おしらせ  

しっぽナースの日常へお越しくださったみなさま。ありがとうございます。

この春、しっぽはVT20年目に突入しました。あっと言う間でしたねぇ・・・

できる限り 間違いがないように&誤解のないように、を心がけてはおりますが、日進月歩の獣医療。。。
中には、校正わすれたまま放置された記事や 後になって思えば 幾らなんでも大違い なんて文章も、そのまま掲載しちゃってるかもしれません

ここがヘンだよという方も、ちょっと通りすがっただけという方も、どうぞコメントをお寄せください


各種コメントはいままで通り掲示板もご活用いただけます。
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2009/6/16

どっちもどっち  休日

ぼんぼり と トーチ 
我が家の猫が2匹になりました。

新入りの名前はトーチ。写真がなくて残念ですが、産婆に出かけて立ち会った出生時おもわず

「まぁ、、、なんてお気の毒な!」

と声に出てしまい、
飼い主さんがそのまんま気の毒ちゃんと名付けていた子でございます。
つまり、そんな柄

気の毒 が トーチ に変わったのは・・・・・
写真があれば早いんですけどね。

黒地にオレンジをまぶしたような。
なんか、燃えかすみたいな色なんです。

生まれたばかりで カス じゃねぇ・・・あまりにお気の毒。

それで、ウチに来る事にきまったときにあれこれ悩んだ挙げ句、torch にしたんです。
たいまつとかかがり火とか、そんなイメージで。

もう、むっちゃくちゃ不評です。

言いにくい! 
呼びにくい! 
理解しにくい! 
ぜったい覚えない!

ぼんぼりのときも同じ事言われましたけどね、けっきょく ぼんぼり でうまくいってます


さて、初ご対面のお二人。
生後2ヵ月のトーチは訳もわからず、きんちょーしまくりで 思い出したように ふぁーっ!
うまれて初めてテリトリー侵害されて、新入りの後を匂いかぎまくりのぼんぼりも よくわかんなけいど取り敢えず ファッ!ファッ!ファッ!

明日の休日は、どっちもどっちのこの二人に、たっぷりお付き合いしたと思います。
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2009/6/13

この子どこの子  動物病院のお仕事

いよいよ入梅しましたね。 その割にはお洗濯は綺麗に乾きましたが。

入梅前後、めっきり増える問合せに迷子があります。ツバメやスズメ、時にはめじろ。ヒナが巣立つ季節なんですね・・・今年の初迷子ちゃんは、カラスでした。

「道に落ちていた」と拾ってくださる方もいらっしゃるのですが、巣立ちの準備は簡単ではないもよう。保護したつもりが、じつは誘拐だった!ということもあるのでご注意を。

先日の電話は「動けない」というご相談で、道に佇んでいる間に野良猫に狙われたり、交通事故に遭う危険もあるので、お連れいただく事になりました。

体は傾いているものの、羽根を広げてもレントゲンを撮っても大きな損傷は発見されず。ひとまず段ボール箱に入れて様子を観察する事になりました。

食べ物は、鳩のえさで有名な数種の種や穀類、それからドッグフード。カラスは雑食性で脂肪を好むので、この子もドライフードはお口に合ったようです。夜になる頃には、体の傾斜もだんだん持ち直しておりました。

翌日はタイミング良く、野鳥に詳しいパート先生が来る日。

「親が見てるかもしれないよ」「きっとまだ近所にいるはず」

確かに保護されたのはこの先の交差点だけど、ほんとにちゃんと見ているの??
半信半疑で、アドバイス通りヒナを金網ケージに移し、見通しの良いベランダに置いてみると・・・

うっそぉ〜

数時間後、そぉ〜っと覗いてみると、どこからともなく現れた親カラス2羽。すぐ傍の電線にとまって、互いに啼き合っているではないですか!

   父ちゃん、ここだよ。母ちゃん、待ってて。
   おまえ、だいじょうぶかい

とでも言い合っているんでしょうか?

パート先生が、これなら大丈夫とお墨付きも出てゴーサイン。無事に放鳥となりました。


翌日、保護したお兄さんから連絡が入り、「ご両親にお返ししましたよ〜」と言うと、
ええっ!ほんとッスかっ!
と感動の叫び声が。

ええ、ほんとうですとも。

ホントに、お迎えに来るんですねぇ・・・わたしも感動しましたわ。
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2009/5/14

背中に辛子明太子  動物病院のお仕事

じつはわたくし、辛いものが苦手です・・・

特に、赤い辛いはぜ〜んぜんダメ。黄色い青いなら、まだ少しはなんとかなるけど。お子ちゃまな舌の持ち主でございます・・・

そして、持病は肩凝りです。ほんとにもう、泣きたいくらいの凝り性です。

昨夜は枕の向きが悪かったのか、朝からこれがまた、どうしようもないほど肩がだるい。腕を上げるとピリピリと痛みが走るのです。

吊り下がっている点滴に手を伸ばすとき。
吊り戸棚から薬の在庫を取り出すとき。
カルテ棚からア行のカルテを出すとき。

今夜は、だんなを使って最強の痛み止め、ボルタレンテープを貼ってもらいました。

おぉ〜〜 効いて来た効いて来た! なんだかポカポカしてきました〜
しばらくすると、ちょっとヒリヒリ感じます。むぅぅ〜 
でもこのくらいがちょうどいい。

きっと明日の朝は爽快でしょう!


最近はすっかりこのテープの虜ですが、むかしはカンメルパスタという塗り薬を愛用しておりました。

何回か前のオリンピックで、日本の選手が「効くんですよ〜」と語ったとか語らなかったとか。
すっかり有名な薬になっちゃいまして。

これ、馬の薬なんです。それで動物病院へやって来て、

「カンメルパスタください」と

犬も猫も、馬も連れずにおっしゃる方が続出した事がありました。

いやはや、絶叫マシンもびっくりですよ。
塗ってしばらくは暢気な顔でテレビ見ていられるんですが、
15分くらいすると居ても立ってもいられない。
ポカポカじわ〜 が、次第に ズキズキじんじん。

そのうち「剥がして〜!」
「取って〜〜!」
「何とかしてぇ〜〜!!」

  塗り薬なんで。我慢して。

冷めただんなの声。

我慢できずに水風呂浴びた事もありました。
なんか、背中に辛子明太子を塗ったか、
カチカチ山のタヌキさんになった気分でしたよ。とほほ。
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2009/5/8

しあわせな一日  動物病院のお仕事

なが〜かったゴールデンウィーク。みなさまいかがお過ごしでしたか?じゅうぶん休養なさいましたか?

わたくしは、例年通りお仕事です。じつは3月末からちゃんとお休みが取れずにおりまして。ややバテ気味でございました。

しかしそんな連休も、一気に心が晴れる出来事もありました


連休を利用して実家へ行かれたり、春のお祭りに出かけた方もおいでになったのではないでしょうか。しっぽの地元もお祭りでにぎわっておりましたよ〜

わが町のB級グルメがなんと全国一の栄冠に輝いたとかで、お祭り会場の公園は屋台村の様相。

雨にふられた5日は火曜日。休診日のお掃除当番に、だんなと出かけがてら公園の屋台村で、噂のB級グルメを味わって来ようと・・・

「雨だしね〜」「人も少ないんじゃない?」

い〜〜え、とんでもない。あっちからもこっちからも湧くように集まる人びと。

公園を取り囲むように長蛇の列! これに並んでいたら、病院でご飯を待ってる犬猫たちに申し訳ない。

後ろ髪を引かれながらごった返す公園を横切り、匂いだけをお土産に、通勤路をトボトボ歩くのでした。


翌日、お祭りに行った?と聞くと、新人ちゃんも女先生もノンノンと首を振る。雨の中、わざわざ行かないよねぇ、電車に乗ってまで。

でも新人ちゃんは興味津々。どんなでしたと盛んに聞いて来る。そういうことなら。

よっしゃ〜!「午後の予定は薬浴だけだし、一人でもできるから行っておいでよ!」と言うと

えぇ! いいんですかっ?!とふたりで出かけて行きました。

いいじゃないの、これくらい。
人の連休横目で見ながら、代休も貰えないで働いているんだもの。
毎日毎日、愚痴も言わずに出勤してくれるんだもの。
お休み気分を、1時間でも体験させてあげられるなら、こんなことで報われるなら御安いご用だわ



そろそろシャンプーも仕上がって、飼い主さんに連絡しようかな〜と思っていると、元気にただいま〜と帰って来た二人。

手に手にビニール袋を下げている。 あら〜 いい匂い。お腹がきゅるる〜と鳴る匂い。

わたしたちばかりか、お店のスタッフの分までお土産を買って来てくれた!

お目当てはなかったけど、30分も並んだけど、雨なのにすごい人出だったけど、と楽しそうに話している姿だけでじゅうぶんお土産なのに!

まさかの豚串。思いやりの味がした、しあわせな一日でした
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2009/3/15

くりちゃんの生涯  動物病院のお仕事

新人ちゃんが「工事、終わりましたかぁ〜?」と聞いて来る。わたしは ううん、まだ。 という顔で返事する。

3月になると、まるで宿題を忘れてた子供のように、あわてて道を掘り返す。街のあちこちで見かける光景だ。

新人ちゃんが心配しているのは、街の予算の行方でも、わたしの通勤の悪路でもない。その公園の工事が終わったら、保護猫のくりちゃんを「そこへはなって来ようか」と言った、院長の提案を真に受けているからだ。

わたしはそんな話、鼻から信用しちゃいない

もう少し元気になったら。
もうちょっと体重が増えたら。
まだ外は寒いから。
明日も雨の予報だから。

延々と言い訳が続いている。

                 


くりちゃんが来たのは1月の末。市役所に“なんでもやる課”みたいな部署があるそうで、道で行き倒れた野良猫の通報があったらしい。

普段、この手の処理は保健所から連絡が入る事になっているのだけれど。役所って、横のつながりがないのよね・・・

今回は、そういう手順をご存じなかったなんでもやる課の若手さんが、段ボールに入った猫を、連れて来ちゃった。まぁ、早い話、結果は同じ事なんですが。

「取り敢えず、治せるものなら治しますけどねぇ・・・」と院長。

見れば猫は心細い声で鳴いている。泥まみれの大人猫。
相手がお役所じゃ、連れては来ても引き取ってはくれない。たとえ治っても、里親探しは望み薄だ。


ノラさんを連れてくる人の多くは、なかなかその後の事まで考えが及ばない。そりゃあそうだ、とわたしも思う。

拾う = 救う

だと思うよね、ふつう。

でも救った後のその子は、いったい誰が面倒を見るんだろう? じゃあ 拾うな なのかと言われれば、決してYESとは思えない・・・ これは、奥の深いモンダイなのだ。

くりちゃんは少しずつ元気を取り戻し、ウイルス検査もクリアした。
体力が戻るにつれて、目が見えない事も判明し、歩いてみればみょうちきりんな腰砕け

とても外で暮らしてはいけそうにない。
とうとう入院用のケージからお引越、奥の間をあてがわれた。
きっとくりちゃんは、生涯をココで過ごす事になる。よろしくね、くりちゃん。
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2009/2/28

雨の日もランランラン  動物病院のお仕事

関東地方は、この季節には珍しく雨の日が続いておりました。きょうは6日ぶりに日差しが覗き、少し暖か。

ふだんのしっぽの朝はだんなを先に送り出し、片付けをしたり夕飯の準備をしたり、やや遅れて徒歩通勤。でも、雨の朝はだんなの車に便乗させてもらいます

雨にしょぼつく街は、いつもとちょっと違う風景に見えてきます。公園の遊具にも元気がないし、濡れそぼった木々もうなだれている・・・

通勤路は車が渋滞し、遠くの赤信号からちっとも先に進まない。

車窓からぼんやり公園を眺めていると、向こうから傘がひとつ近づいて来る。時々止まったり、また歩き出してはまた止まる。

不思議な動きだなぁ、と見つめていると、レインコートにしっかり身を包んだ女性が、木立の中から見え隠れ。どうやらワンコを連れている。リードに繋がれたダックスフント。こんな雨をものともせずに、立ち止まっては片足を挙げる。

うわぁ 全身ずぶぬれ。天然シャワーだ・・・このままシャンプーかな?


昨日も散歩途中のコーギーさんが予防接種に来院。レインコート着たまま全身ぶるぶるで、可愛いのは笑えたけど、帰った後は・・・・ちょっと笑えなかった〜

雨が続くと、飼い主さんも大変ですよね。

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2009/2/14

介護の行方  動物病院のお仕事

ラブラドールのローズちゃんは、飼い主さんがアジリティに燃えていて、彼女のために車を替え、大型のバリケンを特注し、なんと関西まで出かけたりもなさるのだ。

愛情の掛け方だってハンパない。申し分のないしつけをし、誰もが賞賛する理想的なご家族だ。

ところがそのローズちゃんもいよいよお年を召してきて、この冬 寒さが厳しくなってから体調を崩すようになった。検査の結果、肝臓のがんと、院長の予想通りクッシング症候群が確定してしまった。

クッシング症候群は副腎から出るホルモンが過剰に分泌されることで、カラダのいろんな機能がバランスを保てなくなる病気なのだけれど、、、

じつは、足りない というより、多い というほうが厄介なのですよ

足りない場合は不足分を足してあげれば良いわけですが、多いとなるとそれを減らすのは、なかなか方法も限られる。

昔は、ホルモンが出ている所を壊して、いっそ出なくしてしまえー みたいなキワドい方法が主流だったのだけれど、現在は薬も開発されて、 出る→機能する というプロセスに薬の効果を反映させる方法が多く取られるようになってきました 安全でしょ?

でもこの方法、もんのすごい難点がある。

薬が、高い。本当に、高いんだ〜〜〜

小型犬ならともかく、ローズちゃんは大型犬。1日の薬代が、仕入価格でも2000円くらいかかってしまう!
1ヵ月6万円超えの薬代って・・・
しかも、完治する訳じゃない・・・

ご家族と院長が、長い時間をかけて、病との闘い方を、そして、共存の仕方を、話し合っていた。

今月に入って、ローズちゃんは起立できなくなりすっかり痩せてしまった。いつ褥創ができてもおかしくないのに、飼い主さんの愛情がそれをすれすれの所で阻んでいる。

飼い主さんに「少し、力を抜いた方がいいよ」と、人の介護のお仕事をしているご家族がアドバイス。今日は一日病院で点滴し、夜にお返しすることになりました。

アメリカでは、犬の死因トップが「安楽死」だそうです。理由のトップは、問題行動。いろんな違いがあるからね、文化とか死生観とか・・・

ローズちゃんは黄疸も強くなり、四肢にはすっかり浮腫がすすみ、むくみを取るためのマッサージをしながら、いろいろなことに思いを馳せておりました・・・


飼い主さんが迎えにみえて、点滴道具などお渡ししながらしばしお話ししておりましたが、一時より気持ちが落ち着いて来たご様子。

とりあえず、強い痛みも苦痛もないローズちゃんには、ご家族のこの介護が一番向いているのだろう。「今までで、いちばんローズと話し合っているの」明るくおっしゃる飼い主さん。一瞬一瞬を大切にして欲しい。
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2009/2/3

どっちが大事  動物病院のお仕事

飼い主さんの大槻クンは、初診の時 女先生が休みだったため、院長じきじきに一通りの説明を受けていただいた。

こう言っちゃ失礼だけど、ちょっとかる〜い印象を与えるおにいちゃんで、夜になると空きビルのテナントのガラスに、自分を映しながらダンスを踊っていそうなタイプ。おてんばなワンコは、その名もMC。

院長の話をマジメに聞いてはいるんだが、はぁ とか ふ〜ん とか それってサァ という受答えが、おっさんな院長には不服らしい

傍ではしゃぐワンコを制止しているしっぽも、なんだかハラハラ感じたものだった。

初診の診察は時間がかかる。特に、大槻クンのように初めてワンコを飼うという場合には。

ワクチンのこと
フィラリアのこと
連れて出かけるとき
留守番させるとき
シャンプーやお手入れについて
しつけについて

知って欲しいことは山ほどある。
院長の話もそろそろ終盤に入った頃、カツカツカツと玄関を入って来るハイヒールの音がして、ガラっと診察室の扉が開いた。あんまり元気のよい開き方だったので、さすがの院長も ん? と話を中断したほどだ。すると入ってきた若い女性が

「ねえ、まだぁ〜?」

・ ・・・なるほど。これが大槻クンの彼女さんか。
もうすぐだから、と院長がワクチンを打ち、余計なことは言わずさっさと会計を済ませて、二人の後ろ姿を見送った。

それからぴったり1ヶ月。大槻クンが2度目のワクチンにワンコを連れてやってきた。今度は女先生が対応し、診察室からときおり笑い声が漏れていた。

大槻クンは、会計を待つ間もMCを膝に乗せて遊ぶ姿が板についてきた。「すっかり慣れたわね、お互いに」と話しかけると、大槻クン

「でも、カノジョ、別れちゃったんですよ、こいつが咬んだから」

あらまぁ、人を咬むような子じゃなさそうなのに?と言うと、

「どっちが大事だって喧嘩ンなって、犬に決まってんだろ、って言ったら、出て行っちゃった」あっけらかんとしている。

後ろにいた新人ちゃんが、そりゃそうだなんて言うし、困っちゃう。
なぜか大槻クンに好感を持ったしっぽでございました。


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2008/12/28

営業電話撃退法  ショップのお仕事

OL時代、何が一番苦労したと聞かれたら、何と言っても電話応対だったでしょうか・・・

新入社員になりたての頃、お手本ビデオで研修を受けました。アナウンサーのような口調で、OL役のおねえさんが「加藤でございますね、少し、お待ちください」と答えてたりしているわけです。

ビデオを観た後で感想文を書き、上司と実際にやり取りするのですが、人事担当の上司が強面ですっかり緊張してしまい、わたしの口から出た言葉は「加藤でござりまするね」 

武家の娘じゃないんだから、とか 水戸黄門か、とか さんざんからかわれたものでした



しかしまあ、この頃の教えは 職業の替わった今となっても大変役立つ貴重な経験となりました。今の職場でも、電話応対は重要な仕事だからです。

飼主さんからの電話だけではありません。職場には様々な勧誘や営業の電話もかかってきます。うまくかわしたと思っても、同じ会社の違う人から、また同じ勧誘電話が掛かってくることもあるのです。

忙しいと、心の中で いーかげんにせーよ! と叫びながらニッコリ笑顔で「あいにく、ただいま外しております」とか何とか、テキトーな事を言うわけです。

すぐにこりゃ営業電話だなとわかる時はいいのですが、どうも曖昧な事もあり、パートのスタッフなんかは簡単に騙されております。

こないだもなんやかやと熱心に話し込んでおりましたが、院長に繋ごうとしていたので「誰からなの?」と聞くと、電話代が安くなるそうなんです、と。

この手の電話はもう一日に何件も掛かってくるので、すっかり慣れっこになってるしっぽ。さっさと代わって「せっかくのお話しですが、わたくしどもでは結構です。」とキッパリ



そんな事のあった日の午後、ショップのシャンプーを手伝っていたら、どうやら同じ営業電話が掛かってきたらしい。

対応しているお姑様も、落ち着きのないプードルを片手で押さえながら受話器の向こうが諦めてくれるのを待っている口調だ。「いいのよ、ウチは」と何度も繰り返している。

すると「あら。そうなの?」と急に態度が変わるではないか!

お義母さま!
騙されちゃいけません!
そんな口車に乗っては、いけません!!

「名前を言えばいいのね?あたしはヤマモトよ。そう。ヤ マ モ ト! 山本山のヤマモトよ」



きゃぁ〜 おかあさま〜! 



トリミング室のみんなは、笑いを堪えて必死の形相だ。だってどこにもヤマモトさんなんていないんだもん。

OL時代に習えなかった方法を、今は実地で体験させてもらってます

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2008/12/15

レシピ募集中  いろんな出来事

うちは、だんなの趣味が料理なのです。

あくまで趣味ですから、やりたいときしかやりません。

やりたくなると、材料もごっそり買ってくるので、冷蔵庫は不良在庫の宝庫です。

必ずしも美味しいとは限りません。
でも 褒めてさえおけば、気を良くしてまた作ってくれるので、褒めちぎる事にしています、大げさでない程度に。

特に、お片付けもやってくださるようになってからは、本当にありがたく感じるようになりました。
帰宅するなりベッドに倒れ込みたい衝動に駆られる日もありますし、こんな時にささっとテーブルが片付くと、

「そんな事ならデザートでも食べよっかな」と思います。

だんなさまが器用に食事を作る姿。
なかなか良い眺めではあります。
「羨ましい」とも言われます。

しかし、そんな日が毎日続くわけではありません。
ある日とつぜん、帰宅と同時にテレビの前に座るだんな。
目はビデオ録画画面を向いたまま、まるで当たり前と言わんばかりにお尋ねになります。

「今日は なに?」


 な、なにって・・・残りもんだよ・・・


残りもんが続いてしまいます、アナタのやる気が起こるまで。



さすがのしっぽも、このままではまずいだろう、と思いまして。とうとう買ってしまいました、圧力鍋。

自力で運べる重さでした。
がんばれば使いこなせる気持ちになりました。
何よりも、聞いていたより安かった


「趣味は料理」と豪語するだんながどんな反応するかと楽しみにしてたのですが、意外に冷静。

レシピブックを見せてやる気を喚起しても動ぜず。うぅ〜ん。どうしたもんか。


「料理って、やらないと腕前が鈍るよ?」
「新しい鍋には、慣れが必要だよ?」


するとだんなさま、取説から目を上げて呟いた。

「圧力鍋って、怖くない?」


へぇぇ〜〜 あなたにも怖いものがあったのね!


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2008/11/20

その名は ぼんぼり  動物病院のお仕事

今年の春、3月3日生まれ。母猫はアメショ、父猫はエキゾ。立派な雑種でございます。

やっと避妊手術を済ませました。

       クリックすると元のサイズで表示します

術後7時間ほど。いやはや、情けない姿でございます・・・

いつも不妊手術の後は「3〜4日もすれば、普段通りに戻りますよ」と言っておかえししておりますが、まさに言葉通り。

今夜は術後4日目になりますが、もうすっかり本調子。おとなしくて可愛かったのは当日と翌日くらいでしょうか? 

うちでは、オス猫以外はみんな当日1泊してもらっているのですが、うちのを見てても「それは正解だな」

当日はさすがに声も出さず、じっと耐えているのがわかるんです。猫も「放っておいて」と言わんばかり。部屋の隅っこで丸くなっておりましたし、すぐにお家へ帰したらかえってご家族が心配なさるかもしれません。

術後の傷にパッチを付けておくのですが、わんこはともかく、猫は体に何かくっつくのをとても気にします。うちのも例外ではありませんでした。

とにかく、舐める舐める。ひたすら舐める。んで、おべべを着せられちゃいました。 コレも嫌がってましたけどね。一晩だけ、我慢させました。


この術護服を作ってくださる飼主さんが これまた珍しい種類の猫を飼っておられまして。マンチカンって種類なんですけど、猫のダックスフンドとでも言うんでしょうか、四肢が短いんです。

もし赤ちゃんが産まれたら「一匹はお宅へ」と。前回は残念ながら不発だったようですが。


新しい子をウチへ迎える事に決めたとき、名前が先に決まっていて、その名に似合う子がいたらウチの子にしよう、と思っていたのです。

メスならぼんぼり、オスならあんどん、と決めておりました。3月3日生まれだったのは、何かの暗示だったのかな〜と思います。

しかし、だんなには不評です。「言いにくい」って。

本人も、子猫の時はまったく呼ばれてる感ゼロ な困ったちゃんでしたんで、猫に向かって「だめだめ!」とか「やめてくださいよ!」とか叫んでいる事の方が多く、そういう名前だと覚えちゃったらどうしよう、と 真剣に悩んでおりました


次にもしまた猫をもらったら、名前はどうしよう。

かんてら とか ちょうちん とか そんなのを考えているんですけど、きっとぼんぼり以上に不評でしょうなぁ・・・
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2008/11/20

すべて世は事もなし  動物病院のお仕事

ちょっとキザな言い方をすれば、人生を振り返ればそれは連続した風景画のようなものじゃないか、と時々思う。時には絵の中心に、時には端っこに自分が居る。






声の主は、2年半前に亡くしたサリーちゃんのことが忘れられない飼い主さん。彼女の風景画には、いつも自分とサリーちゃんが並んで描かれているのに違いない。

2年半、その子を今も思い続けて過ごしているのだ。そして心の痛みを一人で抱えきれなくなると、しっぽのところへ電話して来る。「あの子は、本当に死んでいたのでしょうか」と。

彼女がほんのつかの間、うとうととしたその隙に天使が彼女のサリーちゃんを連れて行ってしまった。その事実を受け入れられず「生きていたかもしれないのに、あの子を埋葬してしまった」と悔やんでおられる。今やもう、事実を確かめる術もない、と。

彼女との会話はいつも長電話になる。

家庭の事情で引っ越し。
かかりつけが代わった詫び。
引越先での苦労。
家庭の不和。
手をかけられなくなった苦悩。
亡くなった時の状況。
転居先の獣医師の説明。そして孤独との戦い。

話題は尽きている。しかし話は尽きる事なく繰り返される。

わたしは思う、彼女は、まだサリーちゃんと暮らしている、いや、サリーちゃんが存在した過去と、共にいるのだ。

彼女を納得させる事ができるのは、彼女自身でしかない。どれだけ長く話を聞いても、彼女の痛みを軽くする事さえできないのだ。




たいていの人は、どこかで折り合いをつけられる。「あの子は死んだ。わたしは生きる。」

この想いを時間をかけて見つめ、写真のように生々しい現実だった過去を、絵の具で描いた風景画のように、彩りを加えて美しく染め直す。

例えば...
別れのとき、雲間から差し込む太陽の薄くれない色は頬を照らし、二人の見つめ合う目は同じ言語を解さないのに一語漏らさず理解され、悲しみの涙さえ、そこでは美しく光る真珠になる・・・







そう。写真は現実をそのまんま残すけど、絵ならば美しく描き直すことができる。楽しかったことも悲しい思い出も、絵画のように描き直せばいいのだ。

そして、人生とは風景画のようなものだ、と呟きながら、たまには自分を風景画の枠の外に置き、わたしは、人生を俯瞰して見ていたい。





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2008/11/18

銀座に名店数々あれど  休日

さて皆様。今年最後の連休を今週末に控え、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

わたくしは、おそらく今年最後になるはずの休日を、17日の土曜日に過ごしてまいりました。その日は誰あろう実家の母も出演するお稽古の発表会でございました。

場所は水天宮前、箱崎ロイヤルパークホテル。しっぽの場合、発表会よりその後のお食事会がお目当てですから親孝行とは名ばかりで・・・えへへ。

どちらにしても、心筋梗塞、その後に肺水腫と、絵に描いたような心臓病の経過を辿った母が、これほど回復できたのも、レッスンを“飴と鞭”を使い分けてご指導くださる先生や、楽しく過ごせるお仲間の皆様のお陰です。本当にありがたいことでございます。

このホテルでの発表会はもう20年以上も続いているのだとか。生徒さんの中から「我こそは!」または「この人こそ!」という23〜4名が選出されて、一人2曲ずつ ご披露となります。

ドレスもアクセサリーもライトにまばゆくキラキラ光り、おばさまたちは美しい! お歌の方は始めたばかりの初心者さんから20年選手のベテランさんまで、みなさんどれだけ練習を重ねたのだろうか、と思うとその情熱に頭が下がります。そしてまたこの舞台!よくぞ見事に退屈させない演出をなさるもんだと感心するばかり。

しっぽは従姉とホテルのロビーで待ち合わせたのですが、せっかくお休みをもらったことだし、少し早く家を出て、銀座をブラブラと過ごしてみました。クリスマス前のイルミネーションも始まってとっても綺麗。

有楽町から西銀座デパートをうろうろ。マロニエ通りから路地を抜けながら和光方向へ。みゆき通りへ入ったり、別の路地を抜けたりしながらつらつらと・・・ぁあシアワセ

だんなと歌舞伎を見に来る時は、脇目も振らずにひたすら目的地へ向かうばかりで、一向に銀ブラ気分にならないけれど、やっぱり一人っていいわぁ〜 「え、これなに?」「あ〜 こんな所にあったんだ!」 と気分次第で寄り道したり佇んだり。

天気も味方してくれました。小雨も止んで寒くなく暑くもなく。

あんまりうろついてるとまた迷子になっちゃう。そろそろ会場に向かおうかなぁ、と思いながら 中央通りを新橋方向へ歩いていると、道の向こうから汗を拭き拭き男性が声をかけてきた。「すみません、天国ってどこですか?」

「へ? てんごくですか??」さては新手の勧誘か? それにしてはずいぶん焦ってるなー

しっぽが頭の回りに  をいっぱい点滅させてるのが見えたのか男性が付け加えた。「8丁目ですかね。この辺だって聞いたんですけど。えっと、てんぷらのてんごくって」

「あ〜〜 それなら てんくに だ!」

勧誘じゃなくてヨカッタ!知っててヨカッタ! こないだ来たときだんなと食事したんだ。すぐこの先の左手ですよ、と説明しながら胸をなでおろすしっぽでございました。
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2008/11/2

願っていれば  ショップのお仕事

そうこうするうち、今年もあと2ヶ月になってしまいましたね。

10月のうちにと思っていたのに・・・じつは、ウチの娘の避妊手術のことでございます。3月3日ひな祭りの生まれ。あっという間に8ヶ月。そろそろ最初のシーズンが到来してもおかしくないのに、奥手なんでしょうか?

まぁね、猫は季節で発情を迎えますので、タイミングが合わなければ持ち越しするつもりかもしれません。

しかし、最初の発情期の前に不妊手術を受けておくと、乳がんの発生率はは99.9%防げるという報告もあるのです。 こりゃあ早いに越したことはないな、と思いません?


ところで、この子がまだショップのショーケースでママ猫や兄弟たちと戯れていた春のある日。

しっぽはトリミングのお手伝いを終わらせて、いちばんブチャイクな一匹を手に取っておりました。これがウチに来る子猫か、と、半ば喜び半ば諦めたような気持ちになりながら、掃除をしておったのです。

たしか、5月の連休だったかもしれません。まだ日の高い夕刻に近い時刻。お買い物帰りと思しき親子連れが通りかかり、外から 掃除風景を眺めております。

わたしも、デパートのペットショップで、飽きずに子猫を眺めている子供でございました。迷子になれば「ペットショップで見つかるよ」と言われたものでした。

一通り掃除を済ませても、4年生くらいのその女の子は、まだ外で猫たちがじゃれ合うのを見つめているのです。

しっぽと目が合うと、ちょっと恥ずかしそうに視線をそらし、お母さんの方をチラと見たり。この子もねこが好きなんだ。

しっぽがもらうことになっていた子猫を抱いて外へ回り「抱っこしてみる?」と聞くと、うん、と頷く。お母さんにも「アレルギーはないですか、抱っこしてもらって大丈夫かしら」と確認すると、ええ大丈夫、よかったわねぇと嬉しそうにしてくださった。

抱っこの仕方が上手ね、慣れてるのね?と言うと、お母さんが、この先のおばあちゃんの家には猫がいて毎日抱いて遊んでいるけど、うちはマンションだから飼えないんです、とおっしゃった。

そうか、それならこの猫はわたしがもらうことに決まっているから、いつでも抱っこしにいらっしゃい、と言うと、お母さんまで「えー いいんですか? 本当に来ちゃいそうです」と笑っていた。

動物が好きな子供は、優しく育つとしっぽは思う。動物が好きな大人だって、豊かな心の持ち主だ。弱いものへのいたわりや、相手の痛みを知っている。

動物としか会話できないんじゃ困るけど、動物を介して広がる世界があるのも事実。

今はダメでも、願っていればきっといつかペットと暮らせる時が来る。ちゃんと磁力が働くものだと、わたしは信じているのだけれど。

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