・・いない・・・」
「でも私はあの男の死で助けられた・・・」
「助けられた・・・」
「私だけじゃあないはずです・・・たくさんの女性がいるはずです。でも、一人の人間の命を奪ってしまったことは・・・一緒に償っていきたい・・・俊介さん!!」
「・・・」
「海藤さんは正当防衛で処理をされるつもりの様です。何処までが真実で何処が嘘なのか・・・何もかもわかっていると私には見えました」
「正当防衛・・・」
俊介の手がかおるの手を握り返した。
「俊介さん!手・・・私はあなたを守る嘘ならどんな嘘でも付きます。離れたくない!」
「ありがとう・・・私もだ」
少しずつ俊介の身体は動かせるぐらいに回復を見せ始めた。
0
何と顔だけは動く。
話すこともゆっくりだが出来る。
原因は精密検査待ち。
病室前・長椅子
「最初は右手が震え始めてそれから急に歩くことが一人で出来なくなり・・・どうしてなのか私にもわからないんです」
「かおるさん、土曜日の朝は椿原はしっかりしていた。それが・・・何かあったとしか」
「何かってなんでしょうか?現場から逃げた女性は見つかったんですか?」
「あなたではなく本当にもう一人の女性が?」
「俊介さんが話してくれました。警察は君ではないかと疑うに違いないと・・・女性が見つからないと正当防衛も難しくなると・・・気が動転して指紋を拭き取ってしまったとも言っていました」
「椿原とは長い付き合いです。否定していたにもかかわらず何故自ら認めたのか・・・靴跡でわかってしまうことを考えたんでしょうが・・・被害に遭った女性一応探してみます。椿原についててやって下さい」
海藤は帰っていく。
あいつはどんな状況になろうと気が動転するはずがない。
車にも乗っていない。
架空の被害者を作り上げている。
守る必要のない女性を・・・。
かおるは病室に入り俊介の手を握る。
「かおるさん・・・」
「俊介さん・・・大丈夫?」
「靴・・・海藤からのプレゼント・・・世界に一つしかない・・・」
「だから・・・一応女性を探してみるそうです」
「一応・・・」
「明日から仕事です。帰りには必ず来ますから」
「無理はしないように」
「会社からこの病院近いんです」
「夜道は危ない」
「泊ってもいいように準備してきます・・・一緒にいたいから」
「君を抱くことも出来ない・・・」
「一緒にいられるだけでいい・・・」
「かおるさん・・・」
捜査課
「椿原はパトロールをしていたんだと思う。そこで犯行を目撃した。女性を助け山城順平と揉めた。山城順平がナイフを出し、それが誤って山城順平の胸に刺さった。
気づくと女性の姿が消えていた」
「だから、その女性が小東かおるなんですよ!!」
「それはわからない。姿を消した女性が本当に存在するのかも知れない。だが、名乗り出ることはないだろう。このような事件の場合被害者は隠したいものだ」
「じゃあどうするんですか!!」
「俺は正当防衛で処理を進めていくつもりだ」
「供述を鵜呑みにすると?恋人の小東かおるが被害にあったから復讐したのかも知れません」
「それはない。ただ、確実に言えることは山城順平を刺殺したことは間違いない」
月曜日の夕方に精密検査の結果が出た。
かおると海藤が医師から話を聞く。
「結果から申し上げます。精神的ダメージが体の筋肉を硬直させてしまっているようです。原因はある行為が患者の意思と反してしまった。それに追ううちをかけることが起こった。ある行為は患者には許せない行為自分を追い詰め」
「その行為が正しかったと本人が認識すれば良くなると?」
「そうですね・・・前にも予兆があったと思います。それは本人にも分らなかったと思われます」
「海藤さん、俊介さんを楽にさせてあげてください。正当防衛なんです!!」
かおるは海藤に訴える。
「椿原は真面目で正義感が強い真っ直ぐな男です。人を殺したという行為があいつの心には重すぎた。最初の心の傷は刑事を辞めることになった事件・・・そして今回。椿原が助けた女性が誰なのか・・・わからないままでいいと思っています」
「海藤さん・・・」
「椿原に特効薬飲ませてやりたい・・・椿原とあなたがどれくらいの付き合いなのかは知らないが長さは関係ない・・・あいつのこと宜しく頼みます」
かおるは俊介の病室に向かう。
「かおるさん・・・おかえり」
「俊介さんは私に忘れなさいと言った。俊介さんも忘れて・・・」
右手を強く握りながら言う。
「どんなに悪い者でも死んでいい者はいない・・・いない・・・」
「でも私はあの男の死で助けられた・・・」
「助けられた・・・」
「私だけじゃあないはずです・・・たくさんの女性がいるはずです。でも、一人の人間の命を奪ってしまったことは・・・一緒に償っていきたい・・・俊介さん!!」
「・・・」
「海藤さんは正当防衛で処理をされるつもりの様です。何処までが真実で何処が嘘なのか・・・何もかもわかっていると私には見えました」
「正当防衛・・・」
俊介の手がかおるの手を握り返した。
「俊介さん!手・・・私はあなたを守る嘘ならどんな嘘でも付きます。離れたくない!」
「ありがとう・・・私もだ」
少しずつ俊介の身体は動かせるぐらいに回復を見せ始めた。
0
2010/6/2
第9話 突然ふたり・・・
「俊介さん、大丈夫ですか?」
「手を貸してくれないか?立つのも一苦労だ・・・体に力が入らない。海藤は私の嘘を見抜いている。当日履いていた靴の提出を求められる・・・数の多いものだろうか?」
「スーパーの安売りで衝動的に購入したものですから数は多いはずです」
「それは良かった。私のは・・・架空の女性を作らないといけないかもしれない」
「えっ?」
「かおるさんを送った後車を置きに帰りそのあと現場で女性が襲われているのに遭遇した。それでもみ合いになり・・・女性は去っていた・・・ことに」
「でも、俊介さんが罪に・・・」
「正当防衛・・・海藤はわかってくれるはずだ。絶対に君は守りとおす」
「俊介さん・・・ありがとうございます。ベットで少し横になって・・・」
「君も一緒に」
「ええ・・・」
海藤ら捜査課に戻る。
「海藤さん!僕が報告します」
「俺から話す。余計な口は挟むな!」
「椿原さんのことをちゃんと報告して下さい」
「小東かおるが襲われたかどうかはまだ憶測でしかない。目撃者もいない・・・ただ、凶器の血痕は調べる必要はある。それから、現場の靴跡・・・靴の提出を小東かおると椿原に申し出る」
ベットの中で抱き合う俊介とかおる。
「俊介さん、海藤警部が言っていた言葉って?」
「『どんなに悪い奴でも生かして罪を償わせなければならない。拳銃は相手を撃ち殺す道具じゃあない。ナイフも同じだ・・・しっかりと頭にいれとけ』と若い者に言い聞かせていた」
「そんな考えのあなたが・・・やっぱり私の・・・」
「勇気を持ち警察に被害届を出し捜査にも協力した女性を私は守ってあげることが出来なかった。恋人は去り親族からも冷たい目で見られ職場にも居づらくなり精神的に追い詰められ自ら命を絶った・・・守ると約束をしたのにもかかわらず。警察は容疑者を逮捕できれば後は何もしない・・・女性は私に対して最初『嫌』だという態度をしたんだ。だが、私が説得をした・・・私が殺したのと同じ・・・そんな思いを君にはさせない・・・」
「あの写真の女性・・・」
「海藤に何度も辞めることを思いとどまるよう説得されたが・・・刑事という仕事に誇りが持てなくなった・・・たった一人の命をも守れない・・・。今はかおるさんを絶対に守るから」
「私・・・嘘をつきとおします。私も俊介さんを守りたい」
翌日
海藤らが再び訪れる。
「かおるさん、肩を貸してくれ・・・私が出る」
「はい」
俊介はかおるの肩を借り玄関まで行く。
「靴の提出をお願いしたい」
「海藤、山城順平を刺したのは私だ。だが、彼女は事件には関係がない。署に行き話をする」
「椿原!!・・・」
「どうした?連行してくれ。ただし、肩を貸してくれないと歩けない。どうしてだか体が動かない」
「小東かおるさんもお願いします」
「彼女は関係ない!」
「俊介さん、私行きます」
「かおるさん・・・」
「助けた女性の方何処に行ってしまったんでしょうね・・・」
「肩を貸してくれ、海藤」
海藤は俊介に肩を貸し一緒に歩く。
「どうしたんだ?急に・・・」
「自分にも分らない」
**警察署・取調室
「座れるか?」
「机に腕を置かせてくれ・・・」
「クッションを置くといい」
机にクッションを置き椿原は両腕を置く。
「悪いな・・・。かおるさんを車で家に送り車を自宅に戻した。その足でかおるさんの家に戻る途中あの現場で女性が襲われているのに遭遇した。女性を助け、男ともみ合いになった。男がナイフを出し・・・気づいたら男の胸にナイフが・・・。女性の姿は消えていた」
「どうして話す気になった?」
「靴跡・・・。あの靴はお前が俺のために態々手作りの靴を注文して・・・だから・・・」
「そうか・・・」
俊介の様子がおかしくなる。
椅子から落ちる。
「椿原!!救急車!」
俊介の体は震えている。
息も出来ない状態になる。
「医務室の先生呼んで来い!早く!!」
0
「手を貸してくれないか?立つのも一苦労だ・・・体に力が入らない。海藤は私の嘘を見抜いている。当日履いていた靴の提出を求められる・・・数の多いものだろうか?」
「スーパーの安売りで衝動的に購入したものですから数は多いはずです」
「それは良かった。私のは・・・架空の女性を作らないといけないかもしれない」
「えっ?」
「かおるさんを送った後車を置きに帰りそのあと現場で女性が襲われているのに遭遇した。それでもみ合いになり・・・女性は去っていた・・・ことに」
「でも、俊介さんが罪に・・・」
「正当防衛・・・海藤はわかってくれるはずだ。絶対に君は守りとおす」
「俊介さん・・・ありがとうございます。ベットで少し横になって・・・」
「君も一緒に」
「ええ・・・」
海藤ら捜査課に戻る。
「海藤さん!僕が報告します」
「俺から話す。余計な口は挟むな!」
「椿原さんのことをちゃんと報告して下さい」
「小東かおるが襲われたかどうかはまだ憶測でしかない。目撃者もいない・・・ただ、凶器の血痕は調べる必要はある。それから、現場の靴跡・・・靴の提出を小東かおると椿原に申し出る」
ベットの中で抱き合う俊介とかおる。
「俊介さん、海藤警部が言っていた言葉って?」
「『どんなに悪い奴でも生かして罪を償わせなければならない。拳銃は相手を撃ち殺す道具じゃあない。ナイフも同じだ・・・しっかりと頭にいれとけ』と若い者に言い聞かせていた」
「そんな考えのあなたが・・・やっぱり私の・・・」
「勇気を持ち警察に被害届を出し捜査にも協力した女性を私は守ってあげることが出来なかった。恋人は去り親族からも冷たい目で見られ職場にも居づらくなり精神的に追い詰められ自ら命を絶った・・・守ると約束をしたのにもかかわらず。警察は容疑者を逮捕できれば後は何もしない・・・女性は私に対して最初『嫌』だという態度をしたんだ。だが、私が説得をした・・・私が殺したのと同じ・・・そんな思いを君にはさせない・・・」
「あの写真の女性・・・」
「海藤に何度も辞めることを思いとどまるよう説得されたが・・・刑事という仕事に誇りが持てなくなった・・・たった一人の命をも守れない・・・。今はかおるさんを絶対に守るから」
「私・・・嘘をつきとおします。私も俊介さんを守りたい」
翌日
海藤らが再び訪れる。
「かおるさん、肩を貸してくれ・・・私が出る」
「はい」
俊介はかおるの肩を借り玄関まで行く。
「靴の提出をお願いしたい」
「海藤、山城順平を刺したのは私だ。だが、彼女は事件には関係がない。署に行き話をする」
「椿原!!・・・」
「どうした?連行してくれ。ただし、肩を貸してくれないと歩けない。どうしてだか体が動かない」
「小東かおるさんもお願いします」
「彼女は関係ない!」
「俊介さん、私行きます」
「かおるさん・・・」
「助けた女性の方何処に行ってしまったんでしょうね・・・」
「肩を貸してくれ、海藤」
海藤は俊介に肩を貸し一緒に歩く。
「どうしたんだ?急に・・・」
「自分にも分らない」
**警察署・取調室
「座れるか?」
「机に腕を置かせてくれ・・・」
「クッションを置くといい」
机にクッションを置き椿原は両腕を置く。
「悪いな・・・。かおるさんを車で家に送り車を自宅に戻した。その足でかおるさんの家に戻る途中あの現場で女性が襲われているのに遭遇した。女性を助け、男ともみ合いになった。男がナイフを出し・・・気づいたら男の胸にナイフが・・・。女性の姿は消えていた」
「どうして話す気になった?」
「靴跡・・・。あの靴はお前が俺のために態々手作りの靴を注文して・・・だから・・・」
「そうか・・・」
俊介の様子がおかしくなる。
椅子から落ちる。
「椿原!!救急車!」
俊介の体は震えている。
息も出来ない状態になる。
「医務室の先生呼んで来い!早く!!」
0
2010/5/31
第8話 突然ふたり・・・
かおるが食器を洗い、俊介と家を出る。
手を借り歩く俊介。
海藤は俊介の異変に気づく。
「おかしい・・・一人では歩けないのか!!椿原・・・」
「どうしたんだろう?自分の身体が思い通りに動かない」
「私がいるから大丈夫です。ゆっくり歩きましょう」
「ありがとう」
「俊介さん・・・もしかして昨日パトロールをしていたんじゃあ?元刑事さんならパトロールしてもおかしくないです」
「いや・・・そう・・・」
「俊介さんが助けてくれなかったら今ここに私はいません・・・被害者として警察には…」
「勇気を持っても警察は何も出来ない・・・かおるさんが無事でよかった」
「あの、病院に行かなくても大丈夫ですか?」
「心配ない。今は警察の目を君から離すことが一番だから」
「何を話してんですかね?」
「椿原・・・何が起こっている?・・・(心の声)恋人同士ならいろんな話あるんじゃあないのか?」
「やっぱり年齢差ありすぎですよ」
海藤の携帯が鳴る。
「海藤。ボタンからブラウスを販売したお店がわかった?で購入者は?わかったら直ぐに連絡を頼む」
「彼女にブラウスですか?」
「まだわからない」
「山城順平に彼女が襲われたんですよ」
「認めないだろう・・・椿原は絶対に認めない」
パールマンション
エレベーターにゆっくり乗り込む。
部屋番号204号室『小東』に入る。
「ソファーでゆっくり座っていてください。ブラウスにボタンをつけて洗ってきます」
俊介をソファーに座らしかおるは別室に向かう。
俊介は目を閉じる。
眠いはずがやはり眠ることが出来ない。
暫くしてかおるはブラウスを桶に入れ戻ってくる。
「ベランダに干してきます」
ブラウスが風に揺れる。
海藤の携帯が鳴る。
「小東かおるの母親が購入・・・それで・・・わかった」
「彼女の?」
「行く」
海藤は部屋番号204号室『小東』のインターホンを押す。
「来たみたいだ・・・。(体を起こそうとする)中に入ってもらってもいいかな?」
「はい。座っててください」
かおるはドアを開ける。
「**警察署の海藤警部です。お話を・・・」
「中にどうぞ」
ソファーには俊介が座っている。
その右横にかおる座る。
海藤はベランダに干されてあるブラウスに気づく。
「・・・。(目を見開く)あのブラウスのことでお話を」
「ボタンが現場から見つかったんだろう?あの場所はかおるが通勤途中に通る道だ。ブラウスのボタンが取れていることに気がついたそうだが何処で落としたかわからず予備のを付けた」
「自然な形ではなく付いていたのを無理矢理に取られたような形で見つかっている」
「昨日山城順平に襲われた際に」
若い刑事が口にする。
「朝に説明したとおりだ。だから昨日の帰りはあそこを彼女は通っていない!」
「小東かおるさん、椿原の言うとおり間違いないですか?」
「はい、間違いありません」
「凶器に指紋は付いていなかった。被害者本人の持ちモノにもかかわらず・・・ただ、柄の部分に被害者以外の血痕が検出された。椿原、お前の血液型と同じだ」
「私が犯人だと?面白い推理だが・・・これでも元刑事。人殺しはしない」
「山城順平が死んだことで隠れた被害者もいるはずだし安堵しているだろうが・・・この結果には刑事のお前なら納得出来ていないはずだ・・・お前の口癖が頭から離れない」
俊介の右手が震えそうになる。
かおるが握りかえる。
「・・・。行くぞ・・・椿原、体大事にしろよ・・・」
「海藤さん!」若い刑事は慌てて後を追う。
「小東さん、署で話をうかがうかもしれません。その時は宜しくお願いします」
海藤は帰っていく。
0
手を借り歩く俊介。
海藤は俊介の異変に気づく。
「おかしい・・・一人では歩けないのか!!椿原・・・」
「どうしたんだろう?自分の身体が思い通りに動かない」
「私がいるから大丈夫です。ゆっくり歩きましょう」
「ありがとう」
「俊介さん・・・もしかして昨日パトロールをしていたんじゃあ?元刑事さんならパトロールしてもおかしくないです」
「いや・・・そう・・・」
「俊介さんが助けてくれなかったら今ここに私はいません・・・被害者として警察には…」
「勇気を持っても警察は何も出来ない・・・かおるさんが無事でよかった」
「あの、病院に行かなくても大丈夫ですか?」
「心配ない。今は警察の目を君から離すことが一番だから」
「何を話してんですかね?」
「椿原・・・何が起こっている?・・・(心の声)恋人同士ならいろんな話あるんじゃあないのか?」
「やっぱり年齢差ありすぎですよ」
海藤の携帯が鳴る。
「海藤。ボタンからブラウスを販売したお店がわかった?で購入者は?わかったら直ぐに連絡を頼む」
「彼女にブラウスですか?」
「まだわからない」
「山城順平に彼女が襲われたんですよ」
「認めないだろう・・・椿原は絶対に認めない」
パールマンション
エレベーターにゆっくり乗り込む。
部屋番号204号室『小東』に入る。
「ソファーでゆっくり座っていてください。ブラウスにボタンをつけて洗ってきます」
俊介をソファーに座らしかおるは別室に向かう。
俊介は目を閉じる。
眠いはずがやはり眠ることが出来ない。
暫くしてかおるはブラウスを桶に入れ戻ってくる。
「ベランダに干してきます」
ブラウスが風に揺れる。
海藤の携帯が鳴る。
「小東かおるの母親が購入・・・それで・・・わかった」
「彼女の?」
「行く」
海藤は部屋番号204号室『小東』のインターホンを押す。
「来たみたいだ・・・。(体を起こそうとする)中に入ってもらってもいいかな?」
「はい。座っててください」
かおるはドアを開ける。
「**警察署の海藤警部です。お話を・・・」
「中にどうぞ」
ソファーには俊介が座っている。
その右横にかおる座る。
海藤はベランダに干されてあるブラウスに気づく。
「・・・。(目を見開く)あのブラウスのことでお話を」
「ボタンが現場から見つかったんだろう?あの場所はかおるが通勤途中に通る道だ。ブラウスのボタンが取れていることに気がついたそうだが何処で落としたかわからず予備のを付けた」
「自然な形ではなく付いていたのを無理矢理に取られたような形で見つかっている」
「昨日山城順平に襲われた際に」
若い刑事が口にする。
「朝に説明したとおりだ。だから昨日の帰りはあそこを彼女は通っていない!」
「小東かおるさん、椿原の言うとおり間違いないですか?」
「はい、間違いありません」
「凶器に指紋は付いていなかった。被害者本人の持ちモノにもかかわらず・・・ただ、柄の部分に被害者以外の血痕が検出された。椿原、お前の血液型と同じだ」
「私が犯人だと?面白い推理だが・・・これでも元刑事。人殺しはしない」
「山城順平が死んだことで隠れた被害者もいるはずだし安堵しているだろうが・・・この結果には刑事のお前なら納得出来ていないはずだ・・・お前の口癖が頭から離れない」
俊介の右手が震えそうになる。
かおるが握りかえる。
「・・・。行くぞ・・・椿原、体大事にしろよ・・・」
「海藤さん!」若い刑事は慌てて後を追う。
「小東さん、署で話をうかがうかもしれません。その時は宜しくお願いします」
海藤は帰っていく。
0
2010/5/31
第7話 突然ふたり・・・
張り込み中の海藤は椿原のある口癖を思い出していた。
「どんなに悪い奴でも生かして罪を償わせなければならない。拳銃は相手を撃ち殺す道具じゃあない。ナイフも同じだ・・・しっかりと頭にいれとけ」若い刑事によく言っていた言葉。
携帯が鳴る。
「海藤。はい・・・血痕が?で、血液型は・・・わかった」
携帯を切る。
「海藤さん、血痕がどうかしたんですか?」
「被害者とは別の血痕が凶器のナイフから検出された」
「椿原さんの血液とは?」
「同じだ・・・」
「シャワー浴びてくるといい」
「一緒に寝て」
「・・・わかった」
俊介の胸の中でかおるは眠る。
俊介は目を閉じるが眠れない。
2時間後、かおるは目覚める。
目を開いたままの俊介がいる。
「おはようございます・・・」
「おはよう、よく眠れたようだね。シャワー浴びてくるといいよ」
「あのお・・・」
「私も寝た・・・もうお昼か。何か食べるもの見てくるよ」
ベットから降りるとガウンをまとい階段を下りていく。
「一睡もしていないわ・・・私の所為?」
直ぐにあとを追う。
「椿原・・・俊介さん!!お酒でも飲んで無理にでも寝てください・・・」
「かおるさん・・・眠ることが出来ないのは事実だけど君の所為じゃない。パンと野菜があるからサラダでも作るよ」
包丁を出す。
胡瓜を切ろうとした包丁を持った手が震え包丁が床に落ちる。
慌てて落ちた包丁を拾う。
「俊介さん・・・私が作ります。ソファーに座っててください」
「ごめん・・・お願いするよ」
「海藤さん、確認すべきです!」
「椿原が・・・あいつが人を殺すわけないんだ!!」
「でも、嘘はついている・・・何かを隠したいからついている。公私混同してませんか?」
「椿原がどんな刑事だったか何も知らないお前に・・・分かるはずがない」
「正当防衛だ・・・仕方なかった・・・」
俊介は右手を見ながら何度も自分に言い聞かせる。
「出来ました。パンはバターを塗るだけで?」
「はい、ありがとう・・・」
テーブルに向かう。
身体の動きもおかしい。
慌ててかおるがやってくる。
「大丈夫ですか?」
「どうしたのかな・・・美味しそうなサラダだ。食べたら君の家に戻ろう」
「でも・・・」
「必ずボタンから君に捜査の目が行く。あの日君があのブラウスを着ていたことは会社で聞けばわかることだし警察で取り調べをされるだろう・・・でも、そうはさせない。予備のボタンあると思うからそれを付けるといい。消去すると余計に疑われる。前に言ったことは忘れて違う方針でいこう」
「ちぎられたボタン・・・」
「知らないうちに取れていたと言い続けるしかない。帰って洗濯して堂々と干す・・・驚いた顔が楽しみだ」
「誰の?」
「元同僚の刑事でお互い知りすぎて・・・きっと彼は今回の事件の経過を想像し考えている・・・それがたぶん当たっているはず・・・だから余計に彼の頭は混乱している」
「当たっているのならなぜ警察に動きがないんですか?」
「私の性格だとあり得ない展開になっている・・・あり得ない・・・」
右手が激しく震える。
「俊介さん!!」
「大丈夫です・・・食べましょう。直ぐに治まります。冷蔵庫に私が作ったドレッシングが・・・中々いい味に仕上がったのが。出してきてもらえますか?」
かおるは冷蔵庫を開ける。
直ぐにドレッシングを見つける。
「これね・・・」
俊介のサラダにかけて、自分のサラダにもかける。
「どう?」
「(口に入れる)美味しいです。今度教えてください」
「ああ、勿論」
0
「どんなに悪い奴でも生かして罪を償わせなければならない。拳銃は相手を撃ち殺す道具じゃあない。ナイフも同じだ・・・しっかりと頭にいれとけ」若い刑事によく言っていた言葉。
携帯が鳴る。
「海藤。はい・・・血痕が?で、血液型は・・・わかった」
携帯を切る。
「海藤さん、血痕がどうかしたんですか?」
「被害者とは別の血痕が凶器のナイフから検出された」
「椿原さんの血液とは?」
「同じだ・・・」
「シャワー浴びてくるといい」
「一緒に寝て」
「・・・わかった」
俊介の胸の中でかおるは眠る。
俊介は目を閉じるが眠れない。
2時間後、かおるは目覚める。
目を開いたままの俊介がいる。
「おはようございます・・・」
「おはよう、よく眠れたようだね。シャワー浴びてくるといいよ」
「あのお・・・」
「私も寝た・・・もうお昼か。何か食べるもの見てくるよ」
ベットから降りるとガウンをまとい階段を下りていく。
「一睡もしていないわ・・・私の所為?」
直ぐにあとを追う。
「椿原・・・俊介さん!!お酒でも飲んで無理にでも寝てください・・・」
「かおるさん・・・眠ることが出来ないのは事実だけど君の所為じゃない。パンと野菜があるからサラダでも作るよ」
包丁を出す。
胡瓜を切ろうとした包丁を持った手が震え包丁が床に落ちる。
慌てて落ちた包丁を拾う。
「俊介さん・・・私が作ります。ソファーに座っててください」
「ごめん・・・お願いするよ」
「海藤さん、確認すべきです!」
「椿原が・・・あいつが人を殺すわけないんだ!!」
「でも、嘘はついている・・・何かを隠したいからついている。公私混同してませんか?」
「椿原がどんな刑事だったか何も知らないお前に・・・分かるはずがない」
「正当防衛だ・・・仕方なかった・・・」
俊介は右手を見ながら何度も自分に言い聞かせる。
「出来ました。パンはバターを塗るだけで?」
「はい、ありがとう・・・」
テーブルに向かう。
身体の動きもおかしい。
慌ててかおるがやってくる。
「大丈夫ですか?」
「どうしたのかな・・・美味しそうなサラダだ。食べたら君の家に戻ろう」
「でも・・・」
「必ずボタンから君に捜査の目が行く。あの日君があのブラウスを着ていたことは会社で聞けばわかることだし警察で取り調べをされるだろう・・・でも、そうはさせない。予備のボタンあると思うからそれを付けるといい。消去すると余計に疑われる。前に言ったことは忘れて違う方針でいこう」
「ちぎられたボタン・・・」
「知らないうちに取れていたと言い続けるしかない。帰って洗濯して堂々と干す・・・驚いた顔が楽しみだ」
「誰の?」
「元同僚の刑事でお互い知りすぎて・・・きっと彼は今回の事件の経過を想像し考えている・・・それがたぶん当たっているはず・・・だから余計に彼の頭は混乱している」
「当たっているのならなぜ警察に動きがないんですか?」
「私の性格だとあり得ない展開になっている・・・あり得ない・・・」
右手が激しく震える。
「俊介さん!!」
「大丈夫です・・・食べましょう。直ぐに治まります。冷蔵庫に私が作ったドレッシングが・・・中々いい味に仕上がったのが。出してきてもらえますか?」
かおるは冷蔵庫を開ける。
直ぐにドレッシングを見つける。
「これね・・・」
俊介のサラダにかけて、自分のサラダにもかける。
「どう?」
「(口に入れる)美味しいです。今度教えてください」
「ああ、勿論」
0
2010/5/31
第6話 突然ふたり・・・
俊介はテレビをつける
「昨日の事件の続報です。捜査本部は死亡していた山城順平容疑者を金曜日の強姦魔と断定し襲われたであろう被害者の行方を・・・」
テレビのリモコンを持っていた右手が震えリモコンが手から床に落ちる。
「私は大丈夫です。あなたがいるから」かおるは俊介の右手を両手で包みこむ
かおるの手のぬくもりを感じる。
「ボタンのこと聞いてもいいかな?」
「あのブラウスは母が就職祝いに買ってくれたんです。ボタンが変わっていて・・・捨ててしまってほうがいいですね」
「いや・・・ボタン私が持っていてはダメかな?捨てることはない」
「はい。お願いします」
「着替えてくる」
俊介は二階へ上がっていく。
かおるも後から上っていく。
上を脱ぎ上半身裸の俊介がベットに腰掛ける。
右手を見つめている。
親指と人差し指の間に少し傷があることに気づく。
出血した後固まっている。
「血痕・・・」
背中からかおるは俊介に抱きつく。
「か・かおるさん!!」
「あなたに抱かれたら忘れられる気がする・・・だから・・・」
「ブラウスに手を掛けられても?」
「・・・。自分で全てを脱ぎます・・・」
「普段の時にでも何気に手を掛けられるかも知れない・・・恐怖心はそう簡単には消せないものです。でも、少しでも気持ちを癒せるのなら私は君をかおるさんを抱く」
「椿原さんの心を私は癒したい・・・」
「かおるさん・・・」
かおるは自分の洋服を脱ぎ始める。
俊介とかおるは抱き合いベットに倒れこむ。
0
「昨日の事件の続報です。捜査本部は死亡していた山城順平容疑者を金曜日の強姦魔と断定し襲われたであろう被害者の行方を・・・」
テレビのリモコンを持っていた右手が震えリモコンが手から床に落ちる。
「私は大丈夫です。あなたがいるから」かおるは俊介の右手を両手で包みこむ
かおるの手のぬくもりを感じる。
「ボタンのこと聞いてもいいかな?」
「あのブラウスは母が就職祝いに買ってくれたんです。ボタンが変わっていて・・・捨ててしまってほうがいいですね」
「いや・・・ボタン私が持っていてはダメかな?捨てることはない」
「はい。お願いします」
「着替えてくる」
俊介は二階へ上がっていく。
かおるも後から上っていく。
上を脱ぎ上半身裸の俊介がベットに腰掛ける。
右手を見つめている。
親指と人差し指の間に少し傷があることに気づく。
出血した後固まっている。
「血痕・・・」
背中からかおるは俊介に抱きつく。
「か・かおるさん!!」
「あなたに抱かれたら忘れられる気がする・・・だから・・・」
「ブラウスに手を掛けられても?」
「・・・。自分で全てを脱ぎます・・・」
「普段の時にでも何気に手を掛けられるかも知れない・・・恐怖心はそう簡単には消せないものです。でも、少しでも気持ちを癒せるのなら私は君をかおるさんを抱く」
「椿原さんの心を私は癒したい・・・」
「かおるさん・・・」
かおるは自分の洋服を脱ぎ始める。
俊介とかおるは抱き合いベットに倒れこむ。
0
2010/5/18
第5話 突然ふたり・・・
「先に帰っていてくれ、寄るところがある」
「海藤さん?」
「ヤブ用だ」
「わかりました」
海藤はその足で俊介の家に向かう。
車庫の停められている車を見る。
「最近動かした形跡がない・・・どうして嘘を・・・現場に居合わせた・・・あの靴跡サイズは同じ、助けた?もみ合いになり・・・刺したのなら正当防衛が成立する・・・」
三年前・・・。
赤く染まった浴槽。
息絶えている女性。
俊介は女性を抱きかかえ「どうして・・・」
その姿を見つめる海藤。
「彼女のお陰で連続強姦魔は逮捕できた。だが、そのあとの周囲や親族、恋人との関係がうまくいかなくなった。椿原が必死に恋人の彼を説得したが結局別れた。彼女の勇気は被害者の女性たちには感謝されたが・・・」
「守ると約束した・・・許して下さい・・・許して」
俊介は女性の遺体を抱きしめ泣き崩れた。
「椿原、お前一人の責任じゃあない・・・警察の・・・」
「たった一人の女性さえも守れない刑事なんて・・・意味はない・・・」
すべて、葬儀が済み俊介は退職願を提出した。
海藤は考え直すよう何度も説得したが聞き入れることはなかった。
かおるの手を握りながら俊介は「同じ思いはさせない」とつぶやく。
警察は被害者山城順平が金曜日の強姦魔と確定し新たに女性を襲い抵抗され反対に刺殺されたと推定した。
現場に残されたボタンの手がかりに女性を探す。
また、山城順平以外の二つの足跡一つは襲われた女性。
もう一つの男性と思われる足跡についても捜査を続ける。
捜査会議では海藤は椿原のことは言わなかった。
元刑事が事件に絡んでいると話が大きくなる。
ボタンの持ち主が彼女であることが判明した時点で報告するつもりだ。
若い刑事は納得がいかない。
昼近くになり
かおるは目が覚める。
「ちょっと家に帰ってくるよ」
「えっ?」
「着たきりすずめじゃあ・・・着替えを」
「私も一緒に行きます。もう大丈夫です。一人じゃあ心細い」
「(額に手を当てる)下がったようだ。じゃあ一緒に行こうか」
「あのお・・・寝ました?」
「徹夜は慣れているから・・・」
真面目な性格故に人を殺してしまった罪悪感に心が押しつぶされそうになっていることを俊介自身気づいていなかった・・・。
二人揃い部屋を出る。
「腕を組んでもいいですか?初めてなんです」かおるは恥ずかしそうに言う。
「いいとも」俊介は腕を出す。
腕を組みエレベーターに乗り込み降りてくる。
張り込みをしている海藤と若い刑事。
「海藤さん、本当に恋人同士なんですね」
「ああ・・・。寝てないな・・・」
「誰がですか?」
「・・・椿原だ」
椿原の家に着く。
「庭付き一戸建て・・・ご家族・・・」
「一人もんですよ。変な気を遣わなくても済みます。どうぞ」
「失礼します」
かおるは部屋に入っていく。
綺麗に似片付けられている部屋。
本棚に置かれた笑顔の女性の写真。
「彼女・・・」
「3年前に自殺した・・・。担当事件の被害者・・・私の最後に事件になった」
「最後の事件って?」
「・・・。珈琲でも入れよう」
「椿原さん・・・寝てください。ご自分の布団で・・・」
「かおるさん・・・」
かおるを抱きしめる。
かおるの方から俊介の唇にキスをする。
俊介はかおるのブラウスのボタンに手を掛けるが止める。
「珈琲を入れる」
俊介は珈琲を入れに向かう。
かおるはブラウスのボタンの手を掛ける。
女性の写真に目を向ける。
「砂糖・ミルク入れるかな?」
「はい」
テーブルに置かれた二つのマグカップ。
ブラックコーヒーとミルク色のコーヒー。
0
「海藤さん?」
「ヤブ用だ」
「わかりました」
海藤はその足で俊介の家に向かう。
車庫の停められている車を見る。
「最近動かした形跡がない・・・どうして嘘を・・・現場に居合わせた・・・あの靴跡サイズは同じ、助けた?もみ合いになり・・・刺したのなら正当防衛が成立する・・・」
三年前・・・。
赤く染まった浴槽。
息絶えている女性。
俊介は女性を抱きかかえ「どうして・・・」
その姿を見つめる海藤。
「彼女のお陰で連続強姦魔は逮捕できた。だが、そのあとの周囲や親族、恋人との関係がうまくいかなくなった。椿原が必死に恋人の彼を説得したが結局別れた。彼女の勇気は被害者の女性たちには感謝されたが・・・」
「守ると約束した・・・許して下さい・・・許して」
俊介は女性の遺体を抱きしめ泣き崩れた。
「椿原、お前一人の責任じゃあない・・・警察の・・・」
「たった一人の女性さえも守れない刑事なんて・・・意味はない・・・」
すべて、葬儀が済み俊介は退職願を提出した。
海藤は考え直すよう何度も説得したが聞き入れることはなかった。
かおるの手を握りながら俊介は「同じ思いはさせない」とつぶやく。
警察は被害者山城順平が金曜日の強姦魔と確定し新たに女性を襲い抵抗され反対に刺殺されたと推定した。
現場に残されたボタンの手がかりに女性を探す。
また、山城順平以外の二つの足跡一つは襲われた女性。
もう一つの男性と思われる足跡についても捜査を続ける。
捜査会議では海藤は椿原のことは言わなかった。
元刑事が事件に絡んでいると話が大きくなる。
ボタンの持ち主が彼女であることが判明した時点で報告するつもりだ。
若い刑事は納得がいかない。
昼近くになり
かおるは目が覚める。
「ちょっと家に帰ってくるよ」
「えっ?」
「着たきりすずめじゃあ・・・着替えを」
「私も一緒に行きます。もう大丈夫です。一人じゃあ心細い」
「(額に手を当てる)下がったようだ。じゃあ一緒に行こうか」
「あのお・・・寝ました?」
「徹夜は慣れているから・・・」
真面目な性格故に人を殺してしまった罪悪感に心が押しつぶされそうになっていることを俊介自身気づいていなかった・・・。
二人揃い部屋を出る。
「腕を組んでもいいですか?初めてなんです」かおるは恥ずかしそうに言う。
「いいとも」俊介は腕を出す。
腕を組みエレベーターに乗り込み降りてくる。
張り込みをしている海藤と若い刑事。
「海藤さん、本当に恋人同士なんですね」
「ああ・・・。寝てないな・・・」
「誰がですか?」
「・・・椿原だ」
椿原の家に着く。
「庭付き一戸建て・・・ご家族・・・」
「一人もんですよ。変な気を遣わなくても済みます。どうぞ」
「失礼します」
かおるは部屋に入っていく。
綺麗に似片付けられている部屋。
本棚に置かれた笑顔の女性の写真。
「彼女・・・」
「3年前に自殺した・・・。担当事件の被害者・・・私の最後に事件になった」
「最後の事件って?」
「・・・。珈琲でも入れよう」
「椿原さん・・・寝てください。ご自分の布団で・・・」
「かおるさん・・・」
かおるを抱きしめる。
かおるの方から俊介の唇にキスをする。
俊介はかおるのブラウスのボタンに手を掛けるが止める。
「珈琲を入れる」
俊介は珈琲を入れに向かう。
かおるはブラウスのボタンの手を掛ける。
女性の写真に目を向ける。
「砂糖・ミルク入れるかな?」
「はい」
テーブルに置かれた二つのマグカップ。
ブラックコーヒーとミルク色のコーヒー。
0