14・15日と,鹿児島国際大学で開かれた日本文化財科学会第25回大会へ。同学会に出席するのは今回がはじめてである。
14日午前中に,あかねださんと連名で,この3月に実施した苗代川窯跡群の地下探査成果を報告。発表時間14分,私は冒頭の5分担当ということで,ただひたすら早口で窯跡群の概要をしゃべり倒したという感じ(笑)
やはり研究というのは,想定していたことが検証されるのもうれしいけれど,それ以上に,想定していなかったデータにより,検証すべき課題が新たに提示される場合のほうが,「ワクワク感」があって楽しい。
あかねださん,ありがとうございました。またこれからもよろしくお願い申し上げます(私信)
興味深く拝聴した発表としては,宇田津徹朗氏らの山東省楊家圏遺跡のプラント・オパール分析(どうやら水稲らしい)や,星野安治氏らの年輪研究による木材の産地同定の可能性(既刊論文があるので要チェック),比佐陽一郎氏らの近・中世の模鋳銭の材質分析(加治木銭を含む九州・山口地区の特殊性),三浦早苗氏らによるラスター彩陶器の分析(関心領域)といったところ。
また2日目のB会場「材質・技法」の分科会で発表を聞いていると,対象が文化財であるだけに,分析対象資料の非破壊・少量化,また分析機器の軽量化(ハンディ化)などが,大きな研究テーマを構成しているということを改めて理解する。
ポスターセッションでは,集成館反射炉・溶鉱炉跡出土の鉄滓分析が報告されていたが,その発表者の方々との話で,資料の由来の確実性が,その分析結果の評価に大きく関わるという点で一致。当たり前と言えば当たり前だが,これは考古学の側に求められていることであろう。
また津山藩と尾張藩の江戸上屋敷から出土している「作」刻銘瓦の胎土分析から,それぞれの瓦が国元から運ばれてきていることが推定されたというポスターセッションも興味を引かれたが,残念ながら発表者がおられなかった(見つけられなかった?)。
久しぶりに自然科学系というか,自然科学絡みの発表をたっぷり聞いて,大いに刺激になった。ただ発表本数52本(26本×2分科会会場),ポスターセッション160本,記念講演1本,おまけにテーマも古環境復元・年代測定・産地推定・材質分析・保存科学などなど,ヴォリュームもヴァラエティもてんこ盛りで,少々おつむがオーヴァーヒート。十分に咀嚼しきれていないというのが正直なところである。