2009/2/14

介護の行方  動物病院のお仕事

ラブラドールのローズちゃんは、飼い主さんがアジリティに燃えていて、彼女のために車を替え、大型のバリケンを特注し、なんと関西まで出かけたりもなさるのだ。

愛情の掛け方だってハンパない。申し分のないしつけをし、誰もが賞賛する理想的なご家族だ。

ところがそのローズちゃんもいよいよお年を召してきて、この冬 寒さが厳しくなってから体調を崩すようになった。検査の結果、肝臓のがんと、院長の予想通りクッシング症候群が確定してしまった。

クッシング症候群は副腎から出るホルモンが過剰に分泌されることで、カラダのいろんな機能がバランスを保てなくなる病気なのだけれど、、、

じつは、足りない というより、多い というほうが厄介なのですよ

足りない場合は不足分を足してあげれば良いわけですが、多いとなるとそれを減らすのは、なかなか方法も限られる。

昔は、ホルモンが出ている所を壊して、いっそ出なくしてしまえー みたいなキワドい方法が主流だったのだけれど、現在は薬も開発されて、 出る→機能する というプロセスに薬の効果を反映させる方法が多く取られるようになってきました 安全でしょ?

でもこの方法、もんのすごい難点がある。

薬が、高い。本当に、高いんだ〜〜〜

小型犬ならともかく、ローズちゃんは大型犬。1日の薬代が、仕入価格でも2000円くらいかかってしまう!
1ヵ月6万円超えの薬代って・・・
しかも、完治する訳じゃない・・・

ご家族と院長が、長い時間をかけて、病との闘い方を、そして、共存の仕方を、話し合っていた。

今月に入って、ローズちゃんは起立できなくなりすっかり痩せてしまった。いつ褥創ができてもおかしくないのに、飼い主さんの愛情がそれをすれすれの所で阻んでいる。

飼い主さんに「少し、力を抜いた方がいいよ」と、人の介護のお仕事をしているご家族がアドバイス。今日は一日病院で点滴し、夜にお返しすることになりました。

アメリカでは、犬の死因トップが「安楽死」だそうです。理由のトップは、問題行動。いろんな違いがあるからね、文化とか死生観とか・・・

ローズちゃんは黄疸も強くなり、四肢にはすっかり浮腫がすすみ、むくみを取るためのマッサージをしながら、いろいろなことに思いを馳せておりました・・・


飼い主さんが迎えにみえて、点滴道具などお渡ししながらしばしお話ししておりましたが、一時より気持ちが落ち着いて来たご様子。

とりあえず、強い痛みも苦痛もないローズちゃんには、ご家族のこの介護が一番向いているのだろう。「今までで、いちばんローズと話し合っているの」明るくおっしゃる飼い主さん。一瞬一瞬を大切にして欲しい。
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2009/2/24  1:01

投稿者:しっぽ

先日、飼い主さんから連絡がありました。眠るような最期だったそうです。

眠るように・・・飼い主ならばだれもが願う事だと思います。飼い主さんとローズちゃんと、どちらにとっても、理想的なお別れだったのだと思います。

かりんさんの看護は慈愛に満ちている、かりんさんの病院の雰囲気が伝わって来ます。

動物看護の先には、必ず人がいる。経験を積むほどそれを強く実感しますね。飼い主さんとのおつきあいが長くなるほど、素の自分を見つめる事になります・・・しっかりせねば!

2009/2/20  1:45

投稿者:かりん

こんばんわん。
体が悲鳴をあげている時は、早くお休みになってくだされ。

今この時を一生懸命生きている子の前で、お願いだから、泣かないで。不安になっちゃうし、心配もしちゃうから。涙はまだ早い。
そして、泣きたくなったり、グチを言いたくなったら、私でよかったらいつでも話相手になりますよん。

ってオーナーさんに伝えます。

私自身が多くの患者さん達に励まされてきたように。。一人で孤独をかかえないように。
そして、最後の時には、心からありがとうって送り出してあげれるように。

いろんな視点から、私達がサポートできることは多いですよね。
というか、これこそ、看護の原点なのかもしれない。その飼い主さん、その子、一人ひとりに合わせたオーダーメードの看護の実践こそ、私達の出番なんだと思います。

私、以前、看護学生時代からヒトの看護士をやっていた時まで専門が救急だったんですよん。

亡くなった方の幽霊も何度か病棟で見たけど、やっぱり生きているヒトが怖かった。。
何度か、いきなり手をつかまれて「殺してくれ」って懇願されたこともあったし。。

あの頃は、世間知らずでひたすら毎日を精一杯こなしていたけど、今なら、もう少し余裕をもって患者さんお一人お一人と、そしてそのご家族の方々と向き合えるかなぁ。

少しは、ヒトとしても、成長していて欲しい、自分。。

ローズちゃん、同じような境遇のヒト、動物達、みんなみんな、明日もきっといい日だったと笑顔でいえますように。。。優しい時間が流れますように。。

とりとめもなく書いちゃった〜。
ごめんちゃい。
でわ〜

2009/2/19  22:42

投稿者:しっぽ

かりんさん、こんばんにゃん。(^_^)

「死は、じつは 避けられない現実です」とお伝えしなければならない事がありますよね。

そこへたどり着いてしまうまでのときを、どのように過ごすのかが大切なんですよね。

動物たちが教えてくれる事って、本当にたくさんありますね。

2009/2/18  22:34

投稿者:かりん

こんばんわん。
私は、こういう時、「神様がくれた優しい時間」なのだと思います。

私達ヒトは、先生の説明を聞いたり、テレビや本などで見聞いた情報、経験を基にあれこれ悪い未来を考えてしまうので、落ち込んでしまうんじゃないかなぁ。

それに比べ、彼らはずっとピュア。
今を生きている、決して自分の未来が悪いものだとは思っていない、そんな気がします。

そしてこんな時、私達、医療従事者は、たとえ、この先にどんな未来が待っていようとも、彼らと一緒にその都度、「希望」を探していければいいなって思います。

それは、痛くないことかも、苦しくないことかも、いつも愛するヒトがそばにいてくれることかも、、なのかもしれない。

死が避けられない現実だとしても、そこに少しでも、希望があれば、それにすがって生きていける、そんな気がします。

そんなきっかけ作りができたらいいな。
ねぇ。そう思いません?

2009/2/18  0:40

投稿者:しっぽ

こんな状態でも、動物たちは健気です。決して弱音を吐きませんから。「生きるために生きる」んですね・・・

飼い主さんの熱心さが、スタッフを動かしています。わたしたちは、彼女たちの愛情の深さに感動し、だからこそ、力になりたいと思います。

動物病院は「病気を治すところ」だなんて、おこがましくて言えません。
動物病院は、病気と闘う命と、それを守ろうとする人のために「力を貸すところ」です。

他のワンコたちも、寝たきりのローズをいとおしがって舐めに来るんですって。それ聞いたとき泣きそうになっちゃいました。

2009/2/17  18:51

投稿者:ウーロン

この子にとって最善は何?

いつも自問自答ですが正解はないんですよね。


病院を選べない地域や
払えないほどの治療費や
自分の体力や
自分以外の家族の理解とか協力とか
越えられない壁はたくさんあるものね。


でも愛されていると感じてくれれば
きっとそれが最善だと信じたいです。


幸せな時間が少しでも長く続きますように…。



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