秋晴れが続く過ごしやすい季節なのに、我がマンションは改修工事で、洗濯物をベランダに干すのはおろか、窓も開けられない日があったりして、いささかイライラさせられる。
カーテンを開けると見渡せた景色も、張り巡らせたネットでよく見えないし、植木も家の中に入れなくてはならなくて、光合成の足りない葉っぱが枯れてきたりして可哀想。
まったく、こんな良い時期を選ぶなんて、管理組合も何を考えているんだか…。
という感じで、愚痴から始めてみましたが、先週金土曜のライブをレポートします。
■2007/10/26(金)『Plaza de Fuente』@神戸クレオール
柴田奈穂(vln) 田村賢一(cello,arrange) 荒玉哲郎(cb) 島田篤(pf)
Plaza de Fuente=泉の広場は、古典タンゴから日本の歌や演歌や果てはアニメソングまでを、奇才・田村賢一のアレンジで送るタンゴバンド。
「武田節」「与作」「黒猫のタンゴ」「妖怪人間ベム」と聞いて、これらの曲が格好いいモダンなタンゴになっていると書いてもピンとはなかなか来ないと思うし、「ロドリゲス・ペーニャ」「フェリシア」「エル・アマネセール」等の古典も、とても緻密でモダンなアレンジにより新たに息吹を与えられ、故アントニオ・アグリに捧げられた「A.AA」、深緑っぽいという造語の「ベルデスクロアンド」の田村オリジナルの良さ、また「ナイトクラブ1960(田村編曲)」「イマヘネス(荒玉編曲)」といったピアソラ作品も4人編成でスリリングに再現されている。
田村アレンジの一番の特色は、その緻密さにある。
普通なら単一の楽器が主旋を歌い切ってしまう所でも、凝ったハーモニーとリズムでバンド全体で歌わせるので、メンバー全員(もちろん編曲した本人も)気を抜ける暇がまったく無い、集中力と技術を要する、我々曰わく「拷問バンド」なのだ。
メンバー全員がどっぷりこの拷問アレンジに鞭打たれ、マゾ的快感に身を震わせる姿が一番の見所かというと、そうではなく、そのマゾ性に浸りながらアレンジのツボをグィーッと押さえ、痛がるのを構わず全員一丸となってサディスティックに観客をヒイヒイ言わせ、自らはSとMの両快感に身をよじりよがるところ・・・そんな日もそう遠くないのかも知れないと思う。
■2007/10/27(土)『スースーハー』@神戸BIG APPLE
クミ(vo) 島田篤(pf,melodion,casiotone,arrange) 清野拓巳(gt) BIN福井(b) 岡部わたる(dr) 岩田江(sax) 瀬戸一成(tp)
スースーハーはクミの楽曲を島田がアレンジし、メンバー全員で文字通り、吸って吸って吐いて生み出すユニット。
今回はクミの希望で、普遍性を醸したアレンジを心がける。
私自身、段々年を取るにつれて、良い意味でのベタなものも好きになってきたから、いざアレンジを始めてみると、どの曲もスラスラ譜面を書けた。
今回はサックスとトランペットの二管編成だったので、そこを書くのも楽しかった。
ポップでキュートでというと使い古された陳腐な表現になるが、文字通りそんなクミの楽曲を、ロックにフォークにソウルにハウスにアンニュイにジャジーにアバンギャルドに、いろんな味付けをみんなにしてもらって、アレンジする喜びを味わえた。
演奏後なんだか爽快な気分で、最近閉じ隠り気味だったマンション工事ならぬ、私自身の心の窓まで開いてもらえたような気がした。
音楽はいいなぁ。
1+1+1+1+1+1+1が100にも1,000にも、無限にも広がる。
翌日は朝早くから円広志ライブで、奈良県御杖村まで行った。
三重県との県境に位置する山間の、のどかで緑豊かな景色と雰囲気の中ライブをやっていると、円さんのマイクにシオカラトンボがピタッと止まり、どかせようと手で払っても逃げない。
本当にのどかなシーン。
来月は、東京西荻窪のお店【音や金時】で石塚俊明(dr)塩谷博之(s.sax)という敬愛する二人とのセット、短歌絶叫コンサートが大阪東京で、柴田奈穂(vln)とのデュオが大阪と名古屋から岐阜高山へのツアー、その後、神戸BIG APPLEにて清野拓巳(gt)とのデュオと、小倉恒夫(映像)を中心にした映像と音楽のコラボと、楽しみなライブが目白押し。
既にアップ済みのライブスケジュールをご覧になって、皆さん是非お越し下さいませ。